体内ではさまざまなアミノ酸が活躍しています。
ただし、アミノ酸という存在は知っていても、そのひとつひとつの働きについて正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。
今回は、そんなアミノ酸のひとつである「トレオニン」について紹介します。
トレオニンとはどんなアミノ酸なのでしょうか。
トレオニンとは
必須アミノ酸のひとつ
トレオニンは、身体をつくる働きのある栄養素のタンパク質を構成するアミノ酸のひとつ。
タンパク質は20種類のアミノ酸からできていますが、大きく2つのグループに分けることができます。
体内で十分な量を合成することができる「非必須アミノ酸」と、体内で十分な量を合成することができない「必須アミノ酸」です。
トレオニンはそのうち、必須アミノ酸に含まれます。
必須アミノ酸は、食品やサプリメントから必要量を摂取しなくてはいけません。
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なお、トレオニンは「スレオニン」と呼ばれることもあります。
これは、トレオニンのつづり「threonine」をそう呼んだことから発生したものと思われます。
どちらを使用しても間違いではありません。
トレオニンが多い食品
トレオニンは、大豆に多く含まれるアミノ酸です。
ほかにも、かつお節やイワシ、牛乳のカゼインなどにも多く含まれています。
おおむねほかのアミノ酸と同じ傾向であり、これひとつだけが不足するというのは考えにくいアミノ酸です。
トレオニンは成長に必要
トレオニンは成長に必要なアミノ酸であり、特に乳幼児期にはしっかり摂ることが求められます。
また、家畜用のエサとしてトレオニンとリジン(アミノ酸)を添加することで、肉質を良くする例も見られます。
大人でも「成長」
成長に関わるというと、子どもにしか関係ないもののように思われる人もいるかもしれませんが、それは間違い。
もちろん外見や臓器等の成長はある程度のレベルで終了しますが、それが終わっても人間の体は日々さまざまな物質を作り出し、私たちが健康な生活を送ることができるよう働いてくれているのです。
これがいわゆる、「代謝」という作用です。
代謝が活発に行われることで、疲労からの回復が早くなったり、筋肉がつきやせやすい体になったりするなどの効果があります。
女性であれば、美肌のために代謝を高めるというフレーズを聞いたことがあるかもしれません。
代謝を高めることは大人でもとても大切なことです。
それを助けてくれるのがトレオニンなのです。
肝機能を高める働き
脂肪肝とは?
トレオニンには、肝機能を高める効果があると言われています。
肝臓に中性脂肪が蓄積し、肝臓全体の30%以上が脂肪化した状態のことを「脂肪肝」と呼びます。
脂肪肝になる原因は色々ありますが、
- アルコールの摂りすぎ
- 不規則な食生活
- 糖尿病
これらによって引き起こされることが多い状態です。
脂肪肝自体が病気というわけではありません。
ただし、脂肪肝によって肝臓の働きが悪くなることが大きな問題なのです。