脂質異常症は、血液中の脂質が異常に増加している状態で、血管が狭くなり血液の流れが悪くなっている疾患です。
ナイアシンは、善玉コレステロールを増加し、悪玉コレステロールを減少させる働きがあり、脂質異常症や心臓病を改善します。
また、最近では、遺伝子やDNAを修復して、がんを予防する効果も期待されています。
ナイアシンを多く含む食品
ナイアシンの一日の標準摂取量は以下のようになっています。
- 成人男性:15mg
- 成人女性:11mg
標準摂取量を目安にしてナイアシンを摂取していきましょう。
以下、ナイアシンを含む主な食品を紹介していきます。
動物性の食品(100グラム当たり)
- まぐろ:14.2mg
- さば:10.4mg
- ぶり:9.5mg
- 豚レバー:14mg
- 牛レバー:13.5mg
- 鶏むね肉:11.6mg
植物性の食品(100グラム当たり)
- らっかせい:17mg
- ひらたけ:10.7mg
- エリンギ:8.1mg
- まつたけ:8.0mg
- えのきたけ:6.8mg
- アーモンド:3.5mg
魚介類では赤みの魚に多く含まれ、肉類ではレバーに多く含まれています。野菜ではきのこ類に多く含まれています。
ナイアシンのサプリメント
ナイアシンのサプリメントは多くのメーカーから販売されています。
食事から十分な量を摂取できるため、それほど必要性を感じることはないかもしれませんが、ダイエットをしたいとか特定の疾患を予防したいといったときに使用すると効果的です。
ただし、次の項目でも紹介しますが、過剰に摂取すると様々な症状が現れることがありますので、摂り過ぎには注意しましょう。
ナイアシンの注意点
ナイアシンの不足
ナイアシンが不足するとペラグラという重篤な疾患にかかります。
ペラグラの症状には、皮膚の炎症、下痢、頭痛、胃腸障害、うつ、認知症などの精神症状があります。
南米などトリプトファンが少ないトウモロコシを主食としている地域ではペラグラにかかる人がいます。
日本の食生活は栄養が豊富なためペラグラの患者はまれですが、アルコール依存症の人はナイアシンが不足することがあります。
ナイアシンの過剰摂取
普段の食生活でナイアシンの過剰摂取によって健康に害が出ることはほとんどありません。
サプリメントなどを服用して過剰摂取した場合、皮膚がかゆくなったり、下痢、便秘などの消化器障害、肝臓障害が生じることがあります。
食事摂取基準では、許容上限量が定められていますので、上限を超えないように気をつけましょう。
- 成人男性の一日のナイアシン許容上限量:300~350mg
- 成人女性の一日のナイアシン許容上限量:250mg
まとめ
以上、ナイアシンの効果、ナイアシンを多く含む食品、注意点について説明してきました。
ナイアシンは全身で様々な効果を担っている大切な栄養素。
日々の食生活で不足することはあまりありませんが、肉や魚などを制限する食事をしていたり、アルコールを飲み過ぎていると、不足する事態が生じることあります。
その際は、ナイアシンを多く含むきのこ類を多く摂取したり、サプリメントで補ったりするなどして、不足することのないように気をつけましょう。