第1類が使用に関してかなり厳格なのに対して、第3類は服用できる条件がかなり緩くなり多くの方に処方可能です。
有名な湿布として「ハリックス(ライオン株式会社)」「サロンパス(久光製薬)」等があげられます。
湿布の選び方
数ある湿布の種類ですが、湿布は症状に応じて選ぶ必要があります。どのように選べばよいのかご紹介します。
捻挫・打撲・ぎっくり腰等の場合
思わぬケガや捻挫、打撲、ぎっくり腰等急性の怪我は、できるだけ早く患部を冷やし炎症を抑える必要があります。
応急処置が早ければ早いほど後の回復も早くなります。その為急性の怪我には患部を冷やす通常冷湿布が適用されます。
慢性的な痛みの場合
慢性的な腰痛、肩こりの原因として血流の悪さや筋肉の緊張があげられます。
これらを緩和するには体を温かくし血行を促進する必要があります。
その為慢性的な痛みには患部を温める温湿布、もしくは第二世代の湿布が有効です。
疲労回復
スポーツや激しく体を動かした場合の疲労回復には鎮痛剤が塗布されている第二世代の湿布が有効です。
症状によっては第1類の部類になるものは効能が強すぎる場合も有り、その際副作用等の懸念があります。
購入の前に必ず良く使用用途を確認するようにするか、分からなければ薬剤師の方に相談するようにしましょう。
正しい使用方法
湿布は只貼るだけで良いと思われがちですが、正しい使用方法があります。
効果を最大限にする為に正しい貼り方を知っておきましょう。
貼るタイミング
一般的にお風呂上り(シャワー)が一番良いといわれています。
確かに汚れや余計な皮脂が落とされた状態の方が湿布の密着度が増す分効果的といえるでしょう。
この際注意したいのは入浴直後は体温が高い為、温湿布は熱くなり過ぎて痛みを感じてしまうことがあります。
湿布を貼る際は入浴後30分~60分程度時間をおくようにしましょう。
使用時間
湿布を1日中、もしくは新しいものに貼りかえるまで貼り続けている方も少なくないようです。
通常多くの湿布は8~12時間で塗布されている薬が肌に浸透するといわれており、はがした後も効果は持続します。
湿布の種類によっては1日中貼りっぱなしで問題ないものも有ります。使用の際はよく注意事項を確認するようにしましょう。
効果範囲
湿布は塗布されている薬が皮膚に浸透して効果を発揮します。
浸透度合いは皮膚の厚さ等が影響する為貼る部分、また湿布の種類によっても異なってきます。
湿布は貼った部分のみに効果があると思われがちですが、以上の理由から湿布の面積よりも実際の効果はやや広範囲になるようです。
注意点
飲み薬や塗り薬の服用に注意事項があるように、湿布にも使用の際に注意する点があります。
謝った使用法により弊害が起こる場合も有ります。利用上の注意点を確認していきましょう。
副作用
湿布は薬剤が塗布されており、それを直接皮膚に浸透させる仕組みです。
その為効能が高い湿布の場合、刺激が強すぎて皮膚炎を引き起こす原因となってしまいます。
前述のように湿布は第1類~第3類に分けられ、第1類の方が薬の成分が強いものとなっています。
皮膚が弱い体質の方は第2類、第3類でも効果が強いものは肌に合わない場合もあります。
第1類は薬剤師の説明が必須ですが第2類、第3類は自身の判断で購入可能です。購入前に必ず注意事項を確認するようにしましょう。
また、「カプサイシン」等の成分を含む温湿布は冷湿布よりも肌のかぶれを引き起こしやすいようです。
敏感肌の方は貼る時間を短くする、違和感を感じたらすぐに剥がす等、十分に気を付けて使用する必要があります。
紫外線
湿布に直接紫外線が当たると光線過敏症(光接触皮膚炎)という皮膚かぶれの症状が発生することがあります。
特にケトプロフェンを主成分とするモーラステープはこの症状が起きやすいようです。
特に紫外線の強い夏場は外で活動する場合は気を付けるようにしましょう。
また、湿布を剥がした後も一時は皮膚に成分が残ったままです。
湿布を剥がしてから4週間程度は患部への直接の紫外線は避けるようにしましょう。
飲み薬
2種類以上の飲み薬を服用する場合は副作用など事前に確認するのではないでしょうか。
意外に思われるかもしれませんが、湿布も同じように薬ですから飲み薬を服用している時は気を付ける必要があります。
特にロコア®︎テープ等有効成分の吸収性が非常に高いものは、その反面副作用に注意が必要です。
湿布であっても飲み薬等と同様に使用する前に用法をよく確認することが大切です。
湿布の知識を付けて効果アップ
湿布は風邪薬のようにドラッグストア等で手軽に手に入り、簡単に利用できる身近な薬です。
それだけに「何となく良さそう」という理由で選んで使用している方も少なくないのではないでしょうか。
症状に対して適当なものでなければ症状の緩和どころか場合によっては悪化してしまう可能性もあります。
湿布は症状に応じて使い分け、用法を守って使用することで効果が発揮できる薬なのです。