EZバーとは?
「EZバー」と聞いてピンとこない方も、ジムなどで見かける持ち手の曲がったバーベルといえば、すぐに思い浮かぶのではないでしょうか?
EZバーはバーベルに使われるシャフトの名称です。緩やかな曲線を描くW字型の形状で、ストレートバーを使ったバーベルトレーニングとは違った効果を感じられます。
EZバーを使うメリット
それでは、EZバーを使うとどのような効果があるかを見ていきましょう。
EZバーは関節に対して自然な形で握ることができる
ストレートバーとEZバーの1番大きな違いは、握ったときの角度です。
曲がったバーを使うことで関節に対して自然な形で握ることができるので、手首や肘の回転に対する負担が軽減されます。
また、自然な形でバーを握ることにより、腕や肩などターゲットに対してピンポイントで効果的なストレッチ効果が期待できます。
より大きな重量でトレーニングできる
EZバーは手首に負担がかからない分、同じ長さのストレートバーと比べ大きな重量に耐えることが可能です。
筋肉への負荷があがるだけでなく、いつもより大きな重量のプレートに堪えられる自分に対してのモチベーションも上がります。
EZバーを使うことで気づくこともある
EZバーは腕が開きづらいので、背中の筋肉などが意識しやすいというメリットがあります。
そのため、筋トレが最近停滞しているという方は、シャフトをEZバーに変えることで新たな気付きを得ることができるかもしれません。
ストレートバーでのバーベルトレーニングが停滞している人は、EZバーを試してみる価値あり!
また、普段のトレーニング時に少し痛みや違和感を感じている方も、EZバーを取り入れることで握り方が変わり痛みや違和感を軽減できるかもしれません。
種目によって効果的に使い分ける
EZバーのメリットをご紹介しましたが、何もストレートバーが悪いというわけではありません。
ストレートバーが得意なトレーニングは、ベンチプレスやスクワットなどいろいろあります。
手首を曲げて行うリストカールなども、EZバーよりストレートバーの方がスムーズです。
シャフトの形状は、種目や筋肉に合わせて使い分けるのがベスト。
家に両方揃えるのが理想ですが、無理な場合は自宅ではEZバー、ジムではストレートバーと分けて利用するようにしましょう。
【関連記事】バーベルシャフト選択の決め手はコレだ!ダンベルにもなるトレーニング用品の選び方
基本の持ち方とトレーニング方法
バーベルを使ったトレーニングといえば、まず思い浮かぶのがバーベルカールです。
ここでは、アンダーグリップ(逆手)でのEZバーの正しい持ち方と、バーベルカールのトレーニング方法をご紹介します。
【関連記事】バーベルカールのやり方!上腕二頭筋に効かせる方法と効果
アンダーグリップの場合の正しい持ち方
逆手で持つ場合は、シャフトの握る位置が重要です。
持ちやすさでいえば、シャフトの曲がった部分の真ん中辺りが楽ですが、この部分を握ると前腕に力が入り上腕二頭筋や上腕に負荷がかかりません。
それでは、せっかくのバーベルトレーニングの効果が薄れてしまいます。
EZバーを持つときの正しい位置は、1番外側の曲がっている角です。そこに、親指と人差し指を合わせて握ります。
そうすることで、上腕二頭筋や上腕に負荷がかかり効果的なトレーニングが期待できます。
バーベルカール(ターゲット:上腕・上腕二頭筋)
バーベルカールはバーベルを使ったトレーニングの基本です。ただしい姿勢で、効果的なトレーニングを行いましょう。
- 腕と足を肩幅の広さに開き、アンダーグリップでバーベルを持ち上げる
- 正面を見据え背筋を延ばす
- 肘を固定して、息を吐きながらゆっくり持ち上げる
- 息を吸いながらゆっくりとスタート位置までバーベルを戻す
肘をずれないようにしっかり固定して、胸に引き寄せるような形で持ち上げましょう。
EZバーと相性のいいトレーニング
次に、EZバーと相性のいいトレーニングをご紹介します。
EZバーを手に入れたら、とり入れて欲しいものばかりですので、ターゲットを参考にしっかりチェックしてください。
リバースカール(ターゲット:上腕筋・腕撓骨筋)
バーベルカールの次にスタンダードなトレーニング法です。上腕筋と前腕の筋肉である腕撓骨筋を鍛えます。
- バーベルを順手で持ち、手を肩幅の広さに合わせる
- 上腕を固定した状態で、息を吐きながら肘を曲げゆっくり持ち上げる
- 息を吸いながらスタート位置までバーベルを戻す
順手のまま持ち上げるのは大変ですが、手の平を下にした状態で持ち上げるのが上腕を鍛えるポイントです。
また、肘を体になるべく近づけておくと効果がアップします。
プリチャーカール(ターゲット:上腕二頭筋)
プリチャーカールはトレーニング時に手首がつっかえないよう、ストレートバーよりEZバーでのトレーニングが推奨されています。
