人間の体の中では、さまざまなアミノ酸が活動しています。
ほとんどの人が役割も名前もよく知らないアミノ酸もたくさんありますが、今回紹介する「グルタミン」は、比較的知名度の高いアミノ酸ではないでしょうか。
グルタミンの効果や副作用など基礎知識をまとめましたので、参考にしてみてください。
グルタミンとは
非必須アミノ酸のひとつ
体をつくる栄養素として知られるタンパク質は、20種類のアミノ酸で構成されています。
そのうち、体内で十分な量を合成できるものを「非必須アミノ酸」、十分な量が合成できず、食品やサプリメントから摂取する必要があるアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
グルタミンはそのうち、非必須アミノ酸にあたります。
特別に摂取しなければいけないということはないのですが、摂取することでさまざまな効果をもたらします。
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グルタミンは、人間の体内に最も多く含まれるアミノ酸です。
それだけ必要とされているアミノ酸ということでしょう。
状況によっては不足することもあるため、「準必須アミノ酸」に分類されることもあります。
グルタミンが多く含まれる食品
グルタミンは、小麦タンパクや大豆タンパクなどに多く含まれます。
魚や肉にも多く含まれ、おおむねほかのアミノ酸と同じ傾向にあります。
グルタミンとグルタミン酸
タンパク質を構成するアミノ酸には、グルタミンのほかに「グルタミン酸」もあります。
体内においては、グルタミン酸とアンモニアの反応によりグルタミンが生成されます。
関係の深い2つのアミノ酸ですが、その役割はまったく異なります。
グルタミン酸はうま味成分として知られており、調味料としてよく用いられています。
また、神経伝達物質のひとつとしても作用し、脳神経系において重要な役割を果たしています。
吸収を助ける
大切な腸の働き
主に吸収を司る器官である「腸」。
必要な栄養素はほかの器官に送りつつ、有害な物質や不要な物質は体外に排出したり、侵入をガードしたりする重要な役割を果たしているのが腸です。
第二の脳とも呼ばれるほど、その働きは多岐にわたり、人間にとって非常に重要な器官です。
グルタミンが絨毛の形成を活発に
腸管(腸のくだ)には無数の絨毛が生えており、腸はここで必要な栄養かそうでないかを選別しています。
この絨毛のエネルギー源となっているのがグルタミン。
絨毛は細胞分裂によって頻繁に生まれ変わりますが、グルタミンが不足しているとその働きが鈍くなります。