2017年1月には内視鏡の手術を受け、治療に専念。6月の全日本選手権での復帰を目指していましたが、回復が間に合わず出場を辞退しました。

この大会は世界選手権への代表選考も兼ねた重要な大会となっていましたが、無念の辞退となり戦わずして世界選手権4連覇の夢が潰えることとなってしまいます。

無念の途中棄権

さらに、同年10月には練習中に左膝と左足首靱帯を損傷するアクシデントにも見舞われてしまいます。

状態が思わしくないまま強行出場した12月の全日本選手権では準々決勝で勝利を挙げたものの、怪我の再発を監督から懸念され無念の棄権となるなど、リズムに乗り切れないまま1年が終わってしまいました。そうして年末に再び手術を受け、再起を目指しています。

オリンピックに向けて勝負の1年

迎えた2018年も思うように調子を上げることができず、6月のレスリング全日本選抜選手権では準決勝で敗退し代表の座を逃してしまいます。

年末の天皇杯全日本選手権では3位の成績を残したものの、登坂絵莉選手の実力を考えると物足りない結果に……。

過去の実績を見ても世界で戦える実力を秘めていることは間違いありません。本来の実力を取り戻し、再び日本の、そして世界の頂点に立つことができるのか要注目です。

若手の成長株・須崎優衣選手

強豪ひしめく女子レスリング界において、若くして頭角を現したのが須崎優衣選手です。

東京オリンピックで21歳を迎える若手選手でありながら、これまでに残してきた実績は華々しく、日本代表候補の1人として注目されています。

小学5年生でオリンピックを意識

須崎選手はレスリング部に所属していた父の影響で、小学1年生からレスリングを始めました。その才能はすぐに開花し、レスリングを始めてからわずか2年で小学生チャンピオンに輝きます。

小学5年生の時に全国少年少女選手権を制したことでオリンピックでの活躍を真剣に視野に入れるようになり、中学2年生でオリンピック選手の養成機関JOCエリートアカデミーに入校。東京オリンピックの強化選手に選ばれるなど、着実に力をつけています。

世界でも戦える選手に成長

中学生時代には出場した全ての試合に勝利し、脅威の無敗記録を打ち立てました。国際大会も含めて連勝記録を83にまで伸ばしたように、その強さは国内のみならず世界でも通用するものとなっていきます。

ここまで順調に成績を上げ、FILA世界ランキングは堂々の1位。東京オリンピックでも活躍が期待される選手へと成長しました。

勝負の1年を前にまさかのアクシデント

順風満帆なレスリング人生を歩んでいた須崎選手ですが、2018年11月の強化合宿中に左肘を負傷するアクシデントに見舞われてしまいます。

12月末に開催された天皇杯全日本選手権に出場するべく、懸命にリハビリに取り組んでいましたが状態が回復せず、大会は棄権することとなりました。

世界ランキング1位が示す通り実力は誰もが認めるところで、代表選考会も兼ねた2019年6月の全日本選抜選手権に向けてどこまでコンデションを整えられるのかが鍵となります。

順調度ナンバー1の入江ゆき選手

怪我やブランクのある選手が多い中で、ここまで順調に調整を続けているのが入江ゆき選手です。

2018年に行われた天皇杯全日本選手権では、2016年リオデジャネイロオリンピックで金メダルに輝いた登坂選手を準決勝で下し、勢いそのままに50キロ級で2連覇を果たしています。

実績は十分もライバルの壁は厚い

これまでも入江選手は華々しい成績を残してきました。高校時代にインターハイを2連覇、大学時代には全日本学生選手権を4連覇、自衛隊体育学校に所属となってからもアジア選手権優勝、全日本選手権優勝と申し分のない戦いぶりを見せています。

ただ、入江選手と同じ階級にはオリンピック金メダリストの登坂選手も控えており、「世界で勝つより日本で勝つのが難しい」と言われる大激戦区となっています。

2018年は宿敵登坂選手に勝利を収めたものの、過去には決勝戦で幾度となく敗戦を喫した経験もあるだけに気が抜けない戦いが続きます。

須崎選手も台頭しさらに混戦を極める

入江選手が倒さなければならないのは、登坂選手だけではありません。先ほど紹介した若手のホープ須崎選手も、同階級に所属しているのです。

相手が強敵なのは確かですが、入江選手は須崎選手と決して相性が悪いわけでありません。敗戦を喫した経験はあるものの、無双状態の須崎選手を過去何度も倒してきたのが他ならぬ入江選手でした。

2015年の全日本選手権では10ー0と完勝で須崎選手の連勝記録を83でストップさせると、2017年の全日本選手権では再び連勝街道を走っていた須崎選手に勝利し連勝記録を63でストップさせています。

激戦区50キロ級の頂点に立てるか

2018年の天皇杯全日本選手権では須崎選手が怪我で棄権し、ライバルとの対戦は叶いませんでした。

優勝は果たしたものの、須崎選手は不在、登坂選手も順調さを欠いていた状態なだけに、2人が調子を上げてくれば強力なライバルとなるのは必至です。

三つ巴の混戦を制し、オリンピックへの切符をつかむことができるのか。その戦いぶりに注目が集まります。

まとめ

吉田沙保里選手が引退した今、日本の女子レスリングを牽引していくのは誰になるのか。そして、伊調馨選手の大会5連覇を阻止する若手選手は現れるのか。

東京オリンピックの女子レスリングではぜひ、日本人選手同士の戦いにも注目してみてください。

  

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