リオ五輪の大奮闘で、日本中が感動した卓球日本代表の活躍はまだ記憶に新しいと思いますが、選手たちのキレのある数々のプレーはたくさんの練習や技術・戦術を磨くことによって培われたものです。
それは上半身を鍛えるメニュー・下半身を鍛えるメニュー・体幹トレーニングなど、いろいろなトレーニングを継続して行ってきた結果でもあります。
今回は卓球に必要な筋トレメニューを紹介したいと思います。
卓球は下半身の強化が必須
卓球の中でも膝を曲げたり溜めを作ったり蹴ったりする動きには、下半身の強化が必須になります。特に、高速で動き続ける球を追い続けるためには、俊敏な下半身の動きを必要とします。
下半身を鍛える
卓球は常に足を使って動きながら球を返し続けるスポーツなので、下半身を鍛えていくことはとても重要なスキルになります。
おしり・ふともも・ふくらはぎといった、スポーツにかかせない筋肉がある下半身を鍛えることによって基礎能力が高まります。
フットワークは生命線
特に鋭いドライブをかけたり熱いラリーを展開する時に、下半身のフットワークが生命線となります。
フットワーク力を強化することで、ボールの届く範囲が広がりこれまで届かなかった球も打つことができるようになります。
そしてさらに常に体勢よく球を打つことが出来るようになります。具体的にフットワークに必要な力について次でご説明します。
下半身の筋力強化
卓球のフットワーク強化のためには3つの筋力が求められます。
素早い動作をするための瞬発力
試合での動く球に素早く反応するには瞬発力が必要です。瞬発力には反射神経と筋力が大切な要素になります。
しかし、反射神経が優れていても同時に足や体全体が動かなければ素早い行動は伴いません。敏捷性つけるダッシュや反復横跳びなどで、腹筋・背筋など総合的な実践が瞬発力を鍛える事にもつながります。
足で溜めを作るための筋力
溜めとは、位置エネルギーともいわれ、走り高跳びでいう助走のようなものです。
右利きだと右足に溜めを作り、左利きだと左足に溜めを作ることで体全体の体重移動をしっかりとすることができ、それが威力のあるドライブを打つことにつながります。
この瞬発力を高める溜めを作るには、下半身が安定して動けるようにスクワットなどの筋力トレーニングをすることがポイントになります。
長く動き続けられるための持久力
長時間の試合や長いラリーを展開する卓球は、足への負担が相当なものになり試合中に足を痛めることもあります。そのためにも基本的な筋トレといわれている、スクワットなど下半身の持久力を強化するためのトレーニングはとても重要となります。
無理なく持続することが大事
この重要な3つの筋力を鍛えるトレーニングのメニューをバランス良く実践していくことが大切です。そして、トレーニングを常に続けることで安定したドライブが確立するのです。
ただし、早く上達をしようと思うあまりトレーニングをしすぎてしまうと怪我をしたり筋肉や関節を傷めたりすることもありますので、無理をせずに自分のペースで行うようにしてください。
では実際に下半身の「瞬発力・筋力・持久力」を鍛えるための筋トレメニューを紹介していきます。
下半身強化トレーニングメニュー
これまで卓球には「下半身の強化が重要です」といってきましたが、一言で下半身を鍛える筋トレといってもいろいろなメニューがあります。
前にお話しした瞬発力・筋力・持久力を鍛えるためにはどのようなトレーニングを実践すればいいのかを、ここで具体的にご紹介します。
反復横跳びで瞬発力を強化
反復横跳びをしながら将棋をするスポーツとも例えられる卓球は、大きな動きは少なくいかに細かく素早く動けるかが重要なポイントです。このような俊敏な動きをするためには、反復横跳びで敏捷性を向上させ、フットワーク力を鍛えることが重要になります。
その方法としては、あまり広い幅での横跳びではなく卓球台のサイズに近い2mくらいの幅で行うと効果的です。そして、何回跳ぶかの回数を決めるのではなく設定した時間の中で出来るだけ多く反復し、より素早い動きを身に着けるようにしましょう。
短距離ダッシュで一気に押し出す力を強化
足でしっかりと溜めをつくり瞬発的に大きな力を生み出す、いわゆる瞬発力を発揮する筋肉は速筋です。その縮む速度が速い筋肉を鍛えるためには、運動強度が高い短距離ダッシュが有効です。
10m⇒25m⇒50mのダッシュを順番に行い、それぞれ5本ずつが目安となります。そして、前の動きだけではなく後ろの動も必要とする卓球は、後ろ向きのダッシュも併せて行うとより効果がみられます。後ろ向きダッシュの場合は、5m⇒10m⇒25mの順で各5本ずつが目安です。
スクワットで受給力を強化
大腿四頭筋は太ももの前面にある筋肉です。
この筋肉は「膝を伸ばす・脚を前に振り出す」といった膝関節や股関節の動きに作用する役割があり、ほぼすべての動きに必要です。
ここを鍛えるには、両足を肩幅くらいに広げて立ち背中が丸まらないよう背筋を伸ばして、膝が90度くらいになるまでゆっくりと腰を落とすトレーニングが重要になります。この筋トレをスクワットといいます。
そして、このトレーニングを続けることによって相手に打ち勝つ強い球を返し長いラリーを制することができるのです。
しかし、無理をしたり正しく行わないと逆に膝や腰を痛めてしまう恐れがありますので注意が必要です。
スクワットをする時の注意点としては、次の3つがポイントになります。
- 腰に負担をかけないために、背筋をまっすぐにして背中を丸めない
- 大腿の筋肉に過剰な負担がかかるため、ひざをつま先より前に出さない
- 10回~20回を1セットとしてゆっくりと無理のない範囲で行う
器具を使っての練習
筋トレは自分の身ひとつで行うことも可能ですが、器具を使うことによって、より効率的なトレーニングができます。また、コンパクトな器具を使うことで、自宅などの狭いスペースでも実践出来るようになります。
では、どのような器具を使うと効果がみられるのかを説明していきます。
ダンベルで負荷をかける
スクワットの際、ダンベルを両手に持って行うと負荷がかかるので筋肉により大きな刺激を与えることが出来ます。また、ダンベルを使うとふくらはぎやハムストリングなど筋肉にも作用するので、下半身全体の筋トレになります。
重すぎないダンベル選びを
人によっては、重いダンベルを使うほど、効果がみられると思い込んでいるようですが、逆に肘や手首などに無理な負担がかかってしまいます。特に初心者の方は怪我などの危険性があります。その為、自分に合った重さのダンベルを選ぶことが大切です。