登山用の高度計はコンパスなどと併用するものが多く、自分が現在どの位登っているのか、自分の位置や登山のペースを知る為に欠かせないアイテムです。
大手時計メーカーのSEIKO(セイコー)や世界トップレベルのコンパスが有名なSUUNTO(スント)、そして 航空業界に名を轟かせる GARMIN(ガーミン)などの有名ブランドも登山用高度計を世に送り出しています。
いずれも性能がよく丈夫な高度計ですが、自分に合った登山用高度計を選ぶにはどのような点に注目して購入すればいいのでしょうか。
登山用高度計の仕組みや役割を正しく把握して、自分が使いやすい高度計を選んでいきましょう。
高度計の仕組み
登山用の高度計はどのように高度を割り出しているのでしょうか?その仕組みを知ることで高度計を正しく利用することが出来るようになるでしょう。
気圧を使って高度を導く
高度計は「気圧」を測ることで高度を割り出しています。気圧計ともいえますね。
気圧は高度が上がると下がっていきます。気圧とはその名のとおり空気の圧力(空気の重さがかかる力)なので、高い所へ行くほど空気が薄くなり重さが減り、空気の圧力も減っていきます。
このように気圧を測ることで高度を導き出しているのが高度計なのです。
気圧はどうやって導き出す?
最近の高度計の中には気圧を知ることが出来る「気圧センサー」が組み込まれています。気圧センサーにも様々なものがあり、各ブランドによって多少異なる値を示すようです。
しかしその差は数十センチと小さく大きな問題にはならないでしょう。
気圧センサーは空気の圧力がかかることで微妙に変形しそれを電流によって感知していきます。
また、アネロイド型の高度計は 真空となった内部に円盤状の板が入っており、気圧による板の凹凸で気圧を読み高度に変換しています。
高度計には欠点がある
登山時に大変役に立つ高度計ですが、実は100%信頼出来るものではありません。
登山では単純な高度ではなく標高という海面からの山の高さを測ることになります。天候の変化で気温や湿度が大きく変化し、それに伴い気圧も変化します。
その為、高度計が示す高度は山の天気に左右されるのです。この誤差を修正するために基準点では高度を正しく直しておくと良いですね。
高度計の役割
高度計は自分がいる場所の高度を知るためのものですが、高度を知ることでどのような利点があるのでしょうか。
現在地を知ることが出来る
登山では万が一道に迷ってしまった時用に地図を持って行くのが常識です。高度計はこの地図を読むのに役立ってくれます。
地図上の等高線と高度計の高度を合わせれば、自分のいる場所が割り出せます。
また悪天候で地図の解読が難関な場合も、高度計は自分の位置を把握するのに役立ってくれるでしょう。
また遭難時などの非常事態に救助を呼ぶ際は、詳しい現在地が不明でも高度を知らせることで捜索もしやすくなるはずです。
初心者には読図の練習になる
高度計には上記で記述したような、天候によるズレが生じます。その為地図と併用して正しい位置を割り出すことが必要になります。
地図を読むのが苦手という人は、等高線を知ることで容易に現在地を知ることが出来、地図を読む練習にもなります。
登山において地図をしっかり読めることは命を守ることに繋がる大切な要素です。
高度計の選び方
高度計の仕組みを知るとおのずと高度計の欠点も見えてきます。高度計の中には気圧や天気の変化に左右されるという欠点を補うものもあります。
早速高度計の選び方を確認していきましょう。
機械式は気温に左右されない
いわゆるアネロイド型の高度計で、内部に円盤状の板が入っておりその板が気圧によって凸凹するのを高度に置き換えています。
多くのものがメモリの値が大きく設定されているので、細かな高度数字を知りたいという人には向かないかもしれません。
機械式の構造でもわかるように、気温には影響を受けないという利点を持っています。
半導体式は細かい高度を知ることが出来る
近年一般的になってきている気圧センサー入りの電気タイプの高度計です。機械式と比較すると登山中の振動に強く、振動によって高度を示す針がズレることはありません。
更に細かな高度まで示すことが可能で10cm単位で高度を知ることも出来ます。
半導体式の欠点は気温に左右されやすいことで、特に低気温の場所では高度に誤差が生じやすくなります。
腕時計タイプは使いやすい
半導体式の中でも携帯型の高度計と腕時計タイプの高度計があります。腕時計タイプは高度を知りたい時にその都度荷物から取り出さなくて良いので使い勝手が良く利用者も多いです。
ソーラー式と電池式のものがあるので、電池切れが心配という人はソーラー式がおすすめです。一般的に高価なものが多いですが、電波時計にこだわりがないのなら比較的安価で手に入れることができます。
GPS式は誤差が大きい
