水泳の4種目の中でも運動量が多くスピードアップのためにはさまざまな部位の筋力強化も重視される種目の1つがバタフライになります。
しかし、筋力トレーニングの方法を誤ってしまっては記録の変化は見込めないだけでなくけがや事故の原因にもつながってしまう危険性さえあるのです。
そこで今回はバタフライで速く泳ぐために必要な筋肉の種類や部位ごとの適切なトレーニング方法を解説します。
適切な筋力トレーニングも加えて自己ベストの更新を目指しましょう!
バタフライで使われる筋肉とは?
バタフライで使われる筋肉を理解するためには、まず動作別に確認しておきましょう!
バタフライの動きは、両腕で力強く水をかくストロークとストロークのリズミカルな動きに合わせて両足で前進を加速させるキックで成り立っています。
こちらでは、これらのストロークとキックの動作別に使われる筋肉をバタフライを泳ぐときの正しい動きとともに解説していきましょう。
バタフライのストロークで使われる筋肉
バタフライのストロークで使われる主な筋肉は「上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)・三角筋(さんかくきん)・僧帽筋(そうぼうきん)・広背筋(こうはいきん)」の4つになります。
上腕三頭筋
上腕三頭筋とは、水を押して前進する動作に関係する上腕にある筋肉であり一般的に「二の腕」ともよばれる部位です。
プルの際に水を後方に押し出すことで、前身を浮き上がらせる際に使われます。上腕三頭筋を鍛えることによって、前進を加速することを促すことが可能です。
三角筋
三角筋とは、肩や腕を動かす動作に関係する肩に位置する筋肉です。
名前の通り三角形状の「上腕骨・鎖骨・肩甲骨」を覆うの筋肉により、腕を上下前後左右に腕を動かすことを可能にしています。
バタフライでは、ストロークの動き全体で使われる筋肉です。
僧帽筋
僧帽筋とは、首の付け根から方にかけて伸びる肩甲骨を内側に寄せる動作・持ち上げる動作に関係する筋肉です。
バタフライでは、リカバリーの際に腕を後方に引き上げて前方に引き寄せる際に使われます。
広背筋
広背筋とは、腕を体幹に引き寄せる動作や、腕を内側に回す(内旋)動作に関係する背中の筋肉です。
バタフライでは、水をかくために腕を上体に引き寄せる動作や腕で8の文字を描くように水をかく動作であるスカーリングの際に使われます。
バタフライのキックで使われる筋肉
バタフライのキックで使われる主な筋肉は「腓腹筋(ひふくきん)・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)・腸腰筋(ちょうようきん)・大臀筋(だいでんきん)」の4つがあげられます。
腓腹筋
腓腹筋とは、足の関節を曲げる動作や膝を曲げる動作に関係する一般的に「ふくらはぎ」とよばれる部位に位置する筋肉です。
バタフライでは、 キックする前に素早く足を引き、つま先をしっかりと伸ばして水を効率的にとらえて蹴るために使われます。
大腿四頭筋
大腿四頭筋とは、膝を伸ばす動作や股関節を曲げる動作に関係するいわゆる「太もも」とよばれる太腿の筋肉です。
バタフライでは、 キックの際に膝を勢いよく振りおろして、水を蹴ることで前進するために使われます。
腸腰筋
腸腰筋とは、骨盤を立てる働きや大腿(太もも)を引き上げる動作に関係する筋肉です。
バタフライでは、キックの際に水をとらえて前進するために脚を蹴り下げる動作や体を水平に保つためにも使われます。
大臀筋
大臀筋とはいわゆる「臀部」と呼ばれるお尻に位置する筋肉のことであり、股関節の伸展により脚を後方に引く動作に関係する筋肉です。
バタフライでは、キックの際に水を蹴る前の動作として脚を引き上げるために使われます。
リカバリーで使われる筋肉
バタフライの動きには、新たな次の動作に向けた準備としてリカバリーがあります。この際に用いられる筋肉もありますので解説しましょう。
大胸筋(だいきょうきん)
大胸筋とは、胸部に広く位置する筋肉で上腕の動作や呼吸運動にも関連する筋肉です。
バタフライでは、リカバリーの際に上体を起こすために使われています。
筋肉部位ごとのトレーニング方法
バタフライに必要な筋肉と正しい泳ぎ方の際の筋肉の動きを理解したところで、こちらでは早速具体的な筋肉部位ごとのトレーニング方法をご紹介しましょう!
筋肉トレーニングは、一部の筋肉だけ鍛えるということは難しいためこちらではバタフライに必要な筋肉を効率よく自宅でも手軽に鍛えることのできるメニューをいくつか紹介します。
上腕三頭筋・大胸筋・三角筋を鍛えたいとき
上腕三頭筋・大胸筋・三角筋は、前述の通りバタフライでは腕の動作やリカバリーの際に用いられる筋肉です。