自転車のチェーンといわれても、スポーツサイクルなんて持っていないし自分には無縁の話だと思っていませんか。
実はそんな事はないのです。シティサイクル、いわゆるママチャリや電動アシスト自転車を利用してる方からスポーツサイクル愛用者まで、自転車を利用している方なら誰でもチェーンの話は知っていて損はありません。
今回はそんな自転車の心臓部分とも言える自転車のチェーンに焦点を当てて、種類や選び方、メンテナンスも含めた交換方法、そしておすすめのチェーンをランキング形式で8つご紹介したいと思います。
自分の自転車にピッタリのチェーンを選んで是非ご自分で交換してみてください。
自転車チェーンは自転車の心臓部分
自転車愛用者ならば自転車チェーンの重要性はよくご存じだとは思いますが、自転車のチェーンが伸びたり切れたりして自転車が動かなくなってしまったという事を経験した事がある方も多いのではないでしょうか。
自転車にとってチェーンとはまさしく人の体でいう心臓と同じなのです。
このチェーンのメンテナンスを怠っていると、汚れ等はすべて抵抗となりペダリングが重くなります。またチェーン切れなどが走行中起こってしまうと、怪我につながる可能性も否めません。
チェーンは「乗ると汚れる」のはどんな自転車であっても共通のことです。自転車を趣味で乗られている方も、通勤通学で乗られている方もしっかりとチェーンメンテナンスを行っていきましょう。
自転車のチェーンが消耗するとどうなる
良くチェーンが「伸びる」と言いますが、これは自転車からチェーンが垂れ下がっている状態の事を指しています。でもこれは伸びた様に見えるだけであって、実際に金属は伸びてはいません。
いったいどういう事かというと、リンクのピンとローラーが削れて細くなったことで垂れ下がってくるのです。
自転車を長時間走らせる程チェーンは消耗し伸びてきます。チェーンのもちを良くする方法が定期的なチェーンの洗浄とオイルアップです。
チェーンのもちを良くする洗浄方法とオイルアップ
趣味で週末乗っているスポーツサイクルより毎日短距離でも通勤や通学に乗っている自転車の方がチェーンは汚れているとご存知でしょうか。
チェーンにはオイルが散布されているので、そのオイルが接着剤の様になり泥や金属粉など様々なゴミが吸着してしまっています。メンテナンスをせずにしばらく保管していて、いざ乗ろうとしたらチェーンだけでなくギア周りにまで汚れや錆がついている事もあります。
チェーンの汚れを放っておくと変速がスムーズに出来なくなったり、他のパーツの消耗や故障にもつながってくるのです。
特にチェーンに付着した細かい砂などがギア板を削ってしまい、歯の間隔が広がってしまうとチェーンとギア板両方を交換しないといけません。そうなってくるとチェーンに比べてギア板はかなり高額な商品になってきます。
日頃からメンテナンスを行う事は様々なパーツの寿命も伸ばしてくれることにつながります。
チェーンの洗浄方法
自転車の中で最も汚れが付きやすく、かつフレーム等の汚れと違って案外見過ごされ易いのがチェーンの汚れです。今回は簡単に洗浄できるチェーン洗浄器を使用したチェーンの洗浄方法をご紹介します。
用意するもの
- ウエス
- チェーン洗浄器
- 洗浄液(ディグリーザー)
洗浄器を使った洗浄方法
- 変速をフロントインナー、リア変速の段数を2~3段軽いギアにしチェーンが動きやすくなるように調整する
- ふたを開けてチェーン洗浄機の中にチェーンを入れ、持ち手が手前になるようにしてロックする
- チェーン洗浄器の上部から洗浄液をラインのところまで入れる(入れすぎ注意)
- チェーンをブラシの間に挟み蓋を閉めたらクランクをゆっくりと反時計回りに回転させる(30回程度)
- チェーン洗浄器の中身を水道水に変え洗浄液を洗い流す
- 洗浄器を外しウエスでチェーンを拭きあげる
チェーン洗浄の後は必ずオイルアップを
オイル切れはペダルが重くなったり、チェーンの寿命を短くしてしまいます。音で例えると、きちんとオイルアップされた自転車はシャーという音ですが、オイル切れの自転車はキリキリという金属が擦れる様な音がします。
チェーンの洗浄後、注油せずにいるとチェーンには錆が発生します。必ずチェーンの洗浄の後にはオイルアップをし、洗浄とオイルアップは一連の作業として行ってください。
また、洗浄直後の洗浄液がチェーンに残っている状態だと、せっかくオイルを注油してもオイルが分解されてしまいますので、洗浄液がしっかりと乾燥するまではオイルアップは行わないように注意してください。
用意するもの
- チェーンオイル
- ウエス
- スタンド
チェーンオイルの種類と選び方
チェーンオイルにはドライ系とウェット系があります。
ドライ系は晴れの日に乗られる方におすすめです。メリットはチェーンに汚れが付きにくく潤滑性能が優れている点です。デメリットは雨の日に弱く、オイルが乾きやすいので注油頻度が高くなるという点です。
