趣味・エクササイズなどでボクシングを始める方が増えたように感じます。だからなのか、最近「ボクシングを始めたのですが、思うような鋭くて強いパンチが打てません、どうしたら?」というお問い合わせをいただきました。
確かに、ボクシングなどで求められるパンチ力はただ筋トレしただけでは身に付きません。パンチ力の強化に向けて適切な部位を効率的な筋トレで鍛える必要があります。適当な筋トレは逆効果になることもあるでしょう。
そこで、今回はパンチ力を強化する筋トレ法についてご紹介したいと思います。また、パンチ力を強化する為の理論についても詳しく説明していきますので、ぜひ筋トレを実践する前にはチェックしていただけると幸いです。
パンチ力強化に筋トレは効果的?
冒頭で紹介した通り、パンチ力の強化には筋トレは欠かせません。ただ、なぜ効果的なのか?について知っていなければ筋トレをしても十分な成果は得られないでしょう。
無酸素運動がパンチ力の鍵
パンチは全て「無酸素運動」です。無酸素運動とは呼吸せずに行う運動のことで、持久力のない代わりに爆発的な力を発揮します。ちなみに、その反対は有酸素運動と呼ばれ呼吸をしながら行う運動です。
筋トレの多くはパンチと同様に無酸素運動なので、続けることで無酸素状態に筋肉を慣らすことができます。これにより無酸素運動時の持久力が上がるとされ、実際にパンチを打つ際には疲れにくく力強くなる訳です。
スピードはパンチ力の重さに
物理の話ですが、質量が同じものでもスピードが速いものの方がエネルギーは高くなります。例えば、普通自動車を40km/hで走らせ重量50kgの物体に打つけるとします。その際のエネルギーは1,500kg相当だそうです。
つまり、単純に拳を素早く打ち出せばパンチ力は上がります。その為には、爆発的な力を発揮する「速筋」を鍛えるのが効果的であり、筋トレのような無酸素運動こそ速筋を鍛えるのに効率的な手段ということです。
パンチ力強化に重要な部位
パンチ力強化に筋トレが欠かせない理由はご理解いただけたと思います。ただ、なんとなく鍛えてもパンチ力の強化には繋がりません。重要なのはパンチ力強化に繋がる部位を鍛えるということです。
上腕三頭筋
ジャブ・ストレートなど、パンチの素早さに大きく関わる部位が「上腕三頭筋」です。これは、上腕三頭筋が腰・背中・肩と伝わってきた運動エネルギーを拳まで正確に伝える重要な役割を果たしている為と言えます。
反対に、上腕三頭筋の発達が不十分では素早さを乗せられないのでパンチ力に繋がりません。上腕三頭筋は他に比べて鍛える難易度は低いので、パンチ力を上げたいのなら筋トレする部位としておすすめです。
三角筋
上腕三頭筋と同様に下半身からの運動エネルギーを伝えることに加え、体の軸と腕のひねりをコントロールし正確なパンチを繰り出すのに欠かせないのが「三角筋」です。そして、鍛えるのが特に難しい部位でもあります。
三角筋は肩周りを覆う大きな筋肉で前・中・後の3部位に分かれています。当然、パンチ力強化の為には3部位をバランスよく鍛える必要があり、その為には三角筋の各筋肉に効く筋トレを取り入れることが重要です。