■冷却スプレーが体を冷やす仕組みと成分を知ろう
冷却スプレーは怪我をした時やスポーツ後のアイシングなどで大活躍するアイテムです。冷却スプレーがどのように体を冷やすのか、仕組みと成分を知りましょう。
気化熱が体を冷やす
冷却スプレーはエタノールや液化したガスを体に吹き付けるもので、これらの成分が気化するときに体の熱を奪っていく「気化熱」と言われる原理を利用しています。注射を打つ前にアルコールで患部を消毒するとスーッとしますが、あれが気化熱の原理です。
メントール入りの冷却スプレーもある
ひんやりとした感触というとメントールが頭に浮かぶ人も多いと思います。冷却スプレーにはメントールが入っているものもありますが、メントールは体を冷やすのではなく、低い温度を感じ取る受容体を刺激することで「冷たい」と感じさせる働きがあります。
ただし炎症を鎮める働きもあるため、メントールの入った冷却スプレーは多いです。
冷却スプレーの効果と正しい使い方
冷却スプレーの効果や持続時間、正しく効果的な使い方をチェックしておきましょう。
冷却スプレーの持続時間は短い
一般的な冷却スプレーはあまり長い時間効果が持続しないため、怪我をした際の応急処置的な使い方が一般的です。
少し離して短時間噴射する
冷却スプレーは一時的に肌の表面が0度未満まで下がり、マイナス10度くらいになることが多いようですので、安全のために肌から離して使いましょう。噴射時間は商品によって異なりますが、大抵は3秒程度から最大でも10秒程度です。
肌に近すぎたり長時間噴射し続けると、患部が凍傷を起こすことがありますので注意してください。
濡れたタオルやガーゼなどを利用しよう
冷却効果を長続きさせるためには濡れタオルや濡れガーゼを利用するとよいでしょう。水はエタノールや液化ガスより蒸発しにくいため、そのままスプレーするよりも長い時間冷えた状態が持続します。
濡れたタオルやガーゼを怪我をした患部や炎症を起こしている筋肉の部位にあて、上から冷却スプレーを噴射します。
冷却スプレーの選び方
冷却スプレーを購入する際には、以下のポイントをチェックしましょう。
価格
冷却スプレーは1本500円前後から高くても1,000円程度です。使用頻度が高い場合や、チームやサークル、部活などで購入する場合には複数本のまとめ買いの方が1本あたりの単価が安くなることがあります。
もちろんまとめ買いをすると置き場所に困る場合もありますので、収納できる場所を確認した上で購入しましょう。
成分
液化ガスやエタノールなど、使用している成分も確認しましょう。メントールを使用しているかどうかというのも、人によっては重要なポイントです。
サイズや容量
グラウンドやジム、体育館などにも持ち運べるようなサイズのものを選びましょう。容量も200ml程度のものから500ml以上の大容量のものまでラインナップされています。
小さいものの方が持ち運びはしやすいですが、大容量のものは使い切ってしまう心配なく使える利点もあります。
スプレーの形状もチェック
冷却スプレーの中には、キャップを取り外して使用するものと、もともとキャップが無いタイプがあります。
キャップが無いタイプはさっと取り出してすぐに使え、キャップを取り外す手間がなく、キャップをなくしてしまうこともないため便利です。ただしカバンの中で荷物と一緒に押されてしまうという恐れもあります。
冷却スプレーの種類も確認すること
冷却スプレーの中には、スポーツ後のアイシングや怪我をした時の応急処置に使えるものと、夏の暑さ対策で涼しく感じる「冷感タイプ」のものがあります。冷感タイプのものはシャツなどに吹き付けて使うもので、怪我の応急処置などの用途に使うものではありませんので注意してください。