プリーチャーカールは自宅ではなかなか行えませんが、ジムなどでトレーニングするときにストレートバーを使っている方は、EZバーに変えてみるとぐっとやりやすくなりますよ。
- プリチャーカールベンチに腰掛け肘を固定する
- 息を吐きながら、45度を目安に肘を曲げてバーベルを上げる
- 息を吸いながら、ゆっくりバーベルを下ろす
握り方はアンダーリップです。先に紹介した正しい握り方を参考に取り組んでください。
スカルクラッシャー(ターゲット;上腕三頭筋)
スカルクラッシャーは、仰向けになった状態で額の上でバーベルを上下する運動です。主に上腕三頭筋を鍛えるのに効果的な種目です。
- フラットベンチに仰向けに寝る
- クローズグリッパーでバーベルを肩の真上に向かってまっすぐ持ち上げる
- 上腕を固定した状態で息を吸いながら、額から2~3cmのところまでゆっくりおろす
- 息を履きながら、ゆっくりとバーベルを持ち上げる(肘を伸ばしきらないように注意)
スカルクラッシャーは腕を太くするために、とても効果的なトレーニングですが、頭の上で行うため大変危険です。
特に補助なしで自宅で行う場合は、無理のない重量で安全に行えるよう注意してください。
トライセプスエクステンション:(ターゲット:上腕三頭筋)
トライセプエクステンションは、上腕三頭筋を集中的に鍛えるトレーニングです。
ダンベルでは立ったまま行いますが、バーベルにプレートを付て行う場合は安全のためにも座った状態でスタートしましょう。
- 背筋を真っ直ぐに伸ばし座位の姿勢をとる
- 肘を真っ直ぐに伸ばし、バーベルを頭上に持ち上げる
- 息を吸いながらゆっくりとバーベルを頭の後ろにおろす
- 息を吐きながらゆっくりとバーベルをスタート位置に戻す
アップライトロワ(ターゲット:肩と背中)
憧れの逆三角形の体を手に入れるためには、肩と背中のトレーニングが欠かせません。
しかし、負荷をかけすぎると肩関節にストレスがかかるため、適度な重量で行いましょう。
- 肩幅に合わせて足と腕を開く
- バーベルを順手で握り背筋を伸ばして真っ直ぐ立つ
- 息を吐きながら両脇を開き鎖骨の高さまで振り上げる
- 息を吸いながらスタート位置に戻す
両肘を高く上げ、腿からスライドするような形で振り上げるのがポイントです。
EZバーの選び方
EZバーの魅力やトレーニング方法がわかったところで、どのような点に注意して選べばいいかを見ていきましょう。
形状
EZバーの形状は深い角度が特徴のEZタイプと、緩やかな曲線を描くWシャフトに分かれます。
以下にそれぞれの特徴を記載していますので、自分のスタイルに合うものを選びましょう。
Wシャフト
握る位置が自由に変えられるため、汎用性が高くさまざまなトレーニングに利用できる。ただし、カーブが緩やかなため縦向きに握るトレーニングには不向き。
EZタイプ
Wシャフトほどの汎用性はないが、肩周りや胸周りに負荷をかけやすい。ターゲットを絞ってトレーニングするのに向いている。
シャフトの長さは120cmが主流
ストレートバーは220cmほどのものをよく見かけますが、EZバーの長さは120cmが主流です。
1mもの差があるため比べてみるとずいぶん小さく見えますが、これが自宅でもトレーニングしやすいポイントです。
中には120cm以上の商品もありますが、こちらは上級者やジム向けの商品。自宅でのトレーニングに使うなら、120cm前後のものがおすすめです。
スリープ径
スリープ径とはプレートを固定するシャフトの両端のサイズです。こちらは特殊なものを覗けば、50mmと28mmの2種類に分かれます。
50mmサイズはオリンピックのウェイトリフティングに使うものと同じ規格のため、オリンピックシャフトと呼ばれています。ジムのバーベルは基本的にこのサイズです。
28mmサイズは価格が安くプレートの使い回しが効くため、個人での利用は28mmが人気があるようです。
特別なトレーニングを考えている方なら別ですが、自宅でのトレーニングには28mmサイズを選ぶのがいいでしょう。
プレートの固定方法
プレートの固定方法も、スクリュータイプとスプリングタイプの2種類あります。
スクリュータイプ
スリープ部分に溝があり、プレートをボルトをナットにはめ込むように回しながらセットします。
しっかり固定できて長持ちするものの、取り外しに時間がかかるので頻繁にプレートを取り替える場合は面倒です。
スプリングタイプ
プレートをスリープ部分に差し込みスプリングカラーやネジ式のカラーで固定します。
手軽に取り外しができますが、長期間の使用で緩む可能性もあるので定期的にチェックが必要です。
どちらを選ぶかは好みにもよりますが、シャフトを2本以上持っていてプレートを使い回すなら取り外しが簡単なスプリングタイプ。
プレートを1種類しか使わない場合はスクリュータイプなど、プレートの交換頻度で選ぶのもおすすめです。