逆にウェット系は雨等の悪天候に強いため毎日の通勤や通学に使用される方におすすめです。ウェット系は耐久性が強くロングライドに向いています。反面で汚れやすく、ドライオイルに比べて潤滑性能は劣ります。
自分の自転車スタイルに適したオイルを選び注油していきましょう。
チェーンオイルの使い方
- チェーンの下にウエスをあて、リンク部分の丸いローラーに1滴づつ注油します
- チェーン全てに注油したら、余分なオイルをウエスで拭き取ります
- ゆっくりとクランクを回転させてオイルをチェーンや各部品になじませます
- スプロケットにもオイルがなじんでいることが確認できたら終了です
チェーン交換時期と方法
チェーンが伸びてしまっていると、いくら洗浄やオイルアップをしたところで悪くなった動きは改善されません。チェーンは切れる前に実は寿命が来ていることがほとんどなのです。
チェーンの伸びについては先述しましたが、伸びた状態のチェーンは横方向の固さが柔らかくなってきてしまっているため変速性能が落ちてしまいます。
変速性能に影響を及ぼしてしまうほど伸びている場合にはすぐにチェーンを交換した方が良いでしょう。交換の目安と言われている走行距離はだいたい3000〜5000キロですが、使用状況やメンテナンス状況にもよっても伸びは変わってきます。
また電動アシスト自転車は、通常の足の踏み込みより最大約三倍の力がチェーンにかかります。当然チェーンにも負担がかかりチェーンの伸びも早くなってきます。
伸びたチェーンをそのまま使用していると、その他の部品類を急速に摩耗させ走行不能の事態にまで陥ってしまいます。
チェーンの伸びをチェックするのにおすすめなのが、簡単に交換時期を判断できるチェッカーです。
使い方は、チェーンにのせて見るだけのという簡単なものですので1本用意しておくと便利です。
チェーン交換方法
チェーン交換は道具を揃えて、手順を守れば女性でも簡単に交換することが出来ます。初めてでも1時間もあれば充分です。チェーンの交換方法は下記動画を参考にしてみてください。
用意するもの
- 新しいチェーン
- チェーンカッター
- コネクトピンかミッシングリンク
- 耐油性のある手袋
- スタンド
チェーン交換時の注意点
- 刻印がある方が表にしてチェーンの取り付け向きに気を付ける
- リアディレイラー側から新しいチェーンを通す
- コネクティングピンはチェーン進行方向の前側のアウターリンクの穴にセットする
- コネクティングピン部分は、リンクから曲げたり指で押したりしながら馴染ませ、動きを良くする
チェーンの種類と選び方
チェーン交換の際に用意するチェーンですが、どれでも使えるという訳ではないのです。チェーンはリアのギア段数で使用出来るかどうかが決まります。
対応しないチェーンを買ってしまうと、他のパーツの破損に繋がってしまうので注意して下さい。
単段用と多段用
まずチェーンは大きく分けて「単段用」と「多段用」の2つに分類されます。
単段用はシングルギアの内装変速用ですのでシティサイクル、いわゆるママチャリやBMX等の競技系バイクに使われている厚歯チェーンです。『1/2×1/8』と表示されています。
多段用はスポーツサイクルなどの外装変速機用の自転車全般の薄歯チェーンです。多段用は『1/2×3/32』と表示されますが、単段用も多段用も最初の数字は「1/2」と同じです。
これは自転車のチェーンからチェーンリングのピッチを表しています。原則的にこのピッチは同じで1.27センチ=1/2インチとなり8速用でも11速用でも自転車では同じになります。
後ろの数字が何を表すかというと、1/8インチ=3.175mm、3/32インチ=2.38mmとなり対応するギアのサイズを表しています。
3/32の薄歯のギアに1/8サイズの幅の広いチェーンを使うことは可能ですが、その逆はできませんので注意してください。
リアのギア段数とコンポーネント
次にチェーンはリアのギア段数によって使用可能か判断していきます。8速と11速ではスプロケットの歯の厚さが異なってきます。数字が大きくなればなるほど薄くなるためチェーンの幅も狭くなります。
しかし、それぞれのギアに合ったチェーンを使用しないと変速不良やチェーンが歯にかみ合わない事もありますので注意が必要です。
もう一つ注意すべき点がコンポーネントです。変速性能を第一に考えると使用するコンポーネントと同一メーカーのチェーンを使用するのをおすすめします。
ロードバイク用コンポーネントでみてみると日本のSHIMANO(シマノ)とイタリアのCAMPAGNOLO(カンパニョーロ)が長い間シェアを二分している状態ですが、最近は耐久性や軽量化を目的としたサードパーティー製のチェーンも販売されています。
明確な目的がある場合はそのあたりも検討してみるのも良いかもしれません。