ラグビーのバックスはパスやキックのプレイ技術が要求されるだけでなく走る能力も必要となるポジションです。
ボールを取ったらすぐに全力疾走できる瞬発力や、相手を避けながら走り続ける持久力も備わっていなければなりません。
今回はそんなバックスプレイヤーに必要な鉄壁の防御を生み出す下半身の筋トレ方法を動画を交えて徹底解説していきます。
ラグビーに必要な下半身の筋肉
バックスには相手を交わしてグラウンドを走り抜くことができる瞬発力に優れた下半身が必要です。機敏な動作を生む強力な下半身を得るためにはどの部位を鍛えればよいのでしょうか。
ハムストリングス
太ももの裏側にあたるハムストリングスは、主にジャンプや素早い方向転換の際に求められる瞬発力を高めるために鍛える筋肉です。また「股関節伸展」や「膝関節屈曲」など、股関節や膝関節から足を後方に動かす運動をサポートする筋肉です。
ラグビーは短い距離を瞬発的に走る動作を繰返しますが、ハムストリングスをしっかり鍛えることで肉離れが起こりにくくなります。
大腿四頭筋
太ももの前側にあたる大腿四頭筋は走ったりジャンプしたりする時に必要な筋肉で、ほとんどのスポーツにおいて大腿四頭筋を鍛える必要がでてきます。
膝や股関節の伸展や屈曲の動作をサポートする部位なので、ラグビーでも重要な役割を果たす筋肉となります。
下腿三頭筋
下腿三頭筋も走ったりジャンプしたりする時に役立つ部位です。下腿三頭筋を鍛えることで足首の底屈や膝の屈曲機能が養われ、迅速な方向転換ができる下半身を得ることができます。
またラグビーで重要な踏ん張る力を強化することができます。
大臀筋
瞬発力を磨くために鍛える部位が大臀筋です。大殿筋は多くのスポーツで役立つ筋肉ですが、特に足の伸展や内転・外転の動作で大きな関わりを持ちます。
ラグビーにおいてはキック力を高めバックスに必要な方向転換の動作を機敏に行うことができるようになります。
ハムストリングスを鍛える筋トレ方法
ハムストリングスを鍛えると瞬発力アップにつながるだけでなく、大腿四頭筋とバランスよく発達させることで故障しにくい丈夫な下半身を作ることができます。
ライイングレッグカール
かがみ込んだり立ち上がったりする動作をサポートし、安定した下半身を維持するためにもハムストリングスを発達させることが大切です。ハムストリングの代表的な筋トレ方法がレッグカールです。
単純な動作の筋トレですが、比較的強度が高く正しいフォームで行うことでハムストリングを効率よく鍛えることが可能となります。
- ローラーパッドはふくらはぎより下の足首近くになるようセットしておく
- シートにうつ伏せになりバーを握って身体を一直線にする
- 息を吐きながら足を持ち上げる
- ハムストリングスに意識を集中させゆっくりと膝を曲げる
- 息を吸いながらゆっくりと足を元の位置に戻す
スタートポジションでローラーパッドの位置が間違っていると、トレーニング中にパッドがずれてしまいハムストリングスへ十分な負荷をかけることができません。
また苦しいからといって腰や太ももを浮かせてローラーパッドを上げてしまっては効率が下がってしまいます。重量を落として正しいフォームで行うことが大切です。
無理に重量を上げて行うと肉離れのような故障の原因となってしまいます。
ルーマニアンデッドリフト
デッドリフトより負荷が大きく、ハムストリングスだけでなく大殿筋にもアプローチすることができる種目がルーマニアンデッドリフトです。
ハムストリングスを肥大させてプレイのパフォーマンスアップを図るために必要な筋トレ方法の一つです。
- 足幅は肩幅に合わせる
- 太ももの裏側が伸びていることを確認し膝を軽く曲げてバーベルを持つ
- 腰の高さを維持しながらバーベルを上げる
- 膝を軽く曲げた状態を心がけ、腰を反らしお尻を後ろに突き出したままバーベルを下げる
- バーベルを下げた時に太ももの裏側を意識してしっかりストレッチさせる
腰を反らすことを忘れず腰に負担がかからないよう注意しましょう。また膝を軽く曲げることが大切ですが、曲げすぎると筋トレの効果が薄れてしまいます。
大腿四頭筋を鍛える筋トレ方法
下半身を強化するためには大腿四頭筋を鍛えることが必須となります。大腿四頭筋は体重と股関節をサポートする大切な役割を持つ筋肉です。
バックスに欠かせない走る動作や瞬発力を高めるためにも大腿四頭筋を発達させましょう。
スプリットスクワット
スプリットスクワットは大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングスや大殿筋なども含め下半身に釣り合いの取れた筋肉をつけることができる種目です。
- 片足を前に出しつま先は正面に向ける
- 後ろの足は踵を上げ上体が前に倒れないよう背筋を伸ばす
- 後ろ足の膝が床につかないように気を付け前足に体重をかけながら限界まで腰を落とす
- 前足に体重をかけたまま元の状態に戻る
上体は少し前傾姿勢を取ることでバランスを取ることができます。前傾姿勢でも背筋を伸ばすことを忘れないようにしましょう。
苦しくなると身体がブレてしまいがちですが、上半身をしっかり固定させ一定の速さでゆっくり上下に動くことが大切です。
シシースクワット
大腿四頭筋を鍛える種目の中でも効果が高く負荷も大きい筋トレがシシースクワットです。
バランスが崩れやすい種目なので支えとなるポールのようなものが必要ですが、バーベルやダンベルなどのアイテムを使用しなくても自重で高負荷トレーニングを行うことができます。
- 足幅を肩幅に広げつま先を少し外側に向ける
- バランスが崩れないようポールのようなものを持って身体を支える
- 踵を上げてつま先で立ち膝を前に出して上体を後ろに倒す
- 空いている手は胸の上に置く
- 上体を後ろに倒した姿勢を維持しながら腰を落とす
- 腰を落とした時に大腿四頭筋がストレッチされていることを確認する
- 元の位置に戻る
トレーニングが苦しくなると上体が起きてしまう場合がありますが、上体は常に後ろに倒したまま行うようにしましょう。
負荷が高い筋トレ種目なのでフォームが崩れやすくなりますが、ポイントを抑え正しいフォームでゆっくり行うと効率よく大腿四頭筋を鍛えることができます。