最近ランニングをする人の間で「ゼロドロップシューズ」が話題になっています。そもそも「ドロップ」という言葉も知らなかった人でもゼロドロップシューズの購入を考えるほどの人気です。
「ドロップ」という言葉の意味やゼロドロップシューズを履くメリット、どのような種目で使えるのかをチェックしましょう。またゼロドロップシューズの選び方とおすすめのゼロドロップシューズランキングもご紹介します。
ゼロドロップの「ドロップ」とはなにかを知ろう
ゼロドロップシューズについて知る前に、まずは「ドロップ」とは何かをチェックしましょう。
ドロップとは?
ドロップとは、シューズのつま先とかかとの高さの違いのことをいいます。最もわかりやすい例がハイヒールです。ハイヒールはつま先は低くかかとは非常に高くなっており、「ドロップが大きい」ということになります。
通常のシューズはつま先1に対してヒールは2の高さになっています。「ゼロドロップ」とはこのドロップが「ゼロ」(つま先1に対してヒールも1の高さ)であることを指します。
つまり、つま先とかかとの高さが同じシューズ(地面からの高さが同じシューズ)のことを「ゼロドロップシューズ」と呼びます。
ドロップが高い・低いとどうなるか?
通常、私達は屋内では裸足です。最も自然な状態での立ち姿勢は裸足の状態、つまりゼロドロップの状態です。ドロップが高くなると、傾きがあるインソールに対して体を地面から90度にするためにやや後ろ側に起こした状態になります。
すると足首・ヒザ・股関節に常に負担がかかった状態になります。座ったときなどでも姿勢が悪ければ肩こりや腰痛といった異変が体に現れますが、走っているときにヒザや股関節に負担がかかった状態では、怪我につながる場合があります。
ゼロドロップシューズの特徴と使用法
ゼロドロップシューズの特徴やメリット、どのような種目で使えるのかを見ていきましょう。
ゼロドロップシューズの特徴・メリットは
ゼロドロップシューズの特徴は、裸足(ベアフット)の状態に近い姿勢で走れるという点です。これを「ベアフットランニング」と呼びます。
日本人ランナーの多くは走るときにかかとから着地しますが、こうなるとかかとで一瞬ブレーキがかかり、股関節やひざ関節に負担がかかります。歩いている最中に真っ直ぐな杖を前方に突き立てるのをイメージするとわかりやすいです。
ベアフットランニングによって足裏全体で着地する「ミッドフット走法」や足の前方で着地する「フォアフット走法」を行えるようになり、関節への負担を軽減でき、早く走れるようになります。
ゼロドロップシューズはどんなスポーツに使える?
ゼロドロップシューズはマラソン、ジョギングなどに使用できますが、山岳レースである「トレイルランニング」にもよく用いられます。
なお、ゼロドロップだからソールが薄いというわけではありません。クッション性の高いゼロドロップシューズもありますし、裸足感覚で走れる薄いソールのものもあります。
ゼロドロップシューズのデメリットも抑えておこう
ゼロドロップシューズのデメリットは良くも悪くも「走り方が変わる」という点です。日本人特有のかかとから着地する走り方は股関節へは負担がかかりますが、アキレス腱やふくらはぎには負担がかかりにくくなります。
ゼロドロップシューズを使ってミッドフットやフォアフット走法で走ると、慣れていないとふくらはぎの筋肉やアキレス腱に負担がかかる場合があります。
また、ゼロドロップシューズはかかと部分のクッションが通常のシューズより薄いため、かかとから着地すると怪我につながる場合があります。
正しいフォームで走れていない人はゼロドロップシューズに変えても受けられる恩恵は少なくなってしまいますので、正しいフォームで走ることを意識しましょう。
ゼロドロップシューズの選び方をチェック!
ゼロドロップシューズを購入するときの選び方をチェックしましょう。足型やフィット感、クッション性、通気性、価格、メーカーなどがポイントです。口コミを確認しておくのもおすすめです。
用途
まずマラソン・ランニング用なのか、トレイルランニング用なのかを考えて選びましょう。それぞれ種目が異なりますので、自分の用途に合わせて選びましょう。また普段使いしたい人はどちらを選んでも構いません。
足型やフィット感
メーカーや商品によって足型が異なります。幅の広さや甲の高さなどを確認した上で購入しましょう。日本人は甲高・幅広だといわれていますが、人によって幅や甲の高さは異なります。幅がせまい靴の場合はワンサイズ上げるなどして対応しましょう。
またフィット感のよさを確認しておくと良いでしょう。使用されている素材やヒモの締め方などによってもフィット感は変わりますし、口コミを参考にするのもよいでしょう。
クッション性
ベアフットの状態に近づけるため、ソールが非常に薄いシューズもあります。ソールが薄いとクッション性が低いため、ランニング初心者では怪我につながることもあります。
初心者はなるべくクッション性が高めのシューズを選ぶようにしましょう。また、上級者はクッション性が低いものでも構いません。
通気性
走っているときに靴の中が蒸れてしまうと非常に不快です。そのため、通気性がよいメッシュ素材を使ったものなどを選びましょう。ゼロドロップシューズを普段使いする人もいますが、その場合はランニングの用途ほどは通気性を重視しなくてもよいでしょう。
メーカー
NEW BALANCEやMIZUNOなどの有名メーカーの他、MERRELLやALTRA、Teslaといったメーカーがゼロドロップシューズを販売しています。これらのメーカーの商品なら品質も高く安心して使用できます。
価格
シューズの価格は非常に多岐にわたります。10,000円をラインとして考え、10,000円未満・10,000円前後・15,000円以上でグレードが変わると考えてよいでしょう。
初心者でそれほど使用頻度が高くないという人は10,000円未満のもので構いませんが、レースに出ることを想定している人は15,000円以上のレース仕様モデルを購入しましょう。
安く購入したい場合はAmazonなどの通販サイトを利用するのがおすすめです。
口コミ
シューズは実際に走ってみないと良さがわかりません。そのため、口コミで実際に使用した人からの情報をチェックすると良いでしょう。足型・フィット感・クッション性・軽さなど、使用者ならではの観点で情報を得ることができます。