肩のインナーマッスルは通常の筋トレでは強化しづらい部分です。
重要な役割を担っている部分であり、ケガ予防や肩の安定性を高めるためにも特別なトレーニングで強化しましょう。
器具を使わないトレーニングのほか、ダンベルやチューブなどの器具を使ったトレーニング方法を紹介します。
肩のインナーマッスルの役割や鍛えるメリットのほか、痛みがあるときなどトレーニング上の注意点もみていきましょう。
肩のインナーマッスルの部位名や働きをチェック
肩のインナーマッスルはいくつかの筋肉が集まってできています。
筋肉の部位名と働きを知っておき、効率の良いトレーニングに役立てましょう。
「ローテーターカフ」と呼ばれる筋肉群
肩のインナーマッスルは小円筋・肩甲下筋・棘下筋・棘上筋の4つの筋肉からできています。
一般的に「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」と総称されます。
鎖骨・肩甲骨・脇の周辺の深い位置にあり、比較的弱いため鍛えるのが難しい部位です。
小円筋(しょうえんきん)
小円筋は肩甲骨の外側から上腕骨にかけての細い筋肉で、腕を外側にひねる動きにかかわります。
ボールを投げる動作に不可欠の筋肉です。
肩甲下筋(けんこうかきん)
肩甲下筋は文字通り「肩甲骨の下(裏側)」にある筋肉で、腕を内側にひねる動きにかかわる筋肉です。
バットやラケットなどを振るときに使う部分で、ボールを投げる動作でも使われます。
棘下筋(きょくかきん)
棘下筋は肩甲骨から上腕骨まで伸びる筋肉で、腕を外側にひねる動きにかかわります。
投げる・振るといった動作には欠かせない筋肉です。
棘上筋(きょくじょうきん)
棘上筋は肩甲骨上部に位置している筋肉で、ローテーターカフの中でも重要な筋肉です。
腕を外側にひねる動きにかかわるほか、肩の関節を安定させる働きがあります。
ただし最も痛めやすい筋肉でもあるため、強化しておく必要があります。
肩のインナーマッスルを鍛えるとこんなメリットがある
肩のインナーマッスルを鍛えることはスポーツ面だけでなく日常生活でもメリットがあります。
どのようなメリットがあるか見ていきましょう。
怪我の予防
肩のインナーマッスルは肩周辺の筋肉を支えており、強化することで肩周辺の筋肉系の怪我を予防することができます。
特に棘上筋は炎症を起こしやすいため、ローテーターカフ全体を鍛えて肩の安定性をアップさせる必要があります。
肩の安定感を増し脱臼を防ぐ
肩のインナーマッスルを強化すると肩の関節の安定性が増します。
特に脱臼しやすい人や脱臼をしたことがある人は再発防止のために鍛えておきましょう。
肩まわりのパワーアップにつながる
肩のインナーマッスルを鍛えることで肩周りのパワーアップにつながります。
インナーマッスルは外側にある三角筋や僧帽筋の安定性アップや筋力強化を支える働きがあります。
加齢による肩の痛みを予防
加齢によって生じる肩の痛み(四十肩・五十肩)は肩関節や肩甲骨の周辺の筋力が低下が原因です。
年齢が上がるとトレーニングの成果が出るのに時間がかかるため、日頃からトレーニングをしておきましょう。
肩のインナーマッスルのトレーニング方法を動画でチェック
肩のインナーマッスルのトレーニングは正しいフォームで行うことでより良い効果があります。
ダンベルやチューブといった器具を使わずにできるトレーニングを見ていきましょう。