肉体の限界へと挑む競技「陸上」。
ほんの刹那に繰り広げられ、わずかな秒数や距離の違いで多くの人々を魅了します。
今回は数多くある陸上競技の中から、東京2020大会において日本の活躍が期待できるものをご紹介。
さらに今注目すべき選手もピックアップし、その詳細に迫ります。
陸上競技の種類
ひとことで「陸上」といっても数多くの種目があります。
ここで、東京2020大会で行われる種目の内容を確認してみましょう。
トラック競技
短距離・長距離走、リレーなど、トラック(=ラインでコースが隔てられた状態)を使った競技のことをトラック競技といいます。
短距離・長距離走については100mから10000mまで、実に幅広い間隔で種目が分けられています。
そして、次々とハードルを飛び越えながらタイムを競うハードル走。
110mハードル(男子)、100mハードル(女子)、400mハードルの3種類があります。
次に、3000mSC(3000メートル障害)。
3000mの間に障害(平均台のような形状の障害物)を28回、水濠(深さ0.7m長さ3.66mの水堀)を7回越えるという競技です。
こちらは体力の消耗が非常に激しく、ペース配分も難しいため、トラック競技の中でも群を抜いて過酷といえます。
最後に、4x100mと4x400mの2種類のリレーがあります。
フィールド
フィールド競技とは、トラックの内側にあるフィールドで行われる競技のこと。
グラウンドの形を想像してみましょう。
外側にトラックが引いてあり、内側にトラックのない広い空間がありませんか?
そこがフィールドです。
走高跳、走幅跳、三段跳、棒高跳、砲丸投、円盤投、ハンマー投、やり投といった瞬発力を競う競技が行われます。
ロード
ロード競技とは、競技場以外の道路上で行われる競技のこと。
マラソン(42.195kmの道路を走る競技)が含まれます。
ちなみに、東京2020大会における競技のコースはオリンピックスタジアムから始まり、浅草、東京タワーを巡るものとなっています。
ぜひ直接走っている姿を見てみたいものですね!
また、マラソンの他にも競歩がロード競技に含まれます。
競歩は文字通り「歩く」競技で、一定のフォームを保ちながらタイムを競います。
「歩く」といえども、その速度は走るのと変わらないほど。
20km競歩、50km競歩(男子のみ)の2種類があります。
10種競技と7種競技
ここまでご紹介した競技は、競技ごとにランキングを付ける方法の他に、別の採点基準もあります。
それが10種競技や7種競技という項目です。
2日間で複数の競技を実施
10種競技は2日間で10種類の競技の合計得点を競い、7種競技では2日間で7種類の競技の合計得点を競うものです。
競技によって得点の算出方法が異なり、跳躍や投てき種目の場合、得点が0になる可能性もあります。
そのため、どれかの競技が高得点でも、他の競技で得点を落とせば一気に形勢が変わることも。
日本においてはかつて右代啓祐選手が8308点という高得点を叩きだし、話題となりました。
日本人が8000点台を出すことはなく、未だに彼を越える選手はなかなか輩出されないのが現状です。
東京2020大会に出場する条件
オリンピックに出場するにはまず、「出場資格」を取得する必要があります。
では、具体的にどんな条件なのでしょうか?
ここで確認してみましょう。
出場資格の取得可能期間
出場資格を得るためには、決められた期間内に一定の成果を残す必要があります。
また、期間は競技によって以下のとおり異なります。
- 10000m、10種、7種、リレーマラソン、競歩:2019年1月1日から2020年6月29日まで
- その他の種目:2019年7月1日から2020年6月29日まで
出場資格の取得方法
上記期間の間に2つの条件のうちいずれかを達成する必要があります。
1つ目は、期間の終了時にIAAFの世界ランキングで上位にランクインすること。
2つ目は、期間内に標準記録を突破すること。
なお、選考にあたっては1つ目のランキングの結果が優先され、出場するために重要なステップとなります。
2019年現在のIAAFの世界ランキング結果は?
出場資格の取得条件となるIAAFの世界ランキング。
実は2019年2月27日に最新のランキングが発表されました。
2020東京大会を間近に、日本はどのようなポジションにいるのでしょうか?
競歩がアツい
近年、日本の競歩における実力がグンと伸びています。
2016リオデジャネイロ大会では荒井広宙選手が50キロ競歩で銅メダルを獲得し、日本人初の競歩における快挙となりました。
そして迎えた2019年2月27日におけるIAAFの世界ランキング。
競歩では驚くべき結果が出ており、今大注目の競技といえます。
まず20km競歩を見てみましょう。
- 1位:池田向希(東洋大学・20)
- 3位:山西利和(愛知製鋼・22)
- 7位:松永大介(富士通・23)
- 8位:野田明宏(自衛隊・22)
- 9位:藤澤勇(ALSOK・31)
- 10位:高橋英輝(富士通・26)
10位以内になんと6人もランクインしていますね。
池田向希選手は堂々の1位。
まだまだ若い選手のため、これからの成長にも期待できます。