握力トレーニングは部位を限定した筋トレに聞こえますが、握力の強化は全てのトレーニングに繋がるといっても過言ではありません。
また初心者でも始めやすいという特徴を持っています。
近年、病気のバロメーターとしても注目されている握力、日常生活にも影響を及ぼす握力をしっかり鍛えていきましょう。
今回は握力を強化することで得られるメリットや正しいトレーニング方法をしっかり伝授します。
握力を強化するメリット
握力は日々トレーニングを行っている人でも、見落としがちな場所です。
しかし握力を鍛えることは、太く男らしい腕を得るばかりでなく様々なメリットが存在しています。
トレーニングの効果を上げる
筋トレを日常的に行っている人ならお気づきかもしれませんが、トレーニングに置いて握力は欠かせないものです。
高負荷でのトレーニングでは、握力がないと手首が安定せず重量を増やすことが出来ません。
またプル系のトレーニングでも握力がない為に、十分なトレーニングが出来ないケースもあるのです。
強い握力をつけていれば、トレーニング時に不必要な筋肉を使用せず、ターゲットの筋肉を効率よく鍛えることが出来るでしょう。
スポーツを上達させる
道具を使用したスポーツや球技などをプレイする人は、握力を得ることでパフォーマンス力が向上します。
バスケットやバレーボール、野球やテニスなど握力を必要とするスポーツはとても多いものです。
握力はボールのコントロールやラケットなどへの力の伝導、相手を掴む柔道など様々なシーンで使用されています。
決して大きな筋肉ではありませんが、握力はスポーツ時には大いに役に立つでしょう。
日常生活に必要不可欠
握力は低下しにくい筋肉ともいわれています。
それは日常生活のあらゆるシーンで使用しているからです。
逆をいえば握力がないとぞうきんを絞ったり、蓋を開けたりすることも苦に感じてしまうのです。
30代から筋肉は低下を始めるといわれていますが、トレーニングをしている人としていない人では、日常生活にも大きな差が出てきます。
将来を見据えたトレーニングという意味でも握力はとても大切な筋力といえるでしょう。
注目される握力
近年握力は大きな注目を浴びました。
高齢化社会が進む中で、握力が高い人は脳の総容積が大きいという研究結果が出されています。
また認知症などの確率も低くなるようです。
握力トレーニングは医学界でも注目されており、長い目で見ても鍛えておいて損はない部位といえるでしょう。
腕相撲の勝利に効果的
かなり限定的なメリットになりますが、腕相撲が強くなりたいという人はまず握力を鍛えるべきです。
上腕二頭筋などに目がいきがちですが、最も鍛えるべきは握力・手首の力です。
握力を鍛えることは前腕筋の強化に直結しており、腕相撲に必要な強靭な手首や腕を作り上げることが可能です。
鍛えるべき握力を知る
これから握力を鍛えるトレーニングを紹介していきますが、鍛える部位を知ることは大切です。
鍛えたい部位に意識を向けることが出来れば、トレーニングの質が大幅に向上していきます。
握力とは3つの力
一般的に握力測定ではじき出される数値は、クラッシュ力といって指をしっかり曲げて握る握力です。
握力はクラッシュ力以外に、指を伸ばし物を掴む際に使用するピンチ力と物を握ってキープするホールド力があります。
日常生活やスポーツ時に実際使用されるのはピンチ力やホールド力といえます。
握力に関係する筋肉
握力のトレーニングで意識すべき筋肉は下記の筋肉になります。
- 深指屈筋(しんしくっきん)
- 浅指屈筋(せんしくっきん)
- 長母指屈筋(ちょうぼしくっきん)
これらは指の関節を曲げる筋肉になり、握る力を発揮するものです。
中でも長母指屈筋は親指の第一関節を曲げる筋肉なので、ピンチ力を強くしたい人は長母指屈筋を鍛えるといいでしょう。
更に手首や指をコントロールするのに関係してくる下記の前腕屈筋群も意識したい筋肉です。
- 橈側手根屈筋(とうそくしゅこんきん)
- 尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんきん)
- 長掌筋(ちょうしょうきん)
これらの前腕屈筋群を鍛えることで、握力の増加に繋がってきます。
橈側手根屈筋は手首の掌屈や橈屈などに関わり、ゴルフなどのスポーツで重要視される筋肉です。
また尺屈(手を小指側に曲げる)を担う尺側手根屈筋、手首から指へ向かって伸びる手掌腱膜を司る長掌筋などは握力に欠かせない筋肉です。
初心者におすすめの簡単メニュー
握力の基礎知識をもとに、初心者におすすめの握力トレーニングを紹介していきます。
基本のハンドグリップ
握力トレーニングの基本ともいわれているハンドグリップは、初心者でも簡単に取り組むことが出来ます。
- 軽めのハンドグリップを用意する
- 片手でハンドグリップを握る
- 閉じるまでしっかりと握る
- 少々ゆっくり手を広げる
- この動作を間隔を開けず30回行う
- 反対サイドも同じ回数行なう
初心者には10キロ程度の軽いものがおすすめです。
慣れてきたら低負荷なハンドグリップに加え、高負荷なハンドグリップを数回プラスしてバリエーションを加えてもいいでしょう。
どこでも出来るグーパートレーニング
グーパートレーニングは器具を使用せずどこでも出来るトレーニングです。
- 姿勢を正す
- 両腕を真っすぐ前に伸ばす
- グーでしっかりと両手を握る
- パーは一瞬でしっかり開く
- 100回繰り返す
単純なトレーニングですが、日ごろから運動をしていない人は前腕に強く効いてくるでしょう。
上記のトレーニングはインターバルを1分程度置いて3セット繰り返すのが目標です。
肩が上がって首が短くなってしまうと、肩に力が抜けやすくなってしまうので方が上がらないように気を付けます。
自分の状態に合わせてセット数を調節していきましょう。
ダンベルを使用したリストカール
リストカールは初心者でも取り組みやすく、大きな効果が期待出来るトレーニング方法です。
使用するダンベルは軽いものからはじめると手首を痛めにくくなります。
- 前腕をベンチに置き反対の手で肘を支える
- ダンベルを軽く握り手の力を抜く
- ダンベルを巻き上げるように持ち上げる
- ゆっくりと戻す
- 反対サイドも行う
片手20回程を目安としてインタバールを1分取ります、3セット繰り返すことを目標としましょう。