近年日本勢の活躍が著しいバドミントン競技。数年前まで中国の独壇場だったバドミントンでしたが、今は日本人が世界大会上位に食い込むようだけでなく、決勝戦で日本人同士の対決を行うほどの成長を遂げています。
そのレベルに達した背景に選手たちの血の滲むような努力があったことは言うまでもありませんが、オリンピックの場合だと選考規定によって出場することができない場合もあります。
今回はそのような狭き門をくぐり抜け、更に東京オリンピックで活躍が期待される選手を一挙紹介していきます。
選考基準
どの種目も最大2枠まで
バドミントン競技で出場できるのは最大で2枠までとなっています。通常のバドミントンの世界大会ではこのような規則はありません。
出場枠が決められる大会でも、「世界ランキング何位まで」というように、国別で分けられることはないので、ここがオリンピックの一つの特徴といえます。
世界ランキング16位以内に入っていれば出場枠を2枠獲得することができるので、現状日本は全種目で2枠を獲得することができそうです。
オリンピックには特別枠も存在
オリンピックにはいわゆる特別枠も存在しています。
五大陸からそれぞれ1名以上が出場できるように特別枠が設けられていますが、バドミントンの盛んなアジアですから日本からこの枠で出場することにはなりませんね。
また、開催国枠も存在しているので、日本からは必ず1名が出場することができるのですが、それは出場出来なかった場合に与えらる枠であり、世界のトップで戦っているバドミントン競技にはあまり関係のない話です。
枠が少ないので、東京オリンピックまでの日本選手同士の対決にも期待が高まりますね。
男子シングルス:桃田賢斗
🏸桃田選手が圧巻の強さで全日本総合優勝!山口選手、渡辺&東野ペア等と共に、いよいよワールドツアーファイナルズへ‼https://t.co/PP4EK2BTuF#ヨネックス #バドミントン #全日本総合 #桃田賢斗 pic.twitter.com/D4ekvi3EoP
— yonex.co.jp (@yonex_jp) 2018年12月3日
日本のエース
男子シングルスといえば桃田賢斗選手です。
リオオリンピック前からメダルは確実とも騒がれていた桃田選手でしたが、不祥事によりリオオリンピック出場停止を余儀なくされました。
無期限停止処分を受けてから復活を遂げるまで、これまで以上のトレーニングを積み重ねて更に強くなって帰ってきました。
2018年9月に初の世界ランキング1位となり、2019年に入ってもその順位をキープし続けています。金メダル候補の1番人気といえるでしょう。
圧倒的なラリー力
桃田選手の強みは圧倒的なラリー力です。もちろん、ショット、スピード、テクニックなどどれをとっても一級品であることに間違いはないのですが、数年前と比較して圧倒的にラリー力が向上しています。
これまでの桃田選手の場合。ラリーが長くなると先に仕掛けにいってしまう、厳しいコースを狙ってミスをしてしまうという悪い流れがありました。バドミントンでは「我慢」という言葉がよく使われますが、その我慢が足りずに自滅することがあったのです。
今の桃田選手は相手の動きをよく見て我慢し、相手の攻めに対応するプレイスタイルを取っています。
本来持っていた技術も健在なので、いざという時には自ら攻めに転じることももちろん出来ます。
磐石ともいえる状態の桃田選手を崩すことができる選手はいるのでしょうか。期待が高まりますね。
女子シングルス:奥原希望、山口茜
女子シングルスは、国内で1位、2位を争う奥原希望選手、山口茜選手が注目を集めています。
この2人は世界の大舞台でも対決した経験が何度かあります。世界ランキングで優位に立つ奥原選手の方が勝率は高く、リオオリンピックで銅メダルを獲得していることからも奥原選手が本命といえるのではないでしょうか。
プロに移行を決断した奥原希望
今年は23年間の中で初めての生き方に挑戦しました。来年は来年の挑戦があり、これからも挑戦し続けていきます!私の挑戦を温かく見守り、後押しして下さる皆さん、今年もありがとうございました♡奥原家はこれからおせち食べるぞー!!笑 それでは、皆様良いお年をお迎えください😚 pic.twitter.com/Icjcc9ZxwY
— Okuhara Nozomi 奥原 希望 (@nozomi_o11) 2018年12月31日
奥原選手は、オリンピック前回大会の女子ダブルスで金メダルを獲得した松友高橋ペアなども在籍している名門チーム、日本ユニシスに所属していましたが、2019年1月からはプロに転向して活動しています。
東京オリンピックに全てをかけて臨むためにプロ移行、実業団を退社するという選択を取ったようです。
銅メダルで終わった前回大会の悔しさが今も原動力となっているのでしょう。身長156cmとは思えない圧倒的な粘りからも、一つのラリー、一つの試合に対する並々ならぬ思いが伝わってきます。
再春館製薬所のエース・山口茜
☆全日本総合2018☆
皆様。
ありがとうございました!
楽しかった!
またがんばろう🔥(写真:1,2枚目
千葉格@sunpo_life さん) pic.twitter.com/kGPsDVaISU— 山口 茜☆AKANE.YAMAGUCHI (@AKAne_GUcchi66) 2018年12月3日
国内実業団大会で優勝を果たした再春館製薬所。エースはもちろん山口茜です。
奥原希望とプレイスタイルは全く違い、前衛的で攻撃的なラリー展開を見せます。また、そのアグレッシブなプレイスタイルとは真逆ともいえるポーカーフェイスで、試合中に声を出すことは一切ありません。
対照的な2人の対戦も大舞台で見てみたいものです。
男子ダブルス:園田啓悟/嘉村健士、遠藤大由/渡辺勇大
ダブルスは混戦を繰り広げる女子の方がイメージが強いかもしれませんが、男子も世界ランキング上位に2ペアが食い込んでいます。
トナミ運輸の第一ダブルス・園田啓悟/嘉村健士
園田・嘉村組、世界1位を倒した!最多6メダル確定へ https://t.co/CGRAdqAvd3 pic.twitter.com/74PMtx9LBp
— スポーツ報知 (@SportsHochi) 2018年8月3日
日本の男子ダブルス上位のメンバーが引退していった中、その動きに反して頭角を現していったのが園田嘉村ペアです。
自分たちが日本を引っ張るしかない!と言わんばかりに沢山の大会を通して着実に実力を付けていきました。
超低空戦ダブルス
園田嘉村ペアの持ち味は超低空戦のラリーです。相手よりも速く動い、シャトルを前でタッチし、ディフェンスに回ることのないラリーを展開します。
ダブルスの真骨頂である低いラリーを極限まで極めたプレイスタイルです。東京オリンピックでも上位に食い込むことは間違いないでしょう。
ペア結成2年の遠藤大由/渡辺勇大
【男子ダブルス 1回戦】
遠藤大由/渡辺勇大(世界ランク14位)はモハマド・アッサン/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア/同17位)と対戦。ファイナルゲームをものにできず1回戦敗退となりました。