背泳ぎは他の泳法と違い顔を上に向けて泳ぎます。
その為に細部を見ていくと必要となる動き、筋肉も他の泳法とは異なります。
背泳ぎのスピードを上げるには使用する筋肉を正しく理解し、正確に使うことが求められるのです。
大切なのは、タイムに直結するブレない体幹です。
そんな体幹トレーニングを中心に、背泳ぎに必要な筋肉トレーニングを詳しく解説していきます。
体を作り上げることで、推進力をぐんと上げていきましょう。
背泳ぎに必要な筋肉
水泳は全身運動といわれているように、使用する筋肉は全身に及びます。
その中でも特に背泳ぎのタイムを上げる、鍛えておきたい筋肉をピックアップしていきます。
上腕二頭筋・上腕三頭筋
背泳ぎでの推進力は、腕のストロークが大きな役割を果たしています。
前方の水を後方へかき出すことで推進力を生み出しているのです。
その際使用するのが腕の力となりますが、プル(かき出す)を上手くおこなうために上腕二頭筋と上腕三頭筋の筋肉が必要になります。
肘を曲げた状態の時に使用するのは上腕二頭筋であり、肘を伸ばした状態で使用するのが上腕三頭筋です。
この二つの筋肉が上手く連動することでプルが上手く出来るようになります。
泳いだ後に上腕二頭筋だけが疲れているという人は、上腕三頭筋を上手く使えていないことになります。
前腕屈筋群
肘や前腕骨から手の平まで伸びる前腕屈筋群(ぜんわんくっきんぐん)は、握力にも関係する筋肉群です。
背泳ぎのストロークでは水を押し切るという動作をおこないます。
その際に必要なのが手首と手の平の力です。前腕屈筋群を鍛え指先まで強化することもタイムの向上に必要な要素となるでしょう。
広背筋
水泳選手の見事な逆三角形の体を作っているのは、鍛え抜かれた広背筋です。
胸椎から腰椎まで伸びる背中の大きな筋肉で、腕同様にプルに大きな影響を与えます。
この広背筋が上手く使えていないと、上腕二頭筋だけが疲れるといった初歩の泳ぎ方になってしまうのです。
大腿四頭筋・ハムストリングス
背泳ぎのキックはアップキックが推進力を向上させますが、忘れてはならないのがダウンキックの浮力を生む力です。
アップキックとダウンキック共にバランスよくおこなうことで、安定した泳ぎが出来るようになります。
そしてキックは股関節周辺から大きく動かすことが大切です。
その為膝を伸ばす大腿四頭筋や、その拮抗筋となるハムストリングスは背泳ぎに欠かせない重要な筋肉となります。
腓腹筋
腓腹筋はヒラメ筋と共に足首の底屈(つま先を伸ばす)に関係しています。
足首を柔らかく使用し、キック力を生み出す際にも活躍してくれる筋肉です。
ヒラメ筋に比べ腓腹筋は瞬発力の強い筋肉なので、しっかり鍛えておくといいでしょう。
首・体幹を鍛えることは最も重要
背泳ぎは安定した姿勢を保ち、水の抵抗を最小限に抑えることも重要になってきます。
その為には首を強くし、更に強靭な体幹をつくり上げる必要があります。
首を強くする胸鎖乳突筋と僧帽筋
僧帽筋は表面近くにあり、首から背中上部に広がっています。
また耳の後ろから鎖骨へ延びる胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は、首を動かし固定する際に使われます。
細く鍛えにくい筋肉ですが、僧帽筋と共に強い首を作るには必要な筋肉です。
背泳ぎで姿勢を維持するためために首の筋肉は重要な位置を担っているのです。
更に、首も含め体幹部分は背泳ぎに限らず全てのスポーツで重要視されており、大きな力を発揮するために必要不可欠な部位といえるでしょう。
効果的に鍛えるトレーニング方法
背泳ぎに必要な筋肉のトレーニング方法を詳しく紹介していきます。
ネックローテーション
胸鎖乳突筋と僧帽筋を鍛えるトレーニングとして紹介したいのが、ネックローテーションです。
- ベンチで頭部を出し仰向けに寝る(頭部が浮いている状態)
- 手で額を抑える
- 首を少し後方へ倒しゆっくり持ち上げる
- ゆっくりと戻す
この時負荷をかけるためにプレートなどを額にのせてもいいでしょう。
初心者は首を痛めやすいので、最初は自重だけでトレーニングをおこないます。
またうつ伏せでおこなうことで、僧帽筋に強く働きかけるトレーニングとなります。
下記の動画ではプレートを使用したネックフレクションを紹介しています。
トライセプスキックバック
筋トレの初心者でも取り組みやすく、人気のあるトライセプスキックバックは上腕三頭筋に働きかけます。
上腕三頭筋は普段の生活で、あまり意識して使うことはない部位です。
トレーニングの際はしっかりと意識を向けて動かしていきましょう。
- ベンチに片足と片手を乗せる
- 片方の手にダンベルを持ち肘を後ろへ引き曲げる
- 肘の位置を固定したまま伸ばしていく
- 反動を使わずゆっくり戻す
- 10回~15回程繰り返す
- 反対サイドも行う
この時しっかり背中を伸ばします。また肩を開きすぎないように姿勢を正しくキープしておきます。
下記動画で正しい方法を確認出来ます。
レッグエクステンション
レッグエクステンションは大腿四頭筋に働きかけます。