われわれが運動する目的は、体力の向上や筋力アップ、ダイエットなど、人それぞれです。
その中で、予防医学の観点からトレーニングに取り組む「メディカルフィットネス」という考え方があります。
一般にはあまり知られていない概念ですが、一体どのようなものなのでしょうか。
メディカルフィットネスの基礎知識とともに、都内においてメディカルフィットネスに取り組めるジムを紹介します。
メディカルフィットネスとは
医療的要素のあるフィットネス
メディカルフィットネスは、1985年頃に作られた用語です。
狭い範囲でいえば、医療機関が運営するフィットネスジムを指します。
現在ではより広い範囲で、トレーニング方法や施設の中に医療的要素を取り入れたものを、メディカルフィットネスと呼んでいます。
リハビリだけではないメディカルフィットネス
医療的な要素のあるトレーニングというと、一般に想像されがちなのは「リハビリ」でしょうか。
病気や事故などで衰えたり失われたりした運動機能の回復をはかるリハビリも、確かにメディカルフィットネスのひとつです。
しかし、それだけではありません。
例えば、高齢者の体力向上を目的として、デイサービスやデイケアの一環として行われることもあります。
ほかにも、生活習慣病の予防として取り組むものもあります。
こちらに医療保険が適用されて税金の控除が受けられることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
メディカルフィットネスは「予防医学」の一環であり、近年その重要性が叫ばれているものです。
予防医学とは
病気を未然に防ぐ
予防医学とは、病気にかからないようにするための総合的な取り組みを指す言葉です。
適度な運動もそのひとつですし、バランスのよい食生活であったり、健康に関する正しい知識を身につけることも予防医学の一環です。
学校や会社では、年に一回程度の健康診断が行われます。
こちらも、病気になるリスクを事前に察知し、適切な指導や治療を行うことで重症化を防ぐ、予防医学のひとつです。
予防医学が広まった理由は
皆さん御存知の通り、日本は世界トップクラスの長寿国です。
その一方で子供の数は減少傾向にあり、世界でも類を見ない超高齢化社会を迎えつつあります。
その中で、社会保障費の増大による労働者世代への負担増が大きな社会問題になっていますね。
社会保障費を減らすためにするべきことは何か。
それは、なるべくそういったものに頼らない生活をしてもらうということになります。
病気にかからないよう日頃から心がけてもらうのも、そのひとつでしょう。
予防医学の広まりには、国家財政上の理由も見え隠れしますが、それでも健康でいられるほうがいいのは言うまでもありません。
スポーツジムとの違いは?
一般的なスポーツジムであっても、多くのトレーニング器具を備えていますし、指導してくれるインストラクターもいます。
ただし、スポーツジムはあくまでスポーツであるのに対し、メディカルフィットネスで行われる運動は、医療行為なのです。
ですから、先程もお話したとおり、利用料金は医療費とみなされ、控除の対象となります。
ただし、控除の対象となるにはいくつかの条件があります。
指定されたメディカルフィットネスジムであることや、医師によって運動療法が適切であると診断されていることなどです。