東京2020大会で、初めての日本人メダリストを期待したいのがトライアスロン。欧米では、マラソンを凌ぐ人気のスポーツです。
日本でも、競技愛好者は30万人を超えるといわれており、2000年からオリンピックの正式種目となりました。トライアスロンは、今後も広がっていく期待のスポーツといえるでしょう。
トライアスロンをあまり見たことが無い人も、競技内容やオリンピック代表選考基準、さらに代表候補の選手を知ることで、観戦が楽しくなるはずです。
トライアスロンは男女平等の耐久競技
東京2020大会の競技は全部で3種類
東京2020大会では、男子と女子の個人、混合リレーの3種目が行われます。
同じトライアスロンでも、種目が違えば注目すべきポイントも違ってくるもの。それぞれの種目についての知識を深め、より観戦を楽しみましょう。
オリンピック トライアスロン 個人(男子/女子)
スタート・フィニッシュ:お台場海浜公園
距離:
水泳(スイム)1.5km(1km+0.5km)
自転車(バイク)40km(5km×8周回)
ランニング(ラン)10km(2.5km×4周回)https://tokyo2020.org/jp/games/sport/olympic/triathlon/
以上のことから分かる通り、トライアスロンは男子も女子も同じ距離を競います。
トライアスロンで走る距離は、スイム、バイク、ランの合計で51.5キロメートル。東京駅から鎌倉駅までがだいたい50キロメートルであることを考えると、トライアスロンがどれほど過酷な競技であるかが想像できるでしょう。
メダルを獲得するためには、男子選手であれば1時間45分、女子選手であれば2時間以内でゴールする必要があります。トライアスロンの個人種目を観戦する際は、このタイムを頭に入れておくと良いでしょう。
オリンピック トライアスロン 混合リレー
スタート・フィニッシュ:お台場海浜公園
順序:女子→男子→女子→男子
距離(1人当たり):
水泳(スイム)300m
自転車(バイク)7.4km(3.7km×2周回)
ランニング(ラン)2km(1km×2周回)https://tokyo2020.org/jp/games/sport/olympic/triathlon/
上記が混合リレーで1人当たりが走る距離です。
個人種目よりも走る距離がおよそ5分の1ほどに短縮されるため、よりスピードが重視される試合展開になります。
混合リレーの注目ポイントは、チームとしての地力が勝敗を分けるところ。競技自体は個人の戦いであっても、混合リレーで重要なのはやはりチームワークです。バトンを繋ぐという強い意志が、勝利を手にする鍵となるでしょう。
2018年のアジア大会において、日本は混合リレーで2連覇を果たしています。東京オリンピックでは、個人の結果だけでなく、日本のチームワークにも期待したいところですね。
戦略が勝負の要
トライアスロンは耐久性や持久力が求められる競技。しかし、勝負の要となるのは戦略です。
ペース配分、勝負を仕掛けるタイミング、トランジションでどれだけ時間を短縮できるかなど。選手には、極限まで体力を削り取られていくなか、常にレースを先読みする冷静さと精神力が求められます。
スイム、バイク、ラン、それぞれの種目で、選手たちは様々な戦略を用意しているはずです。ぜひ、選手同士の駆け引きに注目してみてください。
日本の出場枠と選考基準
オリンピックの開催国枠
開催国である日本は、ITU の定める出場資格を満たしていることを前提に男女各 2 名(計4名)及びミックスリレー(1チーム)の出場枠を有している。そのため、JTU は国別出場の最大男女各 3 枠獲得(合計 6 名)を目指しながら、代表選手を選出することとする。
http://www.jtu.or.jp/news/2018/pdf/2020Tokyo-Olympic-JTUcriteria.pdf<
日本のトライアスロンにおける出場資格は上記の通りです。
開催国であっても、オリンピック出場が狭き門であることに変わりはありません。世界を舞台に戦うためにも、まずは代表争いに勝ち残ることを目標に、選手たちは日々トレーニングに励んでいます。
国内の出場資格
・日本国籍を有し、公益財団法人日本オリンピック委員会(以下、「JOC」)の派遣基準を満たしていること。
・ITU 個人オリンピック出場資格ランキング(2020 年 5 月 11 日時点)が 140 位以内であること。http://www.jtu.or.jp/news/2018/pdf/2020Tokyo-Olympic-JTUcriteria.pdf
日本代表として選考される為には、出場資格を満たしていることが大前提となります。その出場資格というのが、上記の2点です。
出場資格を満たし、尚且つ代表の有力候補となっている選手が、日本国内には大勢います。メダル獲得が確実といわれているヨーロッパ勢とも、きっと渡りあえることでしょう。
オリンピックで、未だ日本人がメダルを獲得したことのないトライアスロン。東京2020大会では、初の日本人メダル獲得に向けて多くの人が期待を寄せています。
代表選考の主要大会
① ITU オリンピック・クオリフィケーションイベント(2019 年 8 月/東京)(以下、「東京 OQE」)
*スタンダードディスタンス(以下、「STD」)
② ITU 世界トライアスロンシリーズ(以下、「WTS」)(2大会)
a) 2019 年 7 月:ハンブルグ WTS(ドイツ) *スプリントディスタンス(以下、「SP」)
b) 2020 年 3 月:アブダビ WTS(アラブ首長国連邦) *SPhttp://www.jtu.or.jp/news/2018/pdf/2020Tokyo-Olympic-JTUcriteria.pdf
日本代表に選ばれる為には、選考レースで好成績を収める必要があります。
2019年8月に行なわれる東京OQEは、東京2020大会と同じ会場である「お台場」で行なわれます。そのため、この大会で1位を取ることができれば、最有力選手として出場することは、ほぼ間違いなしです。
その後の優先候補は、上記3大会の成績を考慮して選出されますので、バランスよく好成績を取ることが求められます。
選手にとって、この3大会は「絶対に負けられない試合」となりますので、ぜひ試合結果をチェックしていきましょう!
勝負の舞台「お台場」
実際の競技ルートは?
トライアスロンは、全種目、お台場海浜公園がスタート・フィニッシュの会場となっています。選手は、レインボーブリッジと対岸の汐留にそびえる高層ビル群、東京タワーを背景に、お台場海浜公園内の海を泳ぎ、バイクでは、台場、青海、有明地区でコーナーの多いテクニカルなコースを周回します。最後のランでは、商業施設が立ち並ぶ台場地区で大歓声の中、選手はメダル争いを繰り広げます。
https://tokyo2020.org/jp/news/notice/20180802-01.html
上記は東京2020大会でのトライアスロンの競技ルートについての説明です。
お台場海浜公園といえば、レインボーブリッジや東京タワーなど、見どころが満載。大会当日は、レースだけでなく景色も楽しめることでしょう。
スイムの競技場となっているお台場海浜内の海は、普段マリンスポーツや釣りスポットとして賑わっている場所です。実際に遊びにいったことがある人も多いでしょう。
バイクの台場から有明地区は、おだいばビーチやお台場海浜公園駅を回るコースです。レインボーブリッジや高層ビル群など、スイム、バイク、ラン、3種目の中で最も景観が美しいルートといってもいいかもしれません。
そして最後のランは、ダイバーシティ東京プラザやフジテレビなどが見どころ。「これぞお台場!」そんな誰もが知っている有名な場所を、選手たちが走り抜けていきます。