かつては一大ブームを巻き起こした乗馬マシンですが、現在はそれほど話題にはなりません。熱しやすく冷めやすい日本人の特性と言えばそれまでですが、乗馬マシンは本当に効果がないのでしょうか?
実は、乗馬マシンは使い方によって大きな効果が認められているのです。その「最新乗馬マシン活用方法」を紹介し、併せて人気機種をピックアップしてみました。
フィットネスとシェイプアップとダイエット
多くのユーザーはしばしば勘違いしているものとして、フィットネスとダイエットを一緒にしていることが挙げられます。
フィットネス・ダイエット・シェイプアップの違い
フィットネスとは健康維持や体力増強を目的として行う運動を指します。一方、ダイエットは健康や美容を目的として行う食事療法です。厳密にいえば、標準体重にするため太ることもダイエットに含まれます。
とはいえ、一般的には体重減を目的としており、ここでも痩身という意味で使います。
よく似た用語としてシェイプアップという言葉もあります。こちらは運動と食事により体型を整えると解釈されています。この三者はともに密接に繋がっており、単独でとらえるには無理がある訳です。
乗馬マシンは何を目的にするべきか
肥満を解消すれば健康に、フィットネスやシェィプアップで筋肉を増やせば基礎代謝が上がり、ダイエットに繋がるため。フィットネスはダイエットに効果がないとは必ずしも言い切れません。
とはいえ、両者は間接的なつながりでしかなく、本当にダイエットをしたいのなら食事療法の方がはるかに効果が期待できます。
では、乗馬マシンはなにを目的とすればいいのでしょう?
これから試してみたいという人にも同じ質問をします。なにを目的で乗馬マシンを使ってみたいのですか?それによって乗馬マシンの使用方法は変わってきます。
乗馬マシンに乗るだけで効果があるのは限られた人だけ
乗馬マシンは商品によって程度の差はありますが、運動の強度や動きのパターンをいろいろ変えられます。しかし、ユーザーの中には体力があるにも関わらず、乗馬マシンをただ利用している方が多いのです。
ただ座るだけでも効果はある?
もっとも、乗馬マシンをただ利用しているだけでも十分に効果のある方はいます。乗馬療法は本来、身体的ハンデのある方を対象に開発されたものなためです。事実、高齢者の方々にも大きな効果が認められています。
足のむくみの解消や腰痛予防などに効果が、居間で一日中座ってテレビのお守りをしているお年寄りには軽い運動という意味でおすすめです。もちろん、転落には十分配慮する必要があります。
ただし、フィットネスやシェィプアップを目的にすると、乗っているだけでは十分な効果は得られません。
ただ座るだけではシェイプアップにならない
では、健常者が乗馬マシンを利用するとどうなるでしょう?
フィットネスクラブで見ると、乗馬マシンを利用している方のほとんどはペタンとお尻を落とし、退屈そうに揺られているだけ。利用時間は10~15分と規定されていて、その間ずっと座っているのは退屈です。
確かに、一昔前は「テレビを見ながら乗っているだけでダイエットに効果があります」というのがアピールポイントでした。しかし、そもそもダイエットとエクササイズには直接の関係はありません。そのことはすでに書いた通りです。
では、エクササイズとしてはどうでしょう?
30分乗ったとしても息切れすることはなく、もちろん汗をかくこともありません。その程度の運動として考えると、軽いウォーキングに相当すると言っていいでしょう。
当然、フィットネスにもシェイプアップにも大きくは役立たないのです。なにもしないよりはマシという程度でしょうか。
乗馬マシンでダイエットやシェイプアップに繋げるには
最近、体幹という言葉をよく耳にするようになりました。アスリートはさらなる飛躍を望んで体幹トレーニングに励んでいます。
これまで、筋肉強化のための運動といえば足腰や腕力、腹筋とそれぞれの部分に限定したものが中心でした。しかし、今では「体幹=頭」や手足を除いた胴体をパワーアップすることで、手足はその能力を十分に発揮できることが認めています。
乗馬マシンはこの体幹トレーニングに効果があることが専門家の間で広まり、体幹トレーニングのためのものと認識されています。当然、漫然と座っているだけでは効果はありません。
最初のうちは落馬する危険があるので手綱を持っても構いませんが、慣れれば両手を離します。あとは乗馬マシンを稼働させ、支えがない状態でバランスを取るだけです。乗馬マシンの上でバランスを取るために自然と体幹トレーニングに繋がります。
乗馬マシンの効果をより高めるポイント
乗馬マシンの基本的な使い方に慣れたら、より効果を高める動きを取り入れてみましょう。乗馬マシンをしながら、エアロビやボクササイズのような他のエクセサイズを組み合わせることでより効果を高められます。
上半身の動きを加えるとハードなエクササイズに
背筋を伸ばして上体をまっすぐにすることに慣れたら、次は積極的に上体を動かしてみましょう。多くの乗馬マシンには使い方を指導する付属のDVDが付属しています。
乗馬マシンに乗りながら、両手を上・前・横に動かすだけと簡単です。また、乗馬マシンに乗りながらストレッチやエアロビをするDVDもあります。
これならウォーキング以上の運動量になり、体幹を鍛えてフィットネス効果も見込めるでしょう。
ボクササイズを取り入れてもよりハードに
両手を上・前・横に動かすだけでは物足りない方にはボクササイズもおすすめと言えます。ボクササイズとは1990年代にイギリスで生まれたもの。足の動きや両手、上体などボクシングトレーニングに用いる豊富な動きを取り入れたものです。
乗馬マシンに乗っていることで基本的に下半身は使えません。上半身だけの動きに限定されますが、その分だけハードです。体幹には相当なプレッシャーがかかることを覚悟してください。
主な動きは大きく分けると攻撃と守備のふたつあります。攻撃はジャブ・ストレート・フックなどのパンチ。守備にはダッキング・ウィービング・ヘッドスリップ、スウェーという動きなどです。
こうして見ると、守備の方が動きは大きいことがわかります。乗馬マシンの上で揺られながらそれぞれの守備行動を行い、その合間にパンチを繰り出すだけ。1~2㎏のダンベルを両手に持ってやるとより効果を高められます。シェイプアップの効果も十分です。