基本的に妊娠中は激しい運動はせず、安静にしておくというのが一般的な認識ではないでしょうか。
しかし妊婦さんの中には、妊娠中だからといって何もせずじっとしているのは退屈だと感じる方も少なくないようです。
また妊娠中はどうしても運動不足になりがち。その為妊娠に伴う体重の増加が気になるという妊婦さんもいるようです。
マタニティストレッチはそんな妊婦さんの悩みを解決するのに有効といわれています。
では、実際にマタニティストレッチにはどんなメリットがあるのか。
具体的なメリットや適切な方法、運動時の注意点等について詳しく解説していきます。
妊婦は腰痛になりやすい？
妊娠中は腰痛になりやすいといわれています。主な原因としていわれているのは2つあります。
1つ目は、赤ちゃんが大きくなるにつれて体の重心が変わり、姿勢を保つため体が自然と反ってくるということ。
そして2つ目はホルモンの変化です。
妊娠すると「エストロゲン・プロゲステロン・リラキシン」といったホルモンが分泌されます。
これらのホルモンは骨盤の靭帯をゆるめ、出産時に赤ちゃんが産道を通りやすくする働きがあります。
同時に骨盤のつなぎ目の関節もゆるむことで腰や背中の筋肉に負担がかかり、腰や背中の腰痛を引き起こすといわれています。
妊娠中の運動は必要？
マタニティストレッチをはじめとする妊娠中の運動はそもそも必要なのでしょうか。
妊娠中でも適度な運動は母体に良いとされています。理由としては以下のものがあげられます。
肥満を抑制する
妊娠中は赤ちゃんが大きくなるので、当然ながらその分の体重が増えます。
しかしそれ以外に胎盤や羊水、血液、皮下脂肪が増加する為お母さん自体の体重も増えます。
赤ちゃんの成長に伴い、体がエネルギーを必要とする為その分食欲も増加しますが、食欲が過剰になってしまうこともあります。
妊娠中の肥満は妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、帝王切開、巨大児の原因になるといわれています。
妊娠中の適度な運動は肥満を抑制し、理想的な体重をキープするのに効果的です。
妊娠線予防
妊娠線は妊婦さんなら誰しも気になる課題ではないでしょうか。
妊娠線が出来る原因は、お腹が大きくなると共に皮膚が急激に伸ばされることが原因といわれています。
適度な運動をすることでお腹周りの筋肉を鍛え、皮膚が急激に伸びてしまうことを防ぐ効果があるようです。
体調を整える
妊娠に伴う体重の増加に反して運動量は少なくなってしまいがちです。
妊娠中はホルモンや血液量が大きく変化する為むくみや便秘、腰痛といったトラブルを引き起こしやすくなってしまいます。
体を動かす事で血行の促進、整腸作用、肩こりや腰痛の予防といった効果が期待できます。
出産に向けての体力づくり
基礎体力づくりに運動は欠かせません。
出産は体力が必要ですから、当然妊婦さんも出産前に十分な体力を養っておく必要があります。
運動をすることで必要な筋力を付けたり、持久力を付けたりと体力を養うことができます。
体力を養う事で出産の時間を短くする効果があると共に、産後の体力回復も早める効果があるともいわれています。
赤ちゃんに良い影響も
運動する事で赤ちゃんに良い影響があるといわれています。
カナダの大学での研究によると、定期的な運動により赤ちゃんの脳の発達を促進するそうです。
マタニティストレッチのメリット
マタニティストレッチは文字通り、妊婦さんの為のエクササイズの一つです。
妊婦の為のストレッチ方法なので特段激しい運動を求めるものではありませんが、正しく行えば十分な効果を期待できます。
具体的にどのようなメリットがあるのか紹介します。
過度な体重増加を防ぐ
運動する事で体重の増加を防ぐことが期待できるというのは前述した通りです。
あくまでもストレッチですので激しい運動ではありませんが、定期的に継続して行う事で無理なく十分な運動量を確保できます。
マタニティストレッチは筋肉の柔軟性や基礎代謝の向上を促し、体重増加防止に十分な効果が期待できます。
腰痛予防
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて腰や背中に負担がかかりやすくなります。
マタニティストレッチは体を柔軟にし、筋力の低下を保ち腰痛を予防する効果があります。
また、血行促進や腸のぜん動運動を促して肩こり、便秘等の予防にもつながります。
リラックス効果
妊娠は体の変化だけでなく環境の変化ももたらします。
嬉しさと共に食べ物や行動が制限される等、妊娠前までの生活と比べると不便で非常にストレスフルな一面も有ります。