体操・新体操を練習する環境を整えるためにはマットが必要です。
体操用マットは大きさや厚みも様々で、生地も綿やエステル・ターポリンと種類があります。判断材料が多く、どれを選んでいいのか悩みますよね。
そこで今回は人気の体操・新体操用のマットをランキング形式でご紹介します。より安心・安全なマットを選び、練習に集中できる環境を整えましょう。
体操の練習にマットは必要?
安心・安全に練習を行うためにはマットは必要不可欠です。
マットを用意せず、練習中に怪我をして治療に時間を要していては、せっかく上達のために割いた時間が水の泡になりかねません。怪我がなくてもフロアが傷つくことを気にしていては練習に専念できません。
事前に用意して防げるトラブルは防ぎましょう。
体操・新体操の練習中に起こりやすい怪我
体操・新体操の練習中に起こりやすい怪我は以下の通りです。
- 腰痛
- 捻挫
- 脱臼
- 半月板損傷
それぞれ、どのようなシーンで起きやすいのか見ていきましょう。
腰痛
体操や新体操では腰の柔軟性が必要な技を取り入れることがあります。腰が硬いのに無理な体勢をとったり、捻りなどの動作をすることによって腰痛が起こります。
ただの腰痛だといって軽くみてはいけません。慢性化すると選手生命が断たれてしまうこともありますので注意が必要です。
練習前と後の柔軟体操と普段からのケアをしておきましょう。
捻挫
足首の捻挫はステップや踏み切り・着地の瞬間に起こりやすい怪我です。新体操では技の途中にバランスを崩すことでも、捻挫が起きる可能性があります。
また手首も足首と同様にタンブリングや回転技で捻挫する可能性があります。
捻挫はひどい場合だと、靭帯が伸びたり断裂を起こすものです。靭帯が断裂してしまうと外科的処置が必要となり競技復帰に3ヶ月以上の時間を要します。
練習中であっても体がうまく支えられなければ、捻挫を起こす可能性があります。また、床が硬かったり柔らかすぎたりするとリスクが高くなるでしょう。
肩や肘の脱臼
タンブリング中や倒立体勢からバランスを崩すと脱臼に繋がります。また、器具からの落下の体勢によっては肩関節脱臼を起こすこともあるのです。
脱臼は関節周りの弱さからくることもありますが、器具やマットの不備で起きることがないように日頃のメンテナンスを怠らないようにしましょう。
半月板損傷
半月板損傷は膝に負荷がかかることによって起こる傷害です。急性であれば膝を捻るような動作で起きます。
体操や新体操競技においては着地の衝撃が半月板に負担をかけ続け、慢性的な症状である関節炎や変形性膝関節症を起こす可能性もあります。
着地の衝撃を和らげるためには、膝の柔軟性を上げることはもちろん、マットに衝撃を吸収させましょう。
競技別マットの選び方
一言に体操用マットといっても種類は様々です。小学校の体育館にあるような硬い生地のものもあれば、カラフルで耐水性のあるものや分厚くてクッション性のあるものもあります。
それぞれの競技で、より適した厚さや大きさ・クッション材のマットを選んでいきます。では競技に適したマットとはどんなものなのでしょう。体操競技・新体操に分けて解説します。
体操競技には反発力があるマット
体操競技は、徒手または器械を用いて演技をします。着地やタンブリングでの安定性が必要となるため、マットもただ柔らかいものより反発力のあるものが好まれます。関節への負担を減らすため少し厚めのものを選びましょう。
練習内容によっては摩耗が激しくなるため、表面の材質は綿帆布やエステル帆布など強度の強いものを選ぶといいでしょう。
新体操練習には広いマット
新体操では手具を使って13m四方向のフロアで演技をします。新体操の場合はマットは手具の落下による、床の破損を防ぐ役割もあります。手具を使った練習をする場合は厚みよりもマットの広さを重視して選ぶといいでしょう。
男子新体操の場合は、床でのダイナミックな技も繰り広げられます。技の練習初期には厚みのあるマットも用意しておきましょう。
目的別マットの選び方
体操競技の中でも場面によって適したマットは異なります。ここでは着地用・タンブリング用・回転用・ストレッチ用に分けて解説していきます。
解説する上で用途別に分けていますが兼用可能です。主用途が何かを決め、その他用途とも兼用できるものを選ぶと良いでしょう。
着地用マットの選び方
