しかし、一度広まった説はなかなか消えることなく、今でも乳酸が筋肉痛や疲労の原因だと考えている人が多くいる現実があります。
乳酸の本当の役割
乳酸が疲労をもたらすものではないとしたら、一体どのような役割があるのでしょうか。
乳酸は、運動後にエネルギー源として分解された糖がもとになっています。
運動後に乳酸がたまるのは、むしろ疲労を素早く回復するため。
乳酸が消費されることで筋肉の疲労が取れ、乳酸量は減少していくのです。
筋肉痛から回復するには
基本的には、筋肉痛は体内の自然なメカニズムにより収束していきます。
とはいえ、あまりにひどく痛む場合は、そうも言っていられませんよね。
筋肉痛を和らげるには、2つの考え方があります。
安静にして回復をはかる
スタンダードなのはこちら。
トレーニングや運動を控え、とにかく筋肉を休ませます。
ほかには、患部を冷やすのも有効ですし、入浴により体全体を温めて血行を良くするのもいいでしょう。
軽い運動をする
もうひとつの考え方として、あえて体を動かすことで回復をはかる方法もあります。
もちろん激しい運動は禁物ですが、マッサージやストレッチなど、軽く体を動かすことで血行を良くします。
筋肉痛にはストレッチが有効
筋肉をつける目的で行なう激しいトレーニングをするときに、筋肉痛は避けて通ることはできません。
とはいえ、事前の準備や事後の対応により、筋肉痛にならなかったり、傷みを軽減したりすることもできます。
特に効果的なのはストレッチです。
運動前に筋肉を適度に伸ばすことにより、筋肉痛を和らげる効果が期待できます。
それでも筋肉痛になってしまった場合に、おすすめしたいストレッチを3つ紹介します。
太もものストレッチ1
- 仰向けになる
- 膝を立てる
- 足を組む
- 下の足を左右に揺さぶる(30秒)
- 上の足をぶらぶらと動かす(30秒)
太もものストレッチ2
- 座る
- 膝を立てる
- 太ももに両手をあて、回転させるように揉む
- 太ももを持って足を伸ばしたり曲げたりする
腕のストレッチ
- 痛い部分に手を当てる
- 痛い方の手をねじるように回す(30秒~1分)
- 押さえる場所を変えながら繰り返す
強く押さえたからといって、効果が高まるとは限りません。
かえって症状が悪化してしまう可能性もありますから、軽く押さえる程度にしましょう。
ハードなトレーニングを積む上で、避けて通ることはできない筋肉痛。
ときに体をいじめ、ときに体をいたわりながら、たくましい肉体を作り上げたいものです。