人間の体内では、さまざまなアミノ酸が働いています。
どの働きも人間にとって大切なものですが、具体的な効果については知られていないものも多いのではないでしょうか。
そんなアミノ酸の中から、今回は「トリプトファン」を紹介します。
トリプトファンとはどんなアミノ酸で、どんな効果があるかなどをまとめました。
トリプトファンとは
必須アミノ酸のひとつ
人間の体をつくる働きをする栄養素といえばタンパク質です。
そのタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。
そのアミノ酸のうち、体内で合成できるものを「非必須アミノ酸」、体内で合成できないものを「必須アミノ酸」といいます。
トリプトファンは必須アミノ酸。
必要量を食品やサプリメントから補わなければいけません。
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トリプトファンを多く含む食品
トリプトファンは、ほかのアミノ酸と比べてもそれほど多くは含まれていません。
大豆たんぱくや小麦たんぱくへの含有が多く、乳製品のカゼインにも多く含まれています。
ほかにも、煮干しやかつお節にも多く含まれる特徴があります。
マルチに活躍するトリプトファン
トリプトファンは、体内のさまざまな形に姿を変えて働くアミノ酸です。
そのうち、特に注目されるのは「セロトニン」や「メラトニン」に合成されていく経路です。
このふたつは、いずれも脳神経の活動に関わる物質であり、トリプトファンが不足することは体内に様々な不調を招くことになります。
特に、精神を安定させるためにトリプトファンを必要量摂取することはとても大切なのです。
また、肝臓ではアラニンとアセト酢酸に分解されます。
アラニンは糖新生やアセトアルデヒトの分解にも関わるアミノ酸です。
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セロトニンとメラトニン
「幸せホルモン」セロトニン
セロトニンは約90%が腸内に存在する物質です。
脳の中枢神経にあるのはわずか2%程度ですが、その2%が非常に大きな影響を及ぼしています。
セロトニンは脳内において、覚醒状態を維持する作用があります。
人間の活動に適度な緊張感を与える大切な物質で、これが不足するとうつ病などの精神不安の症状が出ることがあります。