そもそも筋肉痛はなぜ起こる?
筋肉が痛くなるメカニズムとは?
負荷が高い筋力トレーニングを行なったり、普段何もしていない人が突然運動を行なったりすると、翌日、使用した筋肉に痛みが生じることがあります。一般的に筋肉痛と呼ばれているものです。
筋肉痛が起こってしまうメカニズムについては、実はまだ医学的にもエビデンスとなりうる資料としてはっきりと解明されていません。
筋肉痛を厳密に表現すれば、さらに重症の肉離れなども含みます。ただ、ごく一般的に世間の常識として認識されているものとしては、運動後、数時間から数日程度で起きる遅発性筋肉痛のことをいうことが多いようです。
乳酸蓄積説と筋肉損傷説
激しい運動や連続した動作を伴う運動などを行なうと、乳酸などの疲労物質が体内にたまります。従来、この乳酸の発生量が多く、代謝が間に合わない状態で体内に蓄積されることで筋肉痛が発生すると考えられていました。
しかい最近は、この乳酸蓄積説に否定的な意見も出てきています。血液の中の乳酸値は、運動の後早い段階で低下してしまうため、筋肉痛の症状を起こす原因にならないのではないかという意見です。
今最も有力な筋肉痛発生の原因説は、筋肉自体が損傷したためだといわれています。その損傷した筋肉が元の状態に修復される過程で炎症を起こし、その炎症による痛みの物質が筋膜を攻撃するような形となり筋肉痛になるという意見です。
筋肉痛を早く治す効率的な方法
まずは患部を冷やし、あとは温熱療法で対応
筋肉痛の痛みを緩和させる方法はいくつかあります。その1つがアイシングと呼ばれる方法です。運動の直後や筋肉の傷みが激しいときに効果が期待されています。
患部を冷やすことで血液の流れが抑えられ、痛みが伝わる神経を麻痺させることにより痛みを緩和してくれます。また、血管を収縮させることによって、筋肉の炎症を抑える効果もあります。
アイシングの目安は、1回につき20分程度です。痛みがひどいと感じるときは、1日数回に分るといいでしょう。運動で痛めてから数日程度がアイシングを行なう期間の目安だといわれています。
アイシングである程度痛みが改善されてきたら、今度は逆に温めるのがおすすめです。痛めた後の筋肉を温めることで痛みを和らげる方法を温熱療法といいます。