一見、力が必要なさそうな紙風船で何を鍛えるのかと不思議に思いますが、主導筋の他に拮抗筋を鍛える筋力トレーニングだそう。

主導筋とはその部位が収縮することで働く筋肉のことで、それに対し、拮抗筋とは主導筋とは逆に伸長した状態の筋肉のことを指します。

例えば腕の筋肉の場合、ダンベルカールのトレーニング中は主導筋が上腕二頭筋(力こぶのできる筋肉)、拮抗筋が上腕三頭筋(二の腕の筋肉)となります。

室伏氏のトレーニングはメインの筋肉だけでなく、裏で動く筋肉をも意識したトレーニングなのです。

ちなみに“10秒台の壁”を破った陸上の桐生選手も室伏氏に師事した一人。さすが金メダリストならではの経験と知識が存分に活かされたトレーニングですね。

吉田選手こだわりの自主トレ

プッシュアップする男性

自体重を利用したトレーニング

吉田選手が高校時代から行っていたのは、主に体幹トレーニングや腕立て伏せなどの自身の体重を利用する筋トレです。

さらに青山学院大学に進学し、器具を使用したトレーニングもメニューに組み込んでいきました。

冬場にはベンチプレスやスクワットなどの、マシンを使用したトレーニングも併用していたそうです。

吉田選手がトレーニングで心がけたこととは?

吉田選手はある特定の部位を集中して鍛えるのではなく、全身のバランスが重要だといいます。

体幹トレーニングを中心に全身を鍛えるのが吉田選手流のようです。

まんべんなく全身を鍛えることで頑強な身体づくりを目指しているのですね。

ケガを防止するトレーニング

室伏氏のトレーニングでも、単に身体を鍛えるのではなく、ケガを防止するためのトレーニングが重要だと強調しており、吉田選手もこれに深く賛同しています。

吉田選手がルーキー時代に筋膜炎を発症し、4ヶ月の療養期間を余儀なくされたことが一因だともいえるでしょう。

1年間を通して1軍で活躍できる身体づくりは、日頃からの努力が大切だったりもします。

吉田選手は若き選手ながら、独自の打撃理論と身体づくりのメソッドを大切にして日々取り組んでいるということがわかりますよね。

飛距離がアップするバッティングに必要な筋肉

全身の筋肉をまんべんなく鍛えることが重要ですが、吉田選手のようなホームランバッターにとって“飛距離がアップする”ことに重点を置いた場合はどこの部位を鍛えるのが効果的なのでしょうか。

代表的な筋肉の部位をご紹介していきましょう。

まずはホームランバッターに必要な足元からのパワーを発揮する太ももの筋肉です。

太ももを鍛えることで、軸足の回転と踏ん張りで飛距離を生み出すといわれています。

ハムストリングス

ハムストリングスとは大腿二頭筋(だいたいにとうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)を総称した部位を指しています。

お尻からもも裏にかけての筋肉をイメージするとわかりやすいでしょう。

膝の曲げ伸ばしや、足を後ろに大きく伸ばす時に動かす筋肉です。

内転筋

内転筋は大内転筋、小内転筋、長内転筋など複数の筋肉から構成されている、内もも部分の筋肉です。

股関節を閉じる動作の際に働いています。

これら内転筋群の筋力のバランスが崩れるとO脚やX脚を引き起こす可能性のある、下半身の中でも重要な部位のひとつです。

背筋

ホームランバッターとして鍛えるべき部位はというと諸説ありますが、やっぱり背筋は外せないという声も多いようです。

背中は主に下方部分にある広背筋と、首~肩甲骨・背中にかけて広がる僧帽筋などがあります。

飛距離を伸ばすスイングのためには速いボールを押し返すパワーが必要だともいわれており、他の部位とあわせて背筋を鍛えるメニューを取り入れてみるのも良いでしょう。

ただし、背筋を鍛える=球威がアップするというわけでなく、その背筋を存分に活かせる投球法が重要ともいえます。

腹筋

なぜ腹筋が必要なのかというと、これは背筋とのバランスです。背筋に力を入れた分、腹筋にも時間を割くことで身体の前後をバランスよく鍛えることにつながります。

前後を同じように鍛えることで身体の安定感が出るようになり、ピッチングやバッティングにも効果が期待できます。

身体の前後だけでなくツイスト等の動きを加え、左右も意識するとよりブレない身体づくりが目指せるでしょう。

トレーニング方法

パーソナルトレーナーと男性

レッグランジ

  1. 足を肩幅くらいに開く。
  2. 手を頭の後ろにセットする。
  3. 片足を大きく前に出す。
  4. 背筋はまっすぐのまま、腰を真下に下げる。
  5. 前足の足裏で床を押すように元の姿勢に戻る。
  6. 逆の足でも同様に行う。

レッグエクステンション

  1. シートに深く腰かけ、膝が90度に曲がるようにセットします。
  2. 息を吐きながら膝を伸ばす。
  3. 息を吸いながら元の位置に戻す。

動作は簡単ですが、ポイントは座る位置と負荷です。座る位置を浅くすることによって、大腿直筋を鍛えることができます。

太ももの前側部分である大腿四頭筋を鍛えるトレーニングで、深く腰かければ外側広筋、内側広筋、中間広筋を鍛えることができます。

負荷は自身のコンディションに合わせてかけていきましょう。無理をするとかえって膝を傷めることにもなるので気をつけましょう。

アダクション

  1. シートに深く腰かけ、膝の内側にパッドが当たるようにセットする。この時、太ももは左右平行を意識します。
  2. 息を吐きながらゆっくりと足を閉じていく。
  3. 閉じきったら息を吸いながらゆっくりと足を元の位置まで戻す。

スクワット

  1. 足を肩幅より少し大きく開く。
  2. 背筋はまっすぐのまま、ゆっくり息を吐きながらお尻を後ろに突き出すように腰を下ろす。
  3. 膝を深く曲げたら少し停止する。
  4. ゆっくりと息を吸いながら元の姿勢に戻る。

アダクションは太ももの筋肉を鍛えるだけでなく、骨盤を安定させる効果も期待できます。

まとめ

ボールを捉えた野球選手

別名“和製大砲”と呼ばれる吉田正尚選手のストイックなトレーニングについてご紹介してきました。

プロ野球界では吉田選手と同じようにマッチョと呼ばれている阪神・糸井外野手ソフトバンク・柳田外野手との合同トレーニングも話題になりました。

偉大なる先輩の知恵を授かりながら、独自のトレーニングメソッドでますます屈強な身体づくりに励んでいる吉田選手。

師匠の室伏氏から期待されているタイトル総ナメの日ももう間近かもしれません。

  

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