オーバートレーニング症候群とは、トレーニングのしすぎにより体にさまざまな変調をきたす状態のことをいいます。
オーバートレーニングの原因や症状、チェック方法を知って体調管理に役立てましょう。
また体験談をもとに、早期回復のための治療方法や予防法も紹介します。
オーバートレーニング症候群の症状は?
オーバートレーニング症候群は非常にさまざまな症状が現れます。
放っておくとパフォーマンスが低下するだけでなく、日常生活をも脅かす事態になりますので注意が必要です。
オーバートレーニング症候群の症状を段階的に見ていきましょう。
運動のパフォーマンスが落ちる
第1段階として、運動時のパフォーマンスが落ちることがあります。
どれほど練習しても記録が伸びなくなったり、疲れやすくなって練習についていくのが難しくなったりするのが主な症状です。
この時点で「練習が足りない」と焦りを感じてさらに負荷を上げてトレーニングを行うと、症状が悪化しやすくなります。
また、過度な負荷をかけたりや密なスケジュールでトレーニングを行うと、怪我の原因になるので気をつけましょう。
低負荷のトレーニングでもパフォーマンスが落ちる
負荷を下げたトレーニングでも疲れやすくなり、自分のイメージ通りに体が動かなくなるのが第2段階です。
タイムやパフォーマンスの低下から、明らかに身体的な異変を感じるでしょう。
この段階まで来ると精神的に追い詰められてしまう人が多いのが特徴です。
疲労が慢性化する
そのうちに症状が慢性化していき、日常生活にも影響を与えます。
疲れやすくなる、全身の倦怠感、集中力の低下、睡眠障害、食欲の減退、体重が減るなどの症状が現れます。
そのような症状を感じたら脈拍や血圧も計ってみましょう。
運動時に血圧が上がりすぎる場合には注意が必要です。
安静時に心拍数の増加している場合や運動後に血圧が下がりにくい場合は慢性化していると考えられます。
重症化すると精神面まで影響が出る
最も重症化すると、イライラや不安感など精神面にも影響が出ます。
気分が落ち込みがちになる、活力が失われる、抑うつ状態になるといった症状が出たら焦らずじっくり治しましょう。
自力で改善するのが難しい場合には、医師やカウンセラーの協力が必要になることもあります。
オーバートレーニング症候群の原因とチェック方法
オーバートレーニング症候群の原因やかかりやすい人について知っておきましょう。
またチェック方法も紹介します。
真面目すぎる人ほどかかりやすい
オーバートレーニング症候群は真面目な人ほどかかりやすいといわれます。
通常のトレーニングとは自分のキャパシティよりも高い負荷をかける「オーバーロードトレーニング」を指します。
ただし負荷が高すぎると疲労が抜けにくくなり、パフォーマンスが低下しがちです。
また休息をとらずにトレーニングをくり返すと筋繊維が損傷から回復できません。
よりよいパフォーマンスを追求したいという願望が強すぎるあまり、オーバーワークになってしまうのです。
効果が上がらないことに焦ってトレーニングをくり返すと、疲労が蓄積されていき、オーバートレーニング症候群に陥ります。
過剰な負荷が原因の一つ
前述の通り、オーバートレーニングの主な原因は過剰な負荷です。
自分の体力を超えるほどの高負荷のトレーニングは逆効果になり、十分な効果を上げることが出来ません。
また疲労も蓄積されていきます。
十分な休息を取れていないことも原因の一つ
十分な休息を取れていないことも原因の一つです。
筋トレならトレーニング後に2〜3日程度の休息を必要としますし、ランニングでも毎日走るのは過負荷だといわれます。
十分な休息を取ることが必要ですが、休息の日数は体調や体力によって異なるため、試行錯誤してみるとよいでしょう。
オーバートレーニング症候群のチェック方法
オーバートレーニング症候群を疑った場合、以下のようなポイントをチェックしてみましょう。
下へ行くほどオーバートレーニング症候群の症状が重くなっていきます。
- パフォーマンスが落ちている
- 通常より筋肉痛が長引いている
- 疲労が抜けていない
- 体が重い
- 食欲が低下している
- 集中力が下がっている
- 体重・体脂肪率の減少するペースが早い
- 休息時の心拍数が通常より多い
- 運動時の血圧の上昇が激しい
- 寝付きが悪い・眠りが浅い
- イライラしている
- 不安感がある
- 常に気分が落ち込んでいる
さまざまな検査を行うことも大切
体調面はもちろんですが、メンタル面の検査を行うこともオーバートレーニング症候群の発見に役立ちます。
- POMS(心理的プロフィールテスト)
- DIPCA3(心理的競技能力診断検査)
- TSMI(体協競技意欲検査)
こんな人はオーバートレーニング症候群になりやすい
真面目な人ほどオーバートレーニング症候群になりやすい、ということは前述しました。
それ以外にも以下のような人がオーバートレーニング症候群になりやすいです。
物事を深刻に捉えすぎる人
真面目なだけでなく、物事を深刻に捉えすぎる人もオーバートレーニング症候群になりやすいといわれます。
休息を取ったり、うまく気分転換をできる人はメンタル面の自己管理もうまくできることが多いです。
大会前などのプレッシャーに弱い人も要注意です。
「休息はよくないことだ」と思ってしまう人
休息を「なまけている」「休息はよくない」と感じてしまう人はオーバートレーニング症候群になりやすいです。