水泳4種目の中でも、なかなか速く泳げずタイムが伸び悩むという声が多いのが平泳ぎです。
でも、実は確実にスコアアップができる方法があるのです。
ひとつは平泳ぎで使用する筋肉をきちんと把握し、その部位のトレーニングを行い筋力を上げること、もうひとつは平泳ぎのキックに着目してみることです。
ここでは、平泳ぎでよく使われている筋肉とそのトレーニング方法から、2000年以降に主流となっている”平泳ぎをより速く泳ぐためのキック”をご紹介していきます。
平泳ぎで使う主な筋肉5部位
水泳は身体全体を使うことのできるスポーツですが、ここでは代表する5つの筋肉をピックアップしてみました。
- 三角筋(さんかくきん)
- 僧帽筋(そうぼうきん)
- 上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
- 大臀筋(だいでんきん)
- 内転筋(ないてんきん)
三角筋、僧帽筋は上半身の筋肉、大臀筋、内転筋は下半身を代表する筋肉です。
上腕二頭筋はその名の通り、腕の筋肉です。
筋肉を鍛えるにはその部位を意識して行うことが重要だといわれますが、これらの筋肉が身体のどの部位なのか把握できていますか?
まずはそれぞれの筋肉の場所を確認していきましょう!
それぞれの筋肉の場所を把握しよう!
三角筋
肩の筋肉の一部で、上腕部外側の筋肉を指します。この筋肉を鍛えることで肩幅が広くなり、逆三角形の身体づくりができます。
一見、それほど大きな筋肉に見えないのですが、上半身の筋肉の中でその体積はもっとも大きいといわれています。
トレーニングを重ねることで目に見えて効果に表れやすい部位ともいえます。
僧帽筋
肩から背中にかけて広がっており、体の表層部にある筋肉です。
頸の付け根、左右の腕の付け根付近、背中の中央の4点を結んだ箇所をイメージするとわかりやすいでしょう。
僧帽筋を鍛えることで背中に厚みが出てくるようになります。
上腕二頭筋
わかりやすくいうと“力こぶ”のできる筋肉です。腕を曲げたときに盛り上がる筋肉が上腕二頭筋で、バイセプスとも呼ばれています。
大臀筋
お尻(臀部)を形成している筋肉の中でも、下方外側に向かって広がっている臀部の中でももっとも大きな筋肉です。
平泳ぎは下半身の強さがタイムの速さにも影響してきます。
股関節を効率よく動かすためにも、下半身の肝ともいわれる大殿筋を鍛えることは重要です。
内転筋
いわゆる内ももと呼ばれる箇所の筋肉のことで、恥骨筋などの5つの筋肉から形成されています。
この内転筋を鍛えることで、より速く泳ぐための柔軟な股関節が手に入るだけでなく、O脚や姿勢の悪さの改善も目指せるので、ぜひ鍛えておきたい筋肉です。
それでは実際に各部位はどのようなトレーニングを行うのが効果的なのでしょうか。部位ごとにいくつかご紹介していきます。
三角筋のトレーニング
アップライトロウ
アップライトロウは、三角筋の他に僧帽筋にも効くトレーニング方法です。
バーベルの他、ダンベルやケーブルでも鍛えることができるので、トレーニング環境や目的の強度によって選ぶことができます。
- 手首を曲げて、肘から上げる。
- 肩の高さが左右均等になることを意識し、肘から持ち上げます。手首を曲げることで、腕ではなく肩に負荷をかけることができます。
- ゆっくりと元の位置に戻す。
勢いではなく、負荷がかかるようにゆっくり下すのがポイントです。
パイクプレス
パイクプレスは器具を使用せず、自らの身体の重さを使って鍛えるので、日常生活にも取り入れやすいトレーニング方法です。
ぜひ実践してみましょう。
まず四つん這いになります。
この時、手は肩の真下になるように置きます。足は肩幅よりやや広く開き、お尻を高く持ち上げます。(横から見るとV字の逆になります。)
- 腕に負荷をかけるため、かかとを浮かせて上半身に重心を移動します。
- 腕で床を押しながら、手足均等に力が入る位置に戻します。
- 繰り返します。
ダンベルリアレイズ
三角筋の中でも、背中側にある三角筋後部を鍛えるのに効果的なトレーニングです。
- ダンベルを両手に持ち、足は肩幅くらいに広げて立ちます。床と平行になるくらいまで上体を倒します。背中が丸くならないように、背骨がまっすぐであることを意識しながら前傾することがポイントです。
- 肩甲骨を広げたまま、両腕を体の側方へダンベルを引き上げます。それぞれの腕が床と平行になるくらいまで上げられると効果的です。
- ゆっくりと元の位置まで戻します。
負荷が大きいトレーニングなので、初めて行う方は軽めのダンベルから始めることをおすすめしています。
肩を壊すことのないように、無理のない負荷から始めていきましょう。
僧帽筋のトレーニング
ダンベルショルダーシュラッグ
僧帽筋の上部および中部を鍛えることができます。バーベルに比べ、初心者でもメヌーに取り入れやすく効果が期待できるトレーニングです。
- 足は肩幅に広げ、背筋を伸ばす。
- ダンベルを持った両手は体から少し離し、肩からすとんとまっすぐに下ろす。
- 両肩をすくめるように上げ、肩甲骨を拳上しながらダンベルを上げる。
- 3秒ほど止めたら、ゆっくり元の姿勢に戻す。
ポイントは、これも背筋が曲がらないように意識しつづけることです。常に背骨はまっすぐのまま行いましょう。