基本的な腹式呼吸をマスター出来たら、少しプラスαの呼吸にチャレンジしてみましょう。
また腹式呼吸をする前の準備運動も紹介します。
プラスの空気を取り込む練習をする
腹式呼吸の基礎を身に着けることが出来たら、更にプラスの空気を体に取り込む練習もしてみましょう。
- 息を吸う時に体に力が入らない
- 横隔膜をしっかり使用している
上記が腹式呼吸の基礎となります。
プラスαの練習法は、息を吸う際にあえて横隔膜に意識を向け自分の意識下で軽く息を吸い込む方法です。
この時沢山吸い込もうとすると余計な力が入ってしまうので、あくまで少量の空気を細く吸い込むイメージで吸います。
ダイエットを目指すならドローイン
腹式呼吸で使う主なインナーマッスルは下記の部位となります。
- 横隔膜
- 腹横筋
- 多裂筋
- 骨盤底筋群
これらのインナーマッスルを更に強く刺激することで、下腹部の気になるポッコリお腹を改善することが可能です。
その為には、腹式呼吸に更なる負荷をかけて行うドローインをおすすめします。
ドローインは、特に腹横筋(腹斜筋の奥に存在するインナーマッスル)に負荷が多くかかる呼吸法です。
- 膝を立て仰向けに寝る
- 腰の下にタオルをいれ、腰が床から浮かないようにする
- 腹部にタオル等の重りとなるものを置く
- 手のひらを上にして体側に置く
- 息を吐きながら、腹部を床につけるイメージで腹部を凹ませる
- 吸う息で、ゆっくり腹部を戻す
1回5回程を目安に2セット行いますが、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。
吐き切ったところで5秒から10秒程度息を止めると、更に腹横筋に負荷がかかります。
このドローインは腹式呼吸同様に、慣れてきたら立位で行うことも出来るので、生活の中に取り込みやすいのではないでしょうか。
準備体操としての横隔膜ストレッチ
横隔膜のストレッチは上記動画の1分40秒ほどから始まります。
- 仰向けになり膝を90度の角度で立てる
- 骨盤を少し持ち上げ、後傾させて腰を少し丸める
- 息を吐きながら腰を上に持ち上げる
- 吐き切ったら、腰を上でキープしたまま少し息を止める
- 息を止めたまま背骨を上から少しづつ床に戻していく
- 床に背中がついたら息を吸う
内臓が上に引き上がっているような感覚をつかんでいきましょう。
数を多くこなす必要はないので、2セットから3セットほど繰り返し横隔膜をほぐします。
横隔膜剥がし
横隔膜剥がしは、上記動画の1分50秒ほどからはじまります。
- 4本の指を入れるように、肋骨の下の部分(中央)を押さえる
- 指で押さえたまま息を吐く
- 指を緩めて息を吸う
- 4本の指を少し体側側にずらして、息を吐く
- 指を緩めて息を吸う
押さえる指の位置を少しづつ外側にずらしながら呼吸を繰り返します。
ほぐすことで、横隔膜が動きやすくなり呼吸が深まるのを感じることが出来るのではないでしょうか。
おすすめしたいトレーニングメニュー
腹式呼吸を身に着ける為に、具体的なトレーニングのやり方を紹介します。
時間別の「一押し腹式呼吸練習方法」を見ていきましょう。
なお、全て記事内で紹介しているトレーニング方法となります。
朝におすすめのトレーニング
朝は寝起きにベッドの中で出来るトレーニングがおすすめです。
- 準備体操としての横隔膜ストレッチ(2セットから3セット)
- 仰向けで行う腹式呼吸基礎、またはドローイン
寝起きに腹式呼吸をすることで、落ち着いた気持ちで1日をスタート出来るのではないでしょうか。
隙間時間におすすめのトレーニング
生活の中のちょっとした時間にトレーニングをしたい人におすすめなのは、下記の内容です。
こちらは順番通りに行わなくても、単発で取り入れてもいいのではないでしょうか。
- 横隔膜剥がし
- 立ったままの練習方法
- ペットボトル使用の練習方法
その場で出来る方法なので、出かける前や帰宅後などにすぐ実施出来ます。
慣れてきたら、出かけ先でも腹式呼吸を意識してみてはいかがでしょう。
少しの時間腹式呼吸を繰り返すことで、体の不調の改善に繋がっていくはずです。
夜におすすめのトレーニング
夜は副交感神経が活発になり、腹式呼吸の練習には最適の時間となります。
- 横隔膜を緩くするトレーニング
- 横隔膜剥がし
- 仰向けで行う腹式呼吸基礎
寝る前に腹式呼吸を意識することで、睡眠の質が高くなるでしょう。
腹式呼吸を身に着けておくべき人
最後に腹式呼吸を身に着けておくべき人を確認しておきます。
心当たりのある人は、今回紹介した腹式呼吸法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
イライラしやすい人
普段からイライラしやすいという人は、交感神経が過敏に働いてしまいます。
腹式呼吸は自律神経を整え、幸せホルモンであるセロトニンを合成するともいわれており、イライラを抑えてくれるでしょう。
冷え性の人
特に女性に多い冷え性ですが、腹式呼吸によって血流をあげることで体の冷えを改善することも出来ます。
横隔膜の動きによって静脈の流れが促され、血液の循環が良くなっていくのです。
免疫をあげたい人
免疫力の向上は誰もが願うことではないでしょうか。
人間の免疫はその7割程が腸でつくられるといわれています。
腸の健康は、免疫力と直結しているといっても過言ではありません。
横隔膜を使用する腹式呼吸は腹圧を変え、腸を刺激してくれます。
便秘の改善に効果を発揮するだけでなく、腸を整えることで免疫力もあげてくれるのです。
お腹周りを引き締めたい人
実は腹式呼吸は、ダイエットとしても注目されています。
腹部のインナーマッスルを鍛えることになるので、腹式呼吸は筋肉トレーニングという考えもあるほどです。
少しずつの変化になりますが、筋肉量と共に基礎代謝が上がっていくでしょう。
またストレスの軽減によって、いわゆるストレス太りの予防にもなるのではないでしょうか。
腰痛を改善したい人
腹部のインナーマッスルを鍛えることは、腰痛の改善にも繋がってきます。
腰痛の大半はストレスからくる非特異的腰痛ですが、腹式呼吸を取り入れることで痛みから解放されたという声も多く聞かれます。
【関連記事】腹式呼吸正しいやり方を解説!腹式呼吸の効果と簡単な練習方法とは?メリットと習慣化するコツや胸式呼吸との違いも確認しよう
自分に合った練習方法で腹式呼吸を身に着ける
腹式呼吸を身につければ、自律神経が整い体の不調も改善されていくでしょう。
この呼吸法をしっかりと自分のものにするには、少しずつでも毎日続けることがポイントです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、コツさえつかめば誰でも簡単に出来る健康法といえます。
自分に合った方法で、実践していきましょう。