マラソンやサッカー、バスケなどのスポーツにおいて、1試合を戦い抜くというのは大変な持久力を求められることです。毎日の辛いトレーニングをこなしていたとしても、試合の途中でバテてしまうことは珍しくありません。
そんな時、ぜひ役立ててもらいたいのが「カーボローディング」と呼ばれる食事方法です。カーボローディングでは、炭水化物(エネルギー源)を適切に摂取することで高い持久力を付けることができます。
ただ、カーボローディングは正しい知識のもと実践しなければ、本来の効果を得られません。この記事では、そんなカーボローディングの基本知識から食事方法、失敗しない為の注意点に至るまでを詳しく解説します。
カーボローディングの基礎知識
冒頭でお伝えした通り、カーボローディングを実践することで高い持久力を手に入れられます。ではまず、そんなカーボローディングでなぜ持久力が身に付くのかをご紹介しましょう。
運動と消費エネルギー
私たちの体は、常に「エネルギー」を消費することで活動できています。エネルギーとは、主に「炭水化物(グリコーゲン)」「たんぱく質」「脂質」の3つです。中でも、エネルギーの多くは炭水化物を使用しています。
そして、エネルギーというのはあまり動かない日常よりも、激しい動きの加わる「運動」の方が多く消費します。特に、マラソンのような持久力の求められる運動の方が消費は激しく、エネルギーの摂取量を増やす必要があります。
カーボローディングとは
カーボローディングとは、「炭水化物(カーボ)」を「充填(ローディング)」するという意味です。つまり、カーボローディングは「体内の埋蔵量の限界まで炭水化物を溜め込み、試合に備えておく」食事法を指します。
ただ、私たちの体には蓄えられる炭水化物(糖質)の限界量が存在します。例えば、成人なら全身で約350g(肝臓で100g、筋肉で250gほど)です。
どれだけ多くの炭水化物を摂取したとしても、1試合を持たせるのは現実的に不可能です。その為、カーボローディングに加え、試合中にも適切な栄養補給(炭水化物)を行う必要があります。
メリットとデメリット
カーボローディングのメリットは、試合前に限界まで炭水化物を溜め込むことによる「持久力」の向上です。マラソンやサッカーなど、特に持久力を求められるスポーツにおいて、カーボローディングは武器と言えます。
ただ、カーボローディングにはデメリットとして、試合中のどこかで炭水化物を補給する必要があることが挙げられます。また、炭水化物の過度な摂取は体重の増加を招き、パフォーマンス自体の低下に繋がる恐れもあります。
カーボローディングの食事方法
カーボローディングを実践することで、マラソンやサッカーなどに必要な「持久力」が得られることはご理解いただけたと思います。実は、そんなカーボローディングには「古典的」「改良型」の2つの食事方法があります。
古典的な方法
試合の1週間前から始めます。前半(4日間)は炭水化物を抑えた「低糖質食」、後半(3日間)は炭水化物を中心とした「高糖質食」に切り替えます。
低糖質食を行うことで、一時的に体内のインスリン濃度が下がり体は糖質を求める状態です。その後、高糖質食に切り替えることで、通常の2倍近くの糖質(炭水化物)を蓄えられるという訳です。
ただ、古典的な方法は食事内容が極端なもので、体調が不安定になりやすいと言えます。その為、現在ではカーボローディングとして古典的な方法はおすすめしておりません。