ランニングによる筋肉痛とはどんなもの?
筋肉痛とは、運動や筋トレなどを行なった結果として起こる筋肉の損傷から発生する痛みのことをいいます。
痛みなので、運動の直後に症状がすぐに現れるように感じますが、そういうわけではなく、通常数時間から数日間経過してから症状が現れてきます。運動実施から遅れて痛みが発生するため、遅発性筋肉痛と一般的に呼んでいます。
筋肉痛は普段行わないような運動をしたり、特に負荷が強い筋トレを行なったときなどに起こりやすいものです。よって普段ほとんど走ることがないような人が、いきなりランニングをおこなったりすると、筋肉痛になることがあります。
また、普段ランニングを行なっている人でも、いつもよりオーバーペースで走ってしまったときに筋肉に強い負荷がかかり、筋肉痛になってしまうことがあります。
ランニングによって起こる筋肉痛は、太ももやふくらはぎによく現れます。特に普段から運動を行なう習慣がない人が強い筋肉痛となった場合、階段の上り下りや下り坂を歩くときに太ももやふくらはぎに激しい痛みを感じることがあるかもしれません。
そもそも筋肉痛は何が原因?
以前は乳酸が原因と考えられていた
筋肉痛が発生する原因は、実はまだ正確に究明されていません。原因は従来、乳酸だと考えられてきました。疲労物質の乳酸が筋肉にたまることで痛みが発生するものという考え方です。
ただ、乳酸が原因だとする仮説は、筋肉痛が起こるのが運動直後でなくしばらく経ってから発生するという矛盾点を指摘されることが多くなってきたため、現在は別の仮説が筋肉痛の原因としては主な潮流となっています。
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本当の原因は傷みを修復するときに出る刺激物質
筋肉痛の原因は、筋線維の損傷を修復している最中に発生する刺激物質だとする考え方が、現在の主流となっています。
筋肉は、とても細かい筋線維が束のように集まって構成されているものです。この筋線維がダメージを受けて損傷することにより筋肉痛が起こります。
運動や筋トレなどによって傷ついた筋繊維は、傷ついた段階ですぐに痛みが発生しているわけではありません。筋線維そのものに、痛みを感じ取る神経がないからです。
筋線維が損傷すると、それを治そうとして白血球が活動します。白血球が集まってくることで炎症が引き起こされ、刺激物質が放出されます。この放出された刺激物質が、筋肉痛の痛みの原因です。
刺激物質は運動中または運動直後すぐに放出されず、ある程度の時間が経過してから放出されます。よって、筋肉痛は運動の後すぐに発生するわけではなく、しばらく時間が経ってから症状が現れてくることになります。
ランニング時に最も筋肉痛が発生しやすい場面とは?
ランニングの際最も筋肉痛が発生しやすいのは下り坂。下り坂を走るという行為が、筋肉の伸縮性収縮運動となるからです。