このアセトアルデヒドは、人体にとって有害な成分です。
通常であれば、アセトアルデヒドがさらに分解され酢酸になる過程で、酔いはさめていきます。
酢酸は人体にとって無害ですから、尿や汗として安全に放出されていきます。
二日酔いの原因は・・・
二日酔いは、アセトアルデヒドが完全に分解されず肝臓内にたまっている状態です。
なぜ分解されないかと言えば、自身のアルコール分解能力を超えた量のアルコールを摂取しているから。
最近はアセトアルデヒドが二日酔いの原因ではないとする説もありますが、いずれにしろ、適量を超えたアルコールの摂取は体に不調をもたらします。
アラニンがアルコール分解を促進か
アルコールを分解して無毒化し排出する一連の流れに、アラニンが関わっていると言われます。
ここにラットを使った研究を紹介します。
酒を飲ませて二日酔いの状態にしたラットに、アラニンやグルタミンを含ませたエサを与えます。
すると、通常のエサを食べた場合と比べて血中のアルコール濃度の低下が早まったのです。
その具体的なメカニズムは十分に解明されているとは言い難いものの、アラニンが何らかの形で、アルコールの分解を促進する役割を果たしていることが示唆されています。
筋肉維持の一役を担う
アルコールに関する効果が注目されるアラニンですが、筋トレ時にも効果を発揮するとされています。
先ほどグルコース-アラニン回路のお話の中で、糖新生の働きに関わっていることに触れました。
糖新生とは、体内に糖分が不足したときにタンパク質を分解し、糖分に変えてエネルギーを補給する働きのこと。
筋トレ時に糖分が十分でないと、筋肉の分解が進んでしまいます。
糖新生が活発であればそれを抑制することできますから、アラニンは大切なアミノ酸ということになります。
ただし、糖新生はグルコース-アラニン回路のみで発生する現象ではありません。
あくまでひとつのルートにすぎないことは、頭に入れておきましょう。
アラニンの摂取方法
ラット実験の成果もあり、アラニンは二日酔いや悪酔いの防止を謳うサプリメントに含まれているケースが見られます。
そのほか、アミノ酸をマルチに配合したサプリメントに含まれることもあります。
過剰摂取の副作用については不明ですが、摂取の際には用法用量を守りましょう。
アルコール分解効果が注目されるアラニン。
お酒を飲む機会の多い人の強い味方ではありますが、決して万能薬ではありません。
健康のためにも、お酒は適量が一番です。