弓道の握り革は定期的に交換の必要がある道具です。握り革の材質・選び方や正しい巻き方、交換頻度などを詳しく解説します。初心者でも間違えないような選び方と、おすすめの握り革をランキング形式でご紹介します。
握り革の役割を知って選ぼう
握り革の役割を知っておくと、選ぶときに目安になるので便利です。
握り革は弓を握る重要な部分
握り革は弓を手で直接握る部分です。弦以外で手が弓に触れる唯一の部分ですから、握りやすさや感触などを重視して選ぶと良いでしょう。
握り革は滑りやすさ・滑りにくさを司る
握り革は素材や厚みによって滑りやすさ・滑りにくさが変わってきます。使っているうちに滑りやすさ(あるいは滑りにくさ)のいいバランスがつかめてくると握り革を選びやすくなります。握力が強い人はやや滑りやすいものがよいでしょう。
握り皮は握りの太さを調節できる
握り革には厚みに種類があるため、握りの太さを微調整できます。普段弓を握ったときに細いと感じた場合は厚めの握り皮を、ちょうどよいと思った場合は薄めの握り革を使いましょう。なお、一般的に手が小さめの人は薄い握り革がよいといわれています。
握り革の巻き方とチェック!表裏も間違えないように
握り革の巻き方を動画でチェックしましょう。また裏表の見分け方や交換頻度もしっかり知っておきましょう。
握り革を巻くときに必要なものをチェック
握り皮を巻くときには以下の道具を用意しましょう。
- ハサミ
- 木工用ボンド
- ボンドを伸ばすヘラ(ない場合は爪楊枝で代用)
- 最後に革を抑えるためのヘラ
握り革の巻き方を動画でチェック
握り革の巻き方を実施の動画を見ながらチェックしていきましょう。慣れてしまえばすぐに巻くことができます。
- 握り革を軽く引っ張って伸ばす
- 先端を少し切る
- 矢摺籐から下方向に向かって巻く
- まずは仮巻きをする
- 矢摺籐の下の縁に先端を合わせ、外竹側の左側から右巻きに巻いていく
- 引っ張りながら巻く
- 巻き終わりの部分で革を折り返して跡をつけ、跡の内側をハサミで切る
- 木工ボンドを薄く塗り拡げる(多いとはみ出すので注意)
- 仮巻きと同様に引っ張りながら巻いていく
- 重ならないようにピッタリとつけながら巻くこと
- 最後に爪楊枝などで先端を革の内側に押し込む
- しっかりとヘラで押さえて圧着させ、浮いている部分がないか確認する
- しっかり乾燥させる(1晩〜1日程度)
握り革の表裏を間違えないようにしよう
握り革は表裏があり、間違えると非常に使いづらくなります。模様が入っているものはわかりやすいですが、染めてあるものやプリントしてあるものは裏側がやや毛羽立っているのが特徴です。つるつるしている側が表(握る側)になります。
握り革の交換頻度をチェック
握り革は消耗品です。交換するタイミングは「滑りやすくなった」と感じたときでちょうどよいでしょう。部活などで毎日のように使用している場合は1ヶ月に1回くらいのペースで交換する必要があります。
握り革の素材をチェック
握り革にはいくつかの素材があり、特徴や価格、耐久性などが異なります。それぞれの素材の特徴や耐久性などを見ていきましょう。
握り革の素材によって滑りやすさと価格が違う
握り革は素材によって滑りやすさ・滑りにくさや耐久性、価格などが異なります。見た目だけでなく、特徴に合わせて選ぶようにしましょう。
人工皮革
人工皮革でできた握り革は手入れが楽で価格も安いので、特に初心者の方は使うことが多いです。ただし鹿革などに比べると品質的・耐久性ともに劣ります。長期間に渡って使うとボロボロになってしまいますので、頻繁に交換しましょう。
鹿革
最も人気が高く種類が多いのは鹿革を使った握り革です。弓具店でも鹿革をおすすめすることが多い素材です。滑りにくさ、しなやかさ、柔らかさ、丈夫さ、吸水性などの点で非常に優れています。
鹿革の握り革にも種類があり、模様がプリントされているもの、染めてあるもの、漆で模様が描かれている「印伝」とよばれるものなどがあります。印伝が最も価格が高く滑りにくく、プリントされているものが最も安いです。
羊革
羊の皮でできている握り革もあります。あまり多くはないですが、滑りにくさと握り心地が気に入って使っている人がいます。染めてあるものが多いです。
牛革
牛革も染めてあるものが多く、鹿革以上に滑りにくいため、滑りすぎて弓が使いにくいと感じる人は牛革に変えてみるとよいでしょう。
燻(いぶし)
革製の握り革を燻してある「燻(いぶし)」という握り革も存在します。燻は強度・耐久性が高く、手汗をかいても滑りにくいというメリットがあります。
滑りやすさを考える
握り革は「滑りやすい方がよい」「滑りにくい方がよい」と意見が分かれます。使ってみて滑らずに使いづらいと感じたら滑りやすいものを、滑りすぎると感じたら牛革などの滑りにくいものを使うと良いでしょう。
初心者でどの素材を買おうか迷った方は、鹿革のオーソドックスなものを選んでおけば問題ないでしょう。
握り革の選び方をチェック
握り革を選ぶときには素材や滑りやすさのほか、汗をかいたときの吸水性や色・デザイン、厚みや弾力性がポイントです。価格や口コミをチェックするのも大切です。
色・デザイン
握り側にはさまざまな色やデザインのものがあります。弓の色に合わせて暗めのものを選ぶのも良いですし、朱や赤・橙などの明るめの色を選ぶのもよいでしょう。
和風の伝統的な柄のものも500〜600円程度で購入できますので、自分の気に入った柄のものを選び、やる気につなげましょう。
吸水性
吸水性は素材によって異なります。牛や羊の革は吸水性が低く、汗が染み込みにくいため劣化しにくいです。逆に鹿革のものは吸水性が高く、汗をかいても滑りにくいというのがメリットです。
手がサラサラであまり手汗をかかない人や脂分の少ないという人は抵抗の高い牛革や、滑りにくい印伝の握り革を使うとよいでしょう。
厚みと弾力性
握り革は手の大きさや握力に合わせて厚みを選ぶと良いですが、握力がある場合は厚みのあるものが好まれます。ただし握り皮だけでは厚みの調節が追いつかないというときには、握り革の内側にゴムなどの当て板をあて、その上から握り革を巻きます。
また握ったときに弾力性がある方が感触が良いという人もいます。牛革のものは弾力性があるのでおすすめです。
価格
握り革の価格は素材によって変わります。人工皮革や鹿革の安いものでは350〜500円程度で購入できます。漆で模様の描かれた印伝は800円前後、燻は1,500円以上するものもあります。使用頻度や交換頻度を考えて選ぶようにしましょう。
安すぎる商品は染めやプリントの色が手に付く場合があります。安く購入したい場合や近隣に弓具店がない場合にはAmazonなどの通販サイトをうまく活用しましょう。通常価格よりも安く設定してあるうえ、自宅まで配送してくれるので便利です。
口コミも確認しよう
周囲の人の意見は非常に参考になりますが、買おうと思っている商品を身近な人が使っているとは限りません。そのため、ネットの口コミや評価を見て情報を得るようにしましょう。
口コミにはその商品の良い点もあれば悪い点もあります。メリット・デメリットをしっかり参考にして比較検討しましょう。