スポーツやトレーニングを行っていると、思わぬ時に怪我をするものです。そんな時に迅速に処置をする為に備えておきたいのが「氷のう」です。
知っているようで意外と知らない氷のうの選び方や使用方法、更に怪我だけではない熱中症対策への便利な氷のうの使い方を伝授します。
氷のうは災害用としても使用出来るので、いくつか揃えておくと便利です。
氷のうの選び方
スポーツやトレーニングに怪我はつきものです。怪我の応急処置としてアイシングは欠かせないものですが、アイシングの道具として氷のうがあれば迅速な対応が可能です。
また運動後のクールダウンにも氷のうは活躍します。
まずは便利な氷のうの選び方をマスターしていきましょう。
結露しにくい布製がおすすめ
氷のうは痛めた患部にしっかり密着させて冷やすことが大切です。その為、現在は密着しやすい布製の氷のうが主流です。
布製のものは結露も少なく持ち運び時もコンパクトになるので使いやすさに定評があります。
手入れが簡単なシリコン素材
布製が主流の氷のうですが、近年シリコン製の氷のうも人気が上がってきました。見た目の可愛らしさから女性からの支持が高いようです。
シリコン製は肌触りが良く、お手入れがしやすいというメリットを持っていますが、結露しやすく価格も少し高めに設定されています。
氷を入れやすい口の大きさを選ぶ
氷のうはサイズもデザインも豊富に揃っています。可能であれば使用箇所によってサイズの異なる氷のうを使うことが望ましいです。
大小にかかわらず全てのサイズの氷のうは氷を入れて使用します。そのため氷のうの口部分のサイズはしっかり確認しておきましょう。
小さいサイズの氷のうにありがちですが、氷を割らないと入らない程口が小さい氷のうは使い勝手が悪く、いざという時に迅速な処置が出来ません。
氷のうの口が広い方が、氷を入れやすくなりいざという時も使いやすいはずです。
小さすぎないものを選ぶ
怪我をしたときは患部全体は勿論のこと、患部の周辺も含め広い範囲で冷やすことになります。
小さい氷のうは確かに持ち運びは楽ですが、膝や腰など広い範囲で怪我をした際に全体をしっかり冷やす役割を果たせなくなる可能性が出てきます。
部位によって使い分けが出来るように、様々なサイズの氷のうを揃えておくのが理想ですが、多くを揃えておくのが難しい場合は大きめの氷のうを購入しておくと安心なのではないでしょうか。
怪我対策「氷のう」の使い方
怪我をしたらとにかく冷やす!と思っている方が多いようです。間違いではありませんが、冷やし方をしっかり把握することで、怪我の程度を最小限に抑えることが出来ます。
氷のうの正しい使用方法を確認しておきましょう。
怪我をしたらなぜ冷やすのか
まずはなぜ氷のうを使用するのか、その目的を把握しておきます。
体を冷やすということは血管を収縮させることになります。通常なら体を冷やすと血流が悪くなり健康に害を及ぼすといわれます。
怪我をしたときは血流を弱めることで炎症による腫れを抑えます。また細胞自体の働きを弱めることで、怪我による損傷の広がりを抑えます。
そして患部を冷やし続け麻痺状態にすることで痛みを抑える働きもしてくれます。
炎症を抑えてくれるので、その後の治りも早く進むのです。
氷のうを作る方法
氷のうの作り方は怪我をした部位によっても少し違います。
まず膝や腰など広い範囲で痛めた場合は氷と一緒に水を入れることがポイントになります。
- 氷のうに空気を入れて大きく膨らませる
- 氷を入れて少量の水も一緒に入れる
- 氷のう内の空気を出来るだけ抜いて蓋を閉める
水を入れることで体の曲線にしっかりフィットし冷却効果を上げることが出来ます。
一方手首などの狭い範囲での怪我は、氷を氷のうに敷き詰めるように入れるといいでしょう。
- 氷のうに空気を入れて大きく膨らませる
- 氷のうの下に氷を敷くように入れる
- 氷のうの口部分を捻る
- 氷のう内の空気を出来るだけ抜いて蓋を閉める
下記動画でわかりやすく解説しているので参考にしてください。
氷を入れてすぐに患部にあてると冷えすぎて凍傷を起こすこともあります。作ってすぐ使用する時はタオルなどを間にいれましょう。
氷のうの使い方
氷のうを使用する際は怪我をしてから30分以内が効果的です。勿論早いに越したことはありません。
出来るだけ患部に密着するように押さえます。この時氷のうを押さえるバンテージがあればしっかりと固定出来て便利です。
バンテージがない場合は長めのタオルで代用も出来ます。
氷のうで実際に患部を冷やす時は15分程を目安にすると良いでしょう。15分程冷やして様子を確認し一度アイシングをやめます。更に痛みがぶり返すなど状態によっては凍傷に気をつけながら再び冷やしましょう。
氷のうを外すタイミング
氷のうを使用する際に注意をすべきなのは凍傷です。氷のう使用目安は15分程、長くとも20分以上は使用しないようにしましょう。
氷のうを患部にあてておくと患部は次第に暖かさを感じピリピリとした刺激を感じた後に感覚が消えていきます。
感覚が消えたら氷のうを外すタイミングです。
氷のうで怪我予防の疲労回復を
運動後に使用した筋肉を冷やしますが、アイシングすることで熱くなった体をクールダウンし余分なエネルギーを抑える働きがあります。
体から熱が抜けたら入浴するなど、体を少し温めると血流が良くなり疲労の回復が早まります。
ハードなトレーニングを取り入れている人や、スポーツを継続して行っている人などは運動後にアイシングを取り入れてはいかがでしょうか。
熱中症対策「氷のう」の使い方
氷のうは怪我をしたときだけのものではありません。近年増え続ける熱中症の対策にも有効です。
暑い季節にアウトドアでスポーツを楽しむ人は、氷のうでのアイシングをおすすめします。
サイズは大きいものを
熱中症対策で氷のうを使用する際は炎天下で使用することが多くなります。その為なるべく溶けにくい氷のうを作ることが大切です。
サイズは出来るだけ大きいものを選びましょう。
平均的に氷のうが持つ保冷能力は20分程で、炎天下ならばもっと短くなります。可能ならクーラーボックスに入れて持ち運ぶと長持ちします。
氷は沢山いれる
サイズの大きな氷のうを選んだら沢山氷を詰め込みます。この時水を入れてしまうと溶けやすくなるので氷だけ詰め込みましょう。
更に口を絞り上げ空気もしっかり抜いておきます。出来るだけ真空状態に近くすることで保冷能力を高く維持出来ます。
氷のうを長持ちさせる裏技
炎天下のもと氷のうを持ち歩くとどうしても溶けやすくなります。
そこで出来るだけ氷のうを長持ちさせる裏技は、事前に氷のうに水を入れてそのまま冷凍庫で凍らせておくことです。
氷に隙間が出来ると空気が入り溶けやすくなりますが、水をそのまま凍らせれば氷間の隙間が消え溶けにくくなります。
日焼け後にも使用出来る
氷のうは上記の使用方法以外にも、日焼け後の肌のクールダウンにも効果的です。
日焼けは火傷と同じ状態なので、炎症を抑えるためにもしっかりと冷やしておきましょう。
夏場のアウトドアでのスポーツには日焼け対策と氷のうでの冷却が効果的です。