最近、みなさまから「体重を効率的に減らす方法はありませんか?」というご質問をいただくことが増えました。確かに、自分の行なっているトレーニングが本当に効果的なのか不安になる気持ちも理解できます。
体重を効率的に減らしたいのであれば、やはり「基礎代謝」を上げることが一番と言えます。そして、基礎代謝を上げるのに効果的とされる筋肉は「骨格筋」と呼ばれるものです。
今回は、そんな骨格筋率を効率的に増やせる、「トレーニング法」と「食事法」についてご紹介しましょう。また、骨格筋率についても詳しくまとめていますので、合わせて確認していただければと思います。
骨格筋率とは
冒頭でお伝えした、骨格筋とはトレーニングを行うことで増える筋肉の全てを指しています。そして、骨格筋は全筋肉の40%を占めるほど体積の大きな存在です。
骨格筋の平均値
骨格筋は筋肉全体の40%ほどを占めるということでした。しかし、私たちは性別や年齢、体格や生活習慣などにより体の状態は様々です。当然、骨格筋率も全く同じということはあり得ません。
骨格筋率の平均値(成人)は男性で33%ほど、女性で26%ほどです。ちなみに、骨格筋率の計算方法は「筋肉量/体重」なので、自分がどの位置にいるのか興味のある方はぜひ計算してみて下さい。
骨格筋は落ちやすい
筋肉というのは、25歳〜30歳をピークに年齢とともに減少していきます。20代と60代の筋肉量を比べると、半分以下にまで減少するほどです。
特に、骨格筋は運動することでしか増加しない筋肉です。つまり、普段から運動しない方は、余計に骨格筋が減少している可能性は高く、要注意と言えます。
骨格筋のメリット
私たちの体は、基礎代謝と呼ばれるものにより運動していなくとも少しずつカロリーを消費しています。そして、そのうちの約20%は筋肉により消費されているのです。
骨格筋率を増やすということは、この基礎代謝を上げることに繋がります。つまり、何もしていなくともカロリーを消費する「体脂肪が燃えやすい体」を作ることができるという訳です。
骨格筋を増やすメリット
骨格筋は20代後半をピークに減少していくと紹介しました。では、日々の筋トレにより骨格筋を増やす(維持する)メリットとしては何が考えられるのでしょうか?
体脂肪が燃えやすい体に
先述した通り、骨格筋は筋肉全体の約40%を占めています。筋肉量は体内の”代謝量”にも関係することです。代謝量が増えるほどに体脂肪も消費されやすくなります。つまり、骨格筋を増やすことは、少なからず”ダイエット”にも効果が期待できる訳です。
”冷え性”の改善に
骨格筋を鍛えることで単純に体内の筋肉量が増加します。実は、筋肉の発達(運動)は”毛細血管”をより広範囲に広げる働きがあります。毛細血管には体内に栄養と”温度”を運ぶ働きが。毛細血管が発達することで、手足のような末端部分が温められるのです。
ストレスに強くなる
骨格筋(筋肉量)が増えることで筋肉から”キヌレン”と呼ばれる物質の働きを抑える酵素が生み出されます。実は、キヌレンには精神を不安定にさせる働きがあります。骨格筋を鍛えることでキヌレンの働きを抑え、結果としてストレスに強くなるということです。
骨格筋率を増やすトレーニング法
骨格筋率を増やすことで、脂肪を消費しやすい体が作れるということでした。では、どうすれば骨格筋率を効率的に増やすことができるのでしょうか?
筋肥大を目指す
骨格筋率を増やしたいのであれば、「筋肥大」を目指したトレーニングが必要です。筋肥大とは筋肉をとにかく大きくするということで、以下のポイントを意識したトレーニングを行います。
- 10回で限界を迎える重量を選ぶ
- 10回〜12回を3セット繰り返す
- インターバルは1分以内
ポイントは、高負荷・低回数で筋肉を徹底的に追い込むトレーニングです。トレーニング後は、疲れて動けないくらい追い込むことで、骨格筋率を効率的に増やすことができます。
超回復を活用する
骨格筋率を増やしたいからと、毎日トレーニングするのは禁止です。筋肉というのは、「破壊(トレーニング)」と「再生(休息)」により強く生まれ変わることができます。
一般的に、トレーニング直後から48時間(2日間)ほどは「超回復」と呼ばれ休息の期間です。つまり、1週間に2〜3日ほどのペースでトレーニングを行うのが、最も骨格筋率を増やすのに適していると言えます。
先ずはスクワットから
今回の質問は「体重を減らす」というものでした。つまり、基礎代謝の上がりやすい「大きな筋肉」を増やすのが、より効率的に体重を減らすことに繋がると言えます。そこでおすすめするのは「スクワット」です。
- 肩幅ほどに両足を広げる
- 手を真っ直ぐに伸ばす
- 膝が90度になるまで、上体を下げる
- 2の状態まで上体を上げる
- 3〜4の動作を10回3セット繰り返す
スクワットで鍛えられるのは、主に下半身です。そして、下半身には全体の約70%の骨格筋が集中しています。つまり、骨格筋率を増やしたいのなら、スクワットのように下半身を鍛えるのが効率的なのです。
ダンベルツイスト
- 体育座りをする
- 両手でダンベル(1つ)を握る
- 両足を揃え、地面から少しだけ浮かせる
- 腹筋を意識し、ダンベルを左右にゆっくり振る
ダンベルツイストは特に”腹筋”に負荷をかけられるトレーニングです。腹筋には”腹直筋”や”腹斜筋”など大きな筋肉がついています。腹筋周りを鍛えることで効率的に骨格筋を鍛えられます。ちなみに、下半身を動かさないよう注意するとより効率的に腹筋に負荷をかけられます。
シーテッドロー
- 床に座り、両足をまっすぐに伸ばす
- 両足の裏にゴムチューブを引っ掛ける
- ゴムチューブの両端を握り、少しゴムを張る
- 肩甲骨を寄せるように、ゴムチューブを引っ張る
シーテッドローでは広背筋から僧帽筋にかけて負荷をかけられます。広背筋周りは目視できないだけに鍛えずらい部位です。その点、シーテッドローであればゴムーチューブだけで自宅でも簡単に広背筋周りを鍛えられます。ゴムチューブの硬さで負荷を調節できるのもポイントです。