運動する前に必ず実施するのがウォーミングアップ。
怪我をしないように本格的なトレーニングの前に行うウォーミングアップはとても重要です。
そして同様に重要なのがクールダウン。クールダウンをするのとしないのではコンディションを整えるのに大きな差を生みます。
今回はクールダウンの種類や効果的な方法を徹底解説していきます。
クールダウンが重要な理由
クールダウンは整理運動とも呼ばれ運動後に行うものですが、そもそもなぜクールダウンを行う必要があるのでしょうか。
クールダウンが必要な理由、その効果について見ていきましょう。
疲労の軽減
運動すると血液中に乳酸が溜まります。乳酸は心筋、骨格筋等の筋肉でエネルギー源である為、循環させることが重要です。
継続していた運動を急に止めてしまうとその乳酸が筋肉組織に停滞し疲労の原因となってしまいます。
クールダウンすることで運動後にたまる乳酸を除去し、疲労回復を早める効果が期待できるといわれています。
筋肉痛・傷害の予防
運動後にクールダウンとしてのストレッチは筋肉痛・傷害の予防に有効です。
激しい運動の後は筋肉の硬直により血管が圧迫され酸素や栄養源がうまく行き届かなくなってしまうことが有ります。
そしてそれが疲労回復を遅らせることになり筋肉痛の原因となってしまいます。
クールダウンすることで筋肉を柔らかくし、血行を促進し筋肉痛の予防、早期回復が見込めます。
体の負担の軽減
激しい運動になればなるほど、筋肉と心臓は血液を体内に循環させるようとします。脈が速くなるのはこのためです。
運動を急に止めることで、心拍数や血圧が急低下し、循環していた血液が留まってしまい心臓へ戻りづらくなってしまいます。
その為、運動後に気分が悪くなったり、めまい、貧血等の体調不良を引き起こす原因となるのです。
激しい運動後に軽い運動をすることで血液の流れを促進し体への負担軽減や、体調不良の予防が可能です。
クールダウンの種類
クールダウンにはいくつかの方法があり、メインとなる運動の内容によって変えるのが効果的です。
また、それぞれを組み合わせるのも効果的でしょう。主なクールダウンの方法3つを紹介します。
ストレッチ
ウォーキング等の軽い運動や筋トレを行った後に効果的なクールダウン方法です。
軽くストレッチを行うことで酷使した筋肉をほぐし、筋肉が硬くなるを防ぎます。
特に負荷がかかった部分は入念に時間をかけて行うと筋肉痛の予防に効果的です。
ジョギング
ジョギングはランニングやスポーツ等激しい運動を行った後に効果的なクールダウン方法です。
軽めのジョギングをすることで、上がった心拍数を徐々に通常に戻すことが目的です。
また、血流が滞るのを防ぎ、循環させることで酷使した部分にたまった疲労物質を分解、排出する効果が期待できます。
ウォーキング
ジョギングと同様の効果が期待できます。血液を循環させ、酸素と栄養を体に送り続けることが可能です。
軽いランニングや体操等、運動量の軽い有酸素運動後のクールダウンとして効果的です。
激しい運動後は最初はジョギングからクールダウンし、ウォーキングにつなげるのが良いでしょう。
クールダウン方法を組合せて使う
運動の内容によって上記のクールダウンを組み合わせて使うのがコツです。
激しい運動後にいきなりウォーキングやストレッチでクールダウンを行うと、運動量が急低下し体に負荷がかかってしまいます。
その際はジョギングからウォーキングに移し、最後にストレッチという流れでクールダウンするのが理想です。
軽めのランニングであれば、ウォーキングでクールダウンを始め、最後にストレッチで締めるという流れが良いでしょう。
クールダウンストレッチの方法
ここからはそれぞれのクールダウンの方法についてご紹介します。まずはクールダウンストレッチの方法から確認していきましょう。
首・肩
首周りから肩、腕(頚部、僧帽筋、三角筋)にかけてのストレッチです。
- 背筋を伸ばして座る(あぐらをかいた状態)。
- 右手を左耳の辺りにあてる。左手はサイドに広げて真っ直ぐ伸ばす。
- 右手で頭を倒すようにして左側の首筋を伸ばし、そのままの姿勢をキープする(10~20秒程度)。
- そのままの姿勢で左手をひねる(腕の表側を下に向けるようにひねる)。
- 2.~4を反対側でも行う。
肩関節
肩関節(三角筋後部)中心のストレッチです。
- 右手を真っ直ぐ前に伸ばし(前にならえの状態)そのまま体の前に引き寄せる。
- 左手で右手を更に手前に引っ張りそのまま10秒~20秒程度キープする。
- 反対側も同様に行う。
ストレッチする腕は曲げてしまうと効果が有りません。真っ直ぐ伸ばすようにしましょう。
二の腕
二の腕(上腕三頭筋)のストレッチ運動です。
- 右腕を上にあげ肘から曲げる。曲げた手は頭の後ろへ持ってくるようにする。
- 左手で右手の肘をゆっくり引っ張る。そのままの姿勢を10秒~20秒キープする。
- 1.2.を左腕も同様に行う。
筋トレや運動後だけでなく、長時間のデスクワーク等でリラックスしたい時にも有効なストレッチです。
脇腹
脇腹のストレッチです。
- 両腕を真っ直ぐ伸ばし手を頭の上で組む(手のひらが上になるようにする)。
- そのまま体をゆっくり右に倒し伸び切ったところで止める。
- 元の位置に戻して、同様に左に倒す。これを繰り返す。
お尻・腿裏その1
お尻(大殿筋)と太腿の裏側を伸ばすストレッチです。
- 仰向けにの状態で右膝を手で抱えるようにする。
- そのまま胸に引き付けた状態で10秒~20秒程度キープする。
- 反対側も同様に行う。
非常にシンプルなストレッチですが、入念に行えば十分な効果が期待できます。
脚を曲げたときに腰やお尻が浮かないようにしましょう。
お尻・腿裏その2
お尻(大殿筋・中殿筋)のストレッチ方法をもう一つご紹介します。
- 仰向けになって両膝を立てる。
- そのままの姿勢で右足を左の膝に乗せる。
- 両足の間のスキマから右手を入れて左膝を胸元まで抱えるようにする。
- お尻の筋肉がピンと張るまで伸ばしたらそのままの状態を10秒~20秒キープする。
- 反対側も同様に行う。
少し複雑なストレッチなので体が固いと難しいかもしれません。無理をすると逆に体を痛めてしまいます。