その点ケーブルクロスオーバーは、立位で肩甲骨が解放された状態でトレーニングを行うので、可動域をフルに利用して刺激を与えることができます。
あらゆる体位において負荷が持続する
トレーニング中のあらゆる姿勢に対して負荷をかけ続けられるのは、ケーブルマシンの利点です。
ケーブルクロスオーバーは、腕を閉じて大胸筋を最大限に収縮させた時も、腕を開いて最大限に伸展させた時も、大胸筋に同レベルの負荷をかけ続けます。
それにより筋肉の隅々まで効果的に刺激を与え、筋肥大に大きく貢献してくれるのです。
ケーブルクロスオーバーの使い方
ケーブルクロスオーバーは様々な使用方法がありますが、ここでは基本的なハイプーリー(上方から下方へ引く)をご紹介します。
もしマシンのバーが複数箇所についていたら、上方のバーを使いましょう。
- 左右のバーを握り、マシンの中央部分のやや前方に立つ。
- 片足を前に出し、前に出した方の足の膝を軽く曲げて前傾姿勢を取る。
- 上腕を最大限に広げて、肘を曲げてケーブルの出発点に向けるようにして立て、ワキを開く。(スタートポジション)
- 肘を曲げたまま固定し、息を吐きながらワイヤーをお腹の前あたりまで引っ張る。大胸筋を最大限に収縮させた状態で1~2秒静止するとさらに効果的。
- 息を吸いながらゆっくりスタートポジションに戻る。
4~5を15~20回、1~2セットを目安に行いましょう。
ハイプーリーは体を前傾させるので、主に大胸筋の下部を刺激することができます。
また、ケーブルを下から上へ引き上げるロープーリーでは、大胸筋上部を集中的に鍛えることが可能です。(上の動画では4:40辺りから解説があります。)
ロープーリーは体を前傾させず直立姿勢で、胸の前で拳を合わせるように行います。この場合も、肘をケーブルの出発点に向けることを忘れないでください。
トレーニングの注意点
ケーブルクロスオーバーでトレーニングをするにあたり、特に気をつけてほしい点を以下にまとめました。
ただがむしゃらに回数を重ねるのではなく、ポイントを押さえて効率的なトレーニングを目指しましょう。
ウエイトよりフォームを重視しよう
ケーブルクロスオーバーはウエイトの重量よりも、フォームの的確さや、可動域の限界まで筋肉を伸展・収縮させることが大切な種目です。
重量を重くしてフォームが崩れると刺激が分散するので、大胸筋への効果が薄れてしまいます。
逆に少々重量が軽くても、フォームにこだわって的確な刺激を大胸筋に送ることができれば、格段の効果が得られるマシンです。
腕を動かすときは、腕の力ではなく大胸筋の力を用いて、肩関節のみを動かすよう意識すること。
そして曲げた肘の角度は固定して動かさないことです。肘が動くと上腕の筋肉が働き、刺激が分散してしまいます。また、ケガのもとにもなりかねません。
大胸筋をフルに使ってトレーニングを行おう
ケーブルクロスオーバーを使用するときは、とにかく大胸筋を最大限に使うよう意識して動作を行いましょう。
腕を閉じるときは胸骨の部分(大胸筋の中心)に大胸筋を集中して収縮させるように意識し、スタートポジションに戻るときは大胸筋を限界まで開ききり、ストレッチします。
また、腕がスタートポジションに戻ったときも力を抜かず、常に負荷をかけ続けるようにするとより効果的です。