代謝を活性化させることは、健康の維持や美肌などに役立ちます。
コエンザイムQ10が美容製品によく含まれているのは、そのような効果を狙ってのことでしょう。
もちろん、エネルギー代謝に作用するとなれば、筋トレに励むわれわれにとっては見過ごすことはできません。
摂取による効果は未確定
たしかに体内においては代謝に関与するコエンザイムQ10。
ただし、それを食品やサプリメントで摂取した場合に代謝を促進する効果があるのかに関しては、それを証明するだけのデータは揃っていません。
代謝促進効果を期待して摂取する場合は、そのことを頭に入れておく必要があります。
関節痛にもコエンザイムQ10?
関節痛の原因とは
運動に関わる作用としては、エネルギー代謝のほか、関節痛への効果も期待されています。
関節とは骨と骨とのつなぎ目の部分であり、身体の曲げ伸ばしに関与します。
関節にある軟骨は弾力性のある柔らかい骨で、加齢、あるいは酷使によってすり減ってしまいます。
それが炎症の原因となり、関節痛を発症するわけです。
軟骨の修復に効果?
関節の軟骨を構成する主な成分は、「グルコサミン」や「コンドロイチン」です。
これらはまとめて「軟骨成分」とも言われますが、コエンザイムQ10は軟骨細胞の生成を活性化する働きがあるとされます。
実際に、コエンザイムQ10とビタミンC、コラーゲン、グルコサミンを摂取したところ、膝の痛みが緩和したという研究結果もあります。
関節痛に効くとしてこれらの成分を中心に配合した「ジョイントサプリ」も販売されています。
関節痛に悩む方は、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
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コエンザイムQ10に期待される効果はほかにも
抗酸化作用
体内に取り入れた酸素は、使用されない部分は錆びついたような状態になってしまい、生活習慣病の原因となりえます。
特に酸化作用の強いものを「活性酸素」と言いますが、これに抵抗する力を「抗酸化」と呼んでいます。
コエンザイムQ10には抗酸化作用があり、さらに同じ抗酸化物質のひとつであるビタミンEの働きを助けます。
心疾患への効果
コエンザイムQ10はかつて医療用として用いられてきました。
その際に期待されてきたのが、心不全や心筋梗塞など心疾患への効果です。
有効性があるとする研究もありますが、アメリカでは現時点では科学的根拠が十分でないとしています。
もちろん、効果がないと断じたわけではないことは留意しておく必要があります。
コエンザイムQ10の摂取方法
一般的には安全性が高いとされているものの、多量に摂取した場合、吐き気など胃腸系の症状をもよおすことがあります。
適切な摂取量については、医薬品として使用される場合の1日あたり30mgを超えないことを推奨する厚労省通知が出されています。
コエンザイムQ10に期待される効果は多くありますが、いずれも明確な答えは出ていないのが現状です。
過剰な期待は禁物でしょうが、適切に摂取すれば害のあるものではありませんから、今後の研究の進展に期待しつつ摂取するのはありでしょう。