首の痛みに自己流のストレッチは有効か?
寝違えて起こる痛みから肩こりや頭痛に関係する痛みも含めると、首は痛みが起こりやすい部位と言えるでしょう。
揉んだり叩いてみたり、或いは首を回すなど自分なりの方法で痛みを抑えようとしている方は多いと思います。
しかしこの自己流の方法が思わぬ逆効果を招く可能性があります。
首は身体の中でかなりデリケートな部分です。首の痛みが単なる肩こりならともかく、実はくも膜下出血のような命に関わる病気の前兆という可能性もあります。
ここでは首の痛みを解消する上での注意点と、おすすめのストレッチ方法についてご紹介します。
「痛気持ち良い」感に注意
ストレッチやマッサージは効果的に行えば有効な対処法ですが、一歩間違えると逆効果になるケースがあります。
また、ストレッチというほど本格的ではなくても、デスクワークなどで首の疲労感が高まってきた時、伸びをしたり腰をひねったり、或いは肩を回したり、このような動作は誰もが行うでしょう。
多少の痛みを伴うにしても、基本的にこれらは気持ちが良い動作であり、血流やリンパの流れを促進させる意味でも効果的です。
ただしこの痛気持ち良い感が人によってはトラブルを生む原因になりかねません。
というのも、ある程度の痛みが生じてもコリが改善されるという経験をしてしまうことで、痛くてもほぐした方が良いという経験則に基づく思い込みに捉われてしまう危険性があるためです。
スポーツを事例に考える
例えば、過去にスポーツ経験がある方ならば、試合や練習の前後に体をほぐす目的で柔軟体操やストレッチを行っていた筈です。
過去には身体はしっかりほぐすべきという考え方が蔓延していたため、入念に筋肉を伸ばして関節の可動域を広げるような運動を積極的に行ったものです。
しかしながら現在のスポーツ医療の考えでは、このようにじっくり筋を伸ばすようなストレッチは運動後などのアフターケア時に限られるべきとされています。
運動前の静的ストレッチは避けるべき
このようにじっくり筋を伸ばすようなストレッチを静的ストレッチと言います。
静的ストレッチとは、例えば座り込んで開脚し、体を倒しながらじっくり筋を伸ばすといったようなものです。
こうすると当然筋肉はほぐれるのですが、対して弾力性、反発性は失われます。ゴムを想像してください。伸ばしっぱなしにすると緩んでしまいますよね。