最近ではスマホのGPS高度計を利用している人も多いようです。大変便利な機能ですが、高度計としての機能は低めで誤差が大きいのが難点です。
GPS式の高度計を持参するならば、高度を知る参考程度に使用したほうがいいでしょう。
基準点では天気の変化を知ることが出来る
高度計は気圧によって高度を表示する構造なので、休憩や山小屋などの基準点で高度の変化(気圧の上下)を示していたら天気の変化を知ることが出来ます。
基準点で高度が上がれば 気圧が下がり、雲が発生しやすくなります。逆に高度が下がれば気圧が上がり天気が良くなっていきます。
登山用高度計おすすめ人気ランキング8位~4位
登山用の高度計には様々な種類がありますが、どのようなタイプのものが人気を集めているのでしょう。
多くの登山家がこれは良いと選んだ人気のランキングを紹介します。
8位: MIZAR-TEC No.610 気圧表示付高度計
国内アウトドアブランドHIGHMOUNT(ハイマウント)の機械式の高度計です。
気圧と高度を知ることが出来、高度は20m毎の表示となっています。使用温度範囲はマイナス30度から80度までと広く、シンプルで使いやすいのが特徴です。価格も抑えめになっていますね。
7位:Ckeyin LCD デジタル高度計
半導体式のデジタル高度計です。高度測定の他、気圧測定や湿度測定なども可能で防水能力もあるので悪天候でも心配なく使用出来ます。
またボタン電池式ですが、低消費電力モードに入る前はアラーム音で警告してくれるので急なバッテリー切れを防ぎます。
6位: スマートウォッチ
GPS内臓の腕時計型高度計です。高度計の他にも気圧計や温度計なども付き、心拍モニタも付いています。
1回の充電で3週間使用出来る(GPS機能を使用すると12時間)のも大きな魅力ですね。悪天候時の表示が見えにくいとの声もあるので購入の際には注意しましょう。
5位: GARMIN fenix J Chronos Classic
1989年に設立されたガーミンは航空業界で発展してきたブランドです。
フィットネストレーニングの機能を併せ持つマルチのスポーツウォッチで、電子コンパスや気圧高度計の機能も付き、スマホ検索も可能な画期的な高度計になります。
4位: デジタルコンパス A-leaf
半導体式の携帯型で、わずか60gと軽量な作りとなっています。コンパスや温度計、気圧計そして天気予報などを搭載した登山におすすめの高度計です。
バックライトが付いており夜間や悪天候でも画面が見えやすい構造です。サイズは縦が9cmで横が5cm、厚みが2cmと持ち運びやすい大きさに作られています。
登山用高度計おすすめ人気ランキング3位~1位
登山用高度計の人気上位にはセイコーやスント、そしてガーミンなど有名ブランドが選ばれています。
緊急時に命を預けることになる高度計は信頼性も重要視されていますね。また防水機能の付いた高度計が人気のようです。
3位: SEIKO ソーラー デジタルウォッチ アルピニスト
高度計の他に気圧や温度、コンパス機能などが付いたセイコーの登山用ウォッチです。冒険家の三浦豪太氏監修のもとつくられており、ソーラー電池使用なのでバッテリー切れの心配もいりません。
平均の登高スピードや消費エネルギーなどのデータを残す事も出来ます。悪天候でも使用可能な防水機能も付いています。
ホワイトカラーなのに汚れが付きにくく使いやすいとの意見が寄せられています。こちらは女性向けにデザインされたものです。
2位: SUUNTO CORE スマートウォッチ
80年以上の長い歴史を持つスントはフィンランドの人気ブランドです。こちらは電池式となっており時計表示のみならば約12ヶ月使用可能です。
高度計の他、気圧やコンパスそして水深計測も可能な30m防水機能の付いたスマートウォッチです。悪天候でも問題なく使用可能です。
カラーのバリエーションも豊富でアルティメットブラックやオールブラック、ダスクグレーなど洗練されたデザインが魅力です。
1位: GARMIN ハンディGPS eTrex Touch 35J
アメリカの人気ブランドガーミンの携帯型高度計が1位に選ばれています。カラータッチパネルで表示が見やすく、電池使用で稼働時間は約16時間となっています。
GPS機能と気圧センサーを併用することで精度の高い高度を導き出しています。
また半透過型ディスプレイを採用し強い日差しや暗闇でも認識可能なディスプレイを生み出しました。快適に使用出来る高度計として人気を集めています。
使いやすい高度計で快適な登山を楽しもう
高度計は登山中に自分の位置を知ることが出来る便利なアイアテムです。同時に登山道を離れ迷った際の道しるべにもなり、遭難時に自分の高度を知らせる命綱にもなるものです。
高度計を選ぶ際は、妥協せず自分にとって必要な機能を持つ高度計を選ぶようにしましょう。使いやすい高度計は登山をより快適なものへと導いてくれるはずです。