登山において、方位磁石は現在位置や進行方向を確認するために欠かせないツールです。
こちらでは方位磁石(コンパス)の種類やその機能、選ぶためのポイントとおすすめランキングをご紹介していきます。
また方位磁石とセットになっていることの多い温度計についても解説していきますので、選ぶときの参考にしてみてください。
磁針の仕組みによる種類分け
多くの人が一度は目にしたり触ったりしたことのある方位磁石ですが、登山においては自分の居る場所や進むべき方向を把握するために重要な役割を持ちます。
まずは磁針の仕組みによる方位磁石の種類分けについて確認していきましょう。
ドライタイプ
「方位磁石」と聞いて真っ先に思い浮かぶのがこのドライタイプの方位磁石で、容器の中に芯があり、その上に磁針が置かれているものを指します。
ドライタイプの方位磁石は磁針が安定せず、また単純なつくりになっているため衝撃にも弱いとされています。
オイルタイプ
現在の登山用方位磁石として最もポピュラーなものがオイルタイプの方位磁石です。
容器の中にオイルが充填されており、密閉された中で磁針が動く仕組みとなっています。
リキッドタイプとも呼ばれるこのタイプの方位磁石は磁針が安定し、かつ耐久性にも優れているという特徴を持っています。
形状による種類分け
方位磁石は上記のような磁針を動かすための仕組み以外の観点からもいくつかの種類に分けられます。
ベースプレートコンパス
まず、登山用の方位磁石として最も一般的なものが「ベースプレートコンパス」と呼ばれるものです。
多くのものは、透明なプレートの上に方位磁石が取り付けられた形をしています。
この種類の方位磁石は他にも「シルバコンパス」「マップコンパス」などいくつかの名前で呼ばれています。
地図の上に直接乗せる形で使用して、回転する目盛りを確認しながら地図上に線を引き、正確な位置や方角を把握することができます。
「シルバコンパス」という呼び名の元になったスウェーデンのメーカーであるシルバ社のベースプレートコンパスが有名です。
レンザティックコンパス
方位磁石のもうひとつの種類として「レンザティックコンパス」と呼ばれるものがあります。
こちらは主に手に持つ形で利用される方位磁石で、兵隊が正確な進路と現在地を確認するために使っていたことから「軍用コンパス」とも呼ばれます。
通常の方位磁石よりも細かい目盛りとレンズブラケット、カバーなどを備えた特殊な形状がその特徴となっています。
ミラーコンパス
上記のベースプレートコンパスとレンザティックコンパスを複合したような機能を持つ「ミラーコンパス」と呼ばれるものがあります。
ベースプレートコンパスに、レンザティックコンパスにおけるカバーが取り付けられた形状をしており、カバーの内側にミラーが付いています。
目標物を定める基準線とミラーに映る磁針を同時に捉えることができて、より便利に位置や進行方向の確認ができます。
デジタルコンパス
上記三種類が針によって方角を指し示す従来の形であるのに対し、近年では方角を数値等で表示するデジタルコンパスも活用されています。
多くの機種では方角以外にも温度や気圧などが計測出来るようになっており、一台で複数の情報を取得できることが人気の理由となっているようです。
その他のタイプ
上記以外にも、登山用としてコンパクトな方位磁石も多く使用されています。
そもそも登山では荷物を出来る限り軽くすることが求められますが、方位磁石にそこまでの精度を求めない人などには、軽くて小さくかつ気兼ねなく使える簡易型の製品が喜ばれています。
温度計の種類
方位磁石とセットになることが多い登山用の温度計は、一般家庭用のものに比べてより精密に温度計測ができる仕様となっています。
バイメタル式のアナログ温度計
エンペックス社の温度計に代表される登山用温度計は、金属の膨張を利用した「バイメタル式」と呼ばれる方式によって温度を計測します。
細かい目盛りによって精密に温度計測ができるところが特徴です。
デジタル式温度計
前述のデジタルコンパスと同じく、温度計においてもデジタル式の製品が多く活用されています。
こちらも同様に湿度や気圧等が計測できる仕組みになっているものが多いです。
方位磁石の選び方
利用用途に合わせた方位磁石の選び方を下記にまとめます。
初心者には簡易型の方位磁石がおすすめ
登山用として、細かい精度を求めず気軽に使いたいという初心者の方にはオイルタイプの簡易型方位磁石をおすすめします。
このタイプは製品そのものが小さく軽いため、登山にも気兼ねなく持っていくことができるはずです。
より深く登山を楽しみたい方にはベースプレートコンパスがおすすめ
地図を使って正確に現在位置と進行方向を確認しながら本格的な登山に取り組みたいという方にはベースプレートコンパスか、またはミラーコンパスをおすすめします。
ベースプレートコンパスによって地図に線を書き入れていくことで、より深く登山を楽しむことができるでしょう。