人間の体のアクションは、様々な体の動きや重心移動など全てが連動しています。
速く走るためには脚力や足の運び方なども大事ですが、体の動かし方、全身の連動の仕方が一番重要です。
ポイントはダイナミックに大きく、速く動くことをイメージする点です。

例えば野球で俊足の選手をイメージすると、身体の小さな選手が細かい動きに長けているような印象を受けることが多いでしょう。
確かに小さい方が体重は軽いので動きやすいのは確かですが、走ること自体のアクションは全身を使って大きく動かすことが大事になります。

では早速、体を連動させて大きく動かすためのシンプルなトレーニングを2つご紹介します。

立ち幅跳び

跳躍力と疾走能力は相関関係にあります。
これは陸上競技の短距離ランナーが、走り幅跳びでも活躍することからもご理解いただけるでしょう。

ダイナミックに走れと言われても、どのように身体を使って良いのか分かりにくいですが、立ち幅跳びは理想的な身体の使い方を学べるトレーニングメニューです。身体全体の動きを集めてパワーを出す、という典型的なアクションなのです。

立ち幅跳びのやり方

  1. スピードを意識して目一杯しゃがみます。
  2. 腕を大きく振ります。
  3. 腰を動かして、斜め前に飛び出すイメージでジャンプします。

文字にすると難しく感じるが、立ち幅跳びの経験は誰にでもあるはずです。
これを素早く、力強くやることをイメージしましょう。

動画でチェック!立ち幅跳びのコツ

立ち幅跳びは遠くに飛ぶという目標が明確で、成長の度合いも分かりやすいのが特徴です。
走り方のフォームをチェックしても正しいフォームを体得するのは難しいですが、立ち幅跳びならば繰り返しやっているとコツも自然と体得できるはずです。

ボール投げ

一見何の関係もないように見えるボール投げも、全身のエネルギーを集めてボールに伝えるという優れたトレーニングです。

ボール投げのやり方

  1. ボールを両方の掌で身体の前に持ち、思い切りしゃがみます。
  2. 勢いよく膝を伸ばします。腰、お尻、膝のタイミングで動かしていきましょう。
  3. 生み出されたエネルギーをボールに伝えるイメージで前方にボールを投げます。

運動神経を向上させる

陸上競技 短距離走

ここまでにご紹介した2つのトレーニングは運動神経を向上させるトレーニングです。

ジャンプは足、ボール投げは腕(肩)の力で行う、と思いがちですが、実際には身体の様々な部位の筋肉を動かして作り出したエネルギーを集中させるアクションです。
試しに手だけでボールを投げたり、反動を使わずに立ち幅跳びをしてみましょう。如何に窮屈な動きがエネルギーを生み出さないかご理解いただけるでしょう。

走ることもこれと全く同じです。
足だけしか動かさずに走ろうと思っても上体は揺れ動き、手を振りたくなります。

まとめ

「走ること」のアドバイスは非常に困難です。
「腿を高く上げる」「腕を振れ」という助言は正しいのですが、部分的な指示を「走る」という全体の動きに落とし込むのは意外にも難しいのです。

それよりも、力の入れ方、身体の動かし方を身につけて運動神経を高めた方が、それ以外の競技や生活の中でも有効でしょう。
簡単なトレーニングですので是非試してください。

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