「ビジョントレーニング」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。ビジョントレーニングは動体視力を鍛えて視覚機能を向上させるトレーニング方法です。
スポーツにおいて動体視力を養うことができるビジョントレーニングはとても重要ですが、ビジョントレーニングは運動能力の向上だけでなく集中力アップや学習能力の向上にもつながります。
今回は自宅でも手軽に行うことができるビジョントレーニングについてその効果やビジョントレーニングの正しいトレーニング方法を徹底解説していきます。
ビジョントレーニングについて詳しく知ることができる教材本もご紹介します。
ビジョントレーニングの効果
ビジョントレーニングを継続するとさまざまな効果が期待できます。ビジョントレーニングは子どもから大人までいつでも始められるトレーニングです。
動体視力を強化する
ビジョントレーニングを行うと動体視力を強化することができます。動く対象物を見る力を養うことは特にスポーツ選手にとって重要といえます。
ビジョントレーニングによって横や前後の動きを見分ける力や距離感を認識する力、瞬時に情報をキャッチする力やモノのコントラストを感知する力を養うことが可能となります。
運動能力の向上につながる
ビジョントレーニングによって動体視力が養われると運動能力が向上するといえます。目でキャッチした情報が脳に伝わり、脳からの指令で身体が動きます。
ボールや対戦相手などの動く対象物をいち早く的確に認識する力を向上させることで脳から出る指令がスピードアップします。そのため動体視力を鍛えると身体の動きも速くなるので運動能力の向上につながることになります。
対戦相手と1対1で取り組むボクシングや柔道、剣道などでのパフォーマンスアップが期待できます。
また視野が広くなったり空間においての認識能力が研ぎ澄まされるため、的確なパス回しが鍵となるサッカーやバスケットでは対戦相手の位置をすばやく認識することができるようになります。
集中力を養うことができる
動体視力の強化はスポーツだけではなく物事に集中できる力も養うことができます。モノを瞬間的に識別する力が鍛えられるので文字に対する認識力も向上します。
目に関する能力が強化されると集中力がアップし、本や教科書に書かれている文字から多くの情報をすばやく得ることができるようになります。そのため運動能力だけでなく学習能力への効果も期待できます。
視力回復も期待できる?
ビジョントレーニングは視力の回復も期待できるのでしょうか。ビジョントレーニングは動体視力を鍛えるために行うもので、いわゆる「視力」を回復するトレーニングではありません。
そのため近視や遠視を治療することはできませんが、ビジョントレーニングで視覚能力が磨かれると視力の改善につながることがあります。
ビジョントレーニングを継続すると動体視力に関連する深視力を養うことができます。深視力は対象物との遠近感や奥行き、対象物の立体感を捉える目の機能です。
この深視力を鍛えることによってピントを調整する機能がアップするため感覚的に視力が改善されるといえます。
またビジョントレーニングは目の衰弱を防ぐためにも効果的なので今すぐにでも始めたいトレーニングです。
日常生活のクオリティが上がる
ビジョントレーニングによって目の機能が向上することで日常生活のクオリティが上がり結果的にスムーズな生活を送ることができるようになります。集中力がアップするので学習能力が向上するだけでなく絵や文字の上達にもつながります。
視覚能力が衰えているとモノをきちんと見ることができず、不安な気持ちになったり身体を思い切り動かしたりすることができなくなってしまい特にスポーツの場ではデメリットとなってしまいます。
ビジョントレーニングを継続することで動体視力が養われ集中力がアップするので生活の質もよくなるといえます。
ビジョントレーニングの正しいやり方
ビジョントレーニングを継続して行うとスポーツや学習の場においてよい影響があることが分かりました。ここではさまざまなメリットが期待できるビジョントレーニングの正しいトレーニング方法を解説していきます。
ビジョントレーニングは特別な器具を必要とせず自宅でも手軽にできるトレーニングです。
ビジョントレーニングを行う前の準備運動
効果的なビジョントレーニングを行うためにはいきなりトレーニングを始めるのではなく目の準備運動から始めるようにしましょう。
- 背筋を伸ばして前を向く
- 頭を動かさないように気を付けて両目を上下・左右・右上・右下・左上・左下に動かしていく
- キョロキョロと目を動かすのではなく一箇所に対し10秒ほど見続けるようにしましょう
ピントを合わせるトレーニング:その①
両眼視機能をアップさせるビジョントレーニングです。目が疲れやすかったりモノにピントが合わずに集中力が持続できなかったりする場合は両眼視機能が衰えているといえます。
- 片腕を正面で伸ばして親指を立てる
- 両目で親指の先端を見続ける
- 親指の先端のピントがずれないように集中しながら15秒ほど見続ける
親指のピントをずらさずにトレーニングができる場合は、親指より細いペンなどを使って同じようにトレーニングしてみましょう。
ピントを合わせるトレーニング:その②
①のトレーニング後に続けて行いましょう。このビジョントレーニングは両手を使って行います。
- 片腕を顔の前に伸ばし親指を立て親指の先端を両目で見る
- 立てた親指と目の中間あたりにもう片方の手を入れて親指を立てる
- 腕を伸ばした奥の親指に焦点を合わせると手前の親指がぼやけて2本に見える状態にする
- 奥の親指を5秒間見たら次に手前の親指に焦点を合わせ5秒間見続ける
- 奥と手前の親指にピントを合わせて交互に5秒間ずつ見ながら5回繰り返す
眼球トレーニング
見たい対象物を瞬時に見つける跳躍性や、見つけた対象物の動きに視線を合わせる追従性を強化するビジョントレーニングです。毎日1〜2回継続して行うことで少しずつ効果が表れてきます。
最初は不慣れな動きをするので目に疲れを感じるかもしれません。初めのうちは無理をせず慣れるまで少しずつ行うようにしましょう。
またビジョントレーニングを行う際は顔や頭を動かしたり首を曲げたりしては正しいトレーニングができません。正しい姿勢とリラックスした状態を保つことで効果的なビジョントレーニングを行うことができます。
1つ目の動画は細い棒やペンを使用して行うビジョントレーニングです。