フィットネス水着とは?
水中での運動は、有酸素運動に分類され、陸上で行うスポーツと比較しても効果が高い運動法と言われています。
それぞれ個人のできる範囲内で軽く泳いだり、長距離を泳ぐことに挑戦するのはもちろんのこと、ただプールの中を水をかきわけて歩くだけでも高い運動効果が得られ、その効果は陸上での運動の2倍に相当します。
空気中の19倍も抵抗を受けながら行う水中でのフィットネスでは浮力によって膝や腰などへの負担は軽減されるものの、長時間行う場合においてはある程度水の抵抗を少なくしたり、水中でも動きやすい適度なフィット感のある水着を着用しなくてはなりません。
そこで、水中のフィットネスに最も適しているのが、フィットネス水着です。
競泳用の水着との違いについても後ほど紹介しますが、フィットネス水着だけでも水中で動きやすいように、また、水中においてどのようなフィットネスを行うのかによって数種類のタイプがあります。
他の水着と何が違うのか?
それではまず、フィットネス水着がどのような特徴を持っていて、他の水着とどう違うのかを知識として取り入れておきましょう。
競泳水着はとにかくスピードが出るように身体にピッタリとフィットさせ、できる限り水の抵抗を受けないことを第一につくられています。それに対してフィットネス水着は、“動きやすさ”を第一に考えて作られています。
健康目的であったり、ダイエット効果を期待しての運動であったりとプールへフィットネスに来る方の目的も人それぞれではありますが速く泳ぐことにこだわる必要はありませんので、競泳水着のようなスピード重視の生地である必要はありません。
それよりも伸縮しやすく柔らかい生地でどのような動きも無理なくできるつくりであった方が泳ぐにしても歩くにしても都合が良いのです。
フィットネス水着のタイプ
フィットネス水着にもいくつかの種類があります。
体型カバーなどを意識して選ぶのも良いですが、水中でどのような運動を行うのかによっても選ぶべきタイプが違ってくるので、その点もあらかじめ把握しておくと、水着を選ぶ際に失敗せずに済みます。
どのようなタイプがあり、どのような状況に適しているのか見てみましょう。
セパレートタイプ
名前の通り、2つに分かれているタイプです。
トップスとパンツに分かれていて、パンツは太ももくらいの長さのものから、膝上くらいまでのものまで様々です。
上下分かれているので動きやすく、着替えやすいというメリットはありますがちょっとした運動でトップスの裾の部分がめくれてきてしまうというデメリットがあります。
長距離を泳ぐようなフィットネスにはあまり適していないタイプです。
ワンピースタイプ
学校の授業等でもおなじみの、ワンピースタイプは、身体にピッタリと張り付く感じでダイエットを目的に運動しようとしている方はちょっと敬遠しがちなタイプでもあります。
ただ、がっつり泳ぐというのであればワンピースタイプが1番おすすめです。
泳ぐ際に邪魔になるものが何もなく、セパレートタイプのようにめくれ上がってしまう心配もないので泳ぐことに集中できます。
オールインワンタイプ
着用時の見た目はセパレートタイプと似ていますが、つくりはワンピースタイプと同じように1枚で着るようになっています。
膝上くらいまでの丈のものが多く、着用時には少々着るのが大変だったりもしますが、泳ぐこと、歩くこと、その他水中で行う様々なエクササイズ、どれをとっても1番動きやすいのはこのオールインワンタイプだと言えます。
バックタイプについて
フィットネス水着は、形そのもののタイプだけではなく、バックデザインに関してもいくつか種類があります。
Uバックタイプ
背中が大きくU字型に開いたデザインになっています。
脱ぎ着するのが簡単で1番ノーマルなスタイルとも言えます。ただ、広く背中が見えるので肌の露出を避けたい人にはあまりおすすめできません。
ピースバックタイプ
Uバックと比較すると肩紐が背中側から伸びているため、肩の可動域が広く泳ぐのに適した形をしています。
脇腹近くまで背中が開いているため、水を逃がす効果があり、泳ぐ際の水中での抵抗感を軽減させることができます。
Vバックタイプ
一見、ピースバックタイプと似た形をしていますが、背中に一カ所O型に開いた部分がありやはり水を逃がす効果を高めています。
ピースバックよりも背中の露出は少なめなので、肌を出したくないけれどしっかり泳ぎたいという方に適しています。
フィットネス水着の選び方
では、実際にフィットネス水着を購入する際にはどのような点に注意して選べば良いのかを確認していきましょう。
プールにおいてどのようなフィットネスやエクササイズを行うのかによって先ほど紹介したタイプの中からベースとなる形を選んだら、次はもう少し細かいポイントに気をつけて製品を絞り込んでいきましょう。
サイズ
水着を選ぶ上で重要なのが、サイズです。製品によってサイズ表記が違うこともありますが、基本的には普段身につけている服と同じサイズで大丈夫です。
着用した際に、若干窮屈に感じるくらいで良いのです。というのも、水着は水に浸かることで伸縮性が強くなり、水の重みで伸びたような状態になります。
プールに入る前に着用し、若干きつい、苦しいと思っても水の中に入ってしまえば身体にフィットしてちょうどよくなりますから、サイズは少々きつめ程度を選んだほうが良いでしょう。
機能性
どの水着にも…というわけではなく、製品によって特殊な機能がつけられているものがあります。水陸両用タイプがその1つの例です。
プールのみでなく、ジムやウォーキング、ランニングにも使うことができ、ジムで運動した後、着替えることなくそのままプールへ…ということができるフィットネス水着です。
このタイプのメリットは、一見水着に見えないところです。ジムで運動していても違和感のないデザインになっているので、ボトムスにショートパンツとレギンスなどを合わせれば水着っぽさはなくなります。
その他にも、競泳水着とフィットネス水着両方の特徴を兼ね備えた水着もあります。
生地
屋外のプールで利用するのであれば、太陽光を蓄えることができ、身体が冷えてしまうことを予防してくれる“サーモトロン”。
フィットネス後の水着の脱水がとても楽な“カルライト”は、軽く振っただけで水着にしみこんだ水を取り除くことが可能です。
他にも、速乾性に特化した“サラカラ”や、雑菌の繁殖を抑えてくれる“ルミマジック・アクア”など、フィットネス水着に使われている生地の種類も様々です。
用途や使用する場所が屋内か屋外か等で、生地も製品選びのポイントの1つに加えておくと良いでしょう。