弓道で矢を持ち運ぶときに使うのが矢筒です。安全に持ち運ぶことができ、矢を痛める心配もありません。移動に便利な矢筒の種類や選び方、矢の本数や長さなどを解説していきます。
また購入するときのポイントやおすすめの矢筒ランキングもご紹介していますので、特に初めて矢筒を購入しようという方はぜひチェックしてみてください。
矢の本数や長さの種類に注目した矢筒の選び方
矢筒は入れられる矢の本数や矢の長さに注目して選ぶのが基本です。長過ぎるものや大きすぎるものは矢を痛めることがありますので注意しましょう。
矢の本数
矢筒は収納できる本数に種類があります。表記や矢筒の直径はメーカーによって違いがありますが、小、中、大、特大という4種類の太さ展開が多いです。
- 小(直径6cm程度):6〜7本収納
- 中(5cm程度):10〜12本収納
- 大(10cm程度):24本程度収納
- 特大(19cm程度):60〜70本程度収納
太すぎるものは矢を痛めることがある
直径が太いものほど多くの矢を収納することができますが、本数に対して太すぎるものは内部で矢同士がぶつかるため、シャフト部分や矢羽を痛めてしまうことがあります。自分の持っている本数に合わせて適切な太さのものを購入しましょう。
長さ
矢筒の長さにも種類があります。主に90cmから5cm刻みで120cmまでの長さの矢筒があります。こちらも矢に対して長過ぎるものは出しづらくなりますし、短い矢筒に無理やり入れようとすると矢を痛めてしまいます。
長さ表示は外形の全長と内寸の長さのどちらで書かれているのかを確認しておきましょう。
長さは矢尺から選ぶ
矢筒の長さは矢尺から選びます。矢尺とは矢の長さのことで、「矢束(喉元の中心から地面と水平に伸ばした手の中指の先端まで)プラス10〜15cm」と考えておけばよいでしょう。矢尺に最も近い内寸の矢筒を選べば大丈夫です。
矢筒の内寸はファスナー部分までの長さで、そこから3cm程度の余裕があります。
出し入れの仕方を知っておこう
矢を矢筒から取り出すときは直接矢を持って取り出すのではなく、矢筒を傾けてすべらせるようにゆっくりと矢を取り出します。矢を収納するときにも傾けて入れるようにするとシャフトに衝撃が加わりにくくなります。
矢筒の素材や特徴に注目した選び方
矢筒の素材や特徴などにも注目して選びましょう。
天然皮革
天然皮革の矢筒は手入れをしていけば非常に長く使える耐久性が魅力です。経年変化を楽しむこともでき、見た目の重厚感は抜群です。素材がしっかりとしているため、内部の矢を衝撃から守ってくれます。
ただし手入れの面倒さや価格が高いというデメリットもあります。
人工皮革
人工皮革製の矢筒は非常に一般的で、多くの商品があります。天然皮革に比べて手入れが簡単で、カラーバリエーションが豊富なのも大きなメリットです。型がしっかりしているので持ち運びの際にもしっかりと矢を守ってくれます。
木製
使用している人は少ないですが、木製の矢筒があります。価格は最も高く、高級品です。漆塗りのものなどがあり、雨に濡れないように注意する必要があります。
籐製
籐で編み込んである矢筒もあります。通気性もよく、湿度の高い季節は湿気を吸収してくれますし、乾燥した季節には水分を放出するので矢の状態を一定に保つことができます。編み込みにも種類があり、好みのものを探す楽しみがあります。
なお、木製や籐製のものは紐の色を選ぶことができ、楽しみの一つになります。
ビニール製など
初心者用として販売されている矢筒の中にはビニール製のものがあります。ぬれぶきんなどで拭くだけで汚れを落とせるという手軽さが魅力です。
人工皮革のものに比べて柔らかく、いずれ買い替えたくなる人も多いですが、カラーバリエーションが非常に豊富なので、始めたばかりの方や小学生などにおすすめです。
紙製
紙製は持ち運び用というよりは予備の矢の保管用などに使います。記念品として使われる場合も多いです。紙製ですがそれなりの強度があるため持ち運ぶこともできなくはありません。持ち運ぶ場合には防水スプレーをしておくと雨対策になります。
持ち運びに便利な矢筒の選び方
矢筒は弓と一緒に持ち運びますが、そのときにバンドでまとめるやり方と紐でとめるやり方があります。持ち運ぶときに便利な矢筒の選び方をチェックしましょう。
マジックバンドが付属しているものが便利
弓と矢筒をまとめられるマジックバンドが付属している商品は非常に便利です。マジックバンド自体は別売りで購入することもできますので、マジックバンドがない場合は別に購入しましょう。マジックテープで止められるため非常に簡単なのでおすすめです。
紐付きの矢筒も弓とまとめて運べる
木製・籐製などの矢筒はマジックバンドではなく紐で結びつけるようにできています。矢筒の上下にある紐を使って弓袋の2ヶ所(上下)くくりつけます。なお、くくりつけるときには完全に固定されないよう、少し遊びのある状態にしておくと弓を痛めることがありません。
ショルダーストラップ付きのものは持ち運びに便利!
矢筒の中にはショルダーストラップがついているものがあり、肩に引っ掛けて運ぶことができます。ショルダーストラップがついているものは伝統的な形ではなくスポーティすぎると敬遠する人もいるかもしれませんが、実際は非常に持ち運びやすいのでおすすめです。
矢筒を購入するときにはここをチェック!
矢筒を購入するときには素材・色や模様・名前の刺繍の可否・価格などを確認するようにしましょう。使い勝手の良さなどは口コミをチェックしておくと有益な情報を得ることができます。
素材
天然皮革・木製・籐製・人工皮革・ビニール製など、どの素材のものを選ぶのかを考えましょう。前述の特徴を参考にしつつ、手入れのしやすさ・高級さ・価格などどのポイントを優先するのかを考えて選ぶようにしましょう。
名前の刺繍ができるかどうか
矢筒を購入するときに名前などの刺繍ができるサービスがあります。刺繍をすると買い替えた後などに後輩や友人に譲渡したり中古品として売却したりすることはできませんが、非常に愛着がわくのでおすすめです。
また似たような矢筒を持っている人と取り間違える心配がなくなるのもメリットです。
色・模様
色や模様など、非常にバリエーションが豊かなのが矢筒の特徴でもあります。木製のものは素材や漆仕上げなどによって色合いが変わりますし、天然皮革や籐製のものは経年変化を楽しむこともできます。
籐製のものは編み方によってさまざまな色・模様があります。また人工皮革やビニール製のものの中には通常の黒・青・赤などのバリエーションのほかにパステルカラーのものや和柄のものなどがあり、性別や年代を問わず選ぶことができるので選ぶ楽しみがあります。
価格
矢筒の価格は素材によって大きく価格が変わります。高級品は数万円という価格がついていますが、初心者のうちは籐製や木製などの高級品ではなく人工皮革やビニール製のものが手軽でよいでしょう。
5,000円未満で購入できる矢筒は多く、中にはレザー製のものが5,000円前後で購入できる場合もあります。
通販サイトを利用すると便利
矢筒を購入するときにはAmazonなどの通販サイトを利用すると便利です。特に弓具店が近くにない場合やできるだけ安く購入したい場合、口コミ評価を確認したい場合などは通販サイトが非常に役に立ちます。