着地マットにはクッション性が求められます。しかし高跳びやボルダリングで使われるようなフカフカのマットでは体操競技の着地の練習はできません。柔らかすぎるマットでしっかりとした着地をしようとすると、逆に足首の捻挫などの怪我につながります。
そのため着地用マットにはある程度のクッション性と反発力が必要になります。厚さは薄すぎないものを選ぶといいでしょう。クッション材は合成スポンジだけのものより、コンビマットと呼ばれるミラスポンジやフェルトでスポンジを挟んだ形状のものが適しています。
着地用マットを用意するなら、厚さは5~6cmのコンビマットを選びましょう。
タンブリング用マットの選び方
タンブリングの練習をするのであれば、床と体に相当の圧がかかることが予想されます。マットは厚さがあり、なおかつ次の技にスムーズに移ることができるものだと良いでしょう。
しかしある程度固さのある厚いマットは重くて場所を移動させるのが困難です。マットの位置を動かす可能性が高いのであれば、エアマットタイプをおすすめします。
タンブリング用マットは厚さ5cm以上で、長さは2m以上のものがいいでしょう。
回転用マットの選び方
回転用のマットは頭や首など接地する部位を保護するように、クッション性が高いものをおすすめします。着地用マットよりは柔らかいものでいいですが、厚さはほどほどにしておきましょう。
厚さはあまり分厚くなくてもいいですが、ヨガなどに使われるマットだと薄すぎます。3cm以上のものを選びましょう。
ストレッチ用マットの選び方
体操・新体操ではダイナミックストレッチはもちろん、スタティックストレッチも重要視されます。床でもできますが、体を冷やさないためにはマットの上で行った方が体を冷やすリスクを軽減できるでしょう。
ストレッチ用マットは保温性にすぐれ吸湿性も高いものだと1年を通して使いやすいです。手入れのしやすさを重視したい場合は、撥水性にすぐれたマットにタオルを引くことで張り付き感を軽減できます。
生地の違いによる特徴
体操用マットの表面は布で覆われていることが多いです。布地によってそれぞれ特徴が違います。
体操用マットでよく使われる布地は、綿帆布・ターポリン・エステル帆布です。今回はその3つに加え、PVCとPUについても解説していきます。
それぞれの特徴を理解した上で、より良いマットを選んでいきましょう。
とにかく丈夫な綿帆布
体操用マットで思い浮かべるものは、この綿帆布であることが多いです。学校の備品のマットは大体、綿帆布のマットです。とにかく丈夫なのが特徴です。
摩耗にも強く長期使用が期待できます。吸水性が高く汗や水分も吸い取るのでべたつくことがありません。
ただし汚れもつきやすく、基本的には耐水機能がありません。湿度の多いところではカビが生えてしまうこともあるので管理には注意が必要です。
汚れに強いターポリン
繊維の布を合成樹脂フィルムで挟んだものをいいます。風や汚れに強く、強度があるので工事現場のシートなどにも使われます。カラーバリエーションが豊富で安価です。
生地は柔らかく表面が平滑なので、比較的汚れがふき取りやすくなっています。軽さもあるので持ち運びに便利です。
摩耗に弱く長期使用にはあまり向いていません。
軽くて縮まないエステル帆布
ポリエステル繊維を使用した帆布に合成樹脂を染み込ませ、熱処理加工したものです。軽い・縮まない・硬くならないという特徴があり防水性にも優れています。
ターポリンよりも強度が強く、価格は少し高めです。
ツルツルとしたPVC
Polyvinyl Chlorideの略で、布地の表面に塩化ビニール樹脂を塗布し質感を天然革に似せた人口革です。比較的安価でツルツルとした手触りが特徴です。
水や中性洗剤で汚れを拭くことができるので、メンテナンスが非常に簡単です。ダニやカビの発生も少ないので、子どもが使うものでも安心です。
通気性が低いので長時間座っていると蒸れる感じがします。夏場や湿気の多い季節は不快感を感じる方もいるでしょう。
やわらかく撥水性抜群のPU
Polyurethaneの略で、布地の表面にポリウレタン樹脂を塗布し、天然革に似せた人口素材です。フェイクレザーと呼ばれるのは、このPUです。柔らかくモチモチとした肌触りが特徴です。
弾力性・柔軟性に優れ、PVCに比べると通気性がありますので張り付き感は和らぎます。撥水性が高くお手入れはしやすいです。
湿度が高い場所だと加水分解を起こし表面がボロボロになる可能性があります。素材自体は弱いかもしれません。