フロントプレスの動作を行うことで筋肉に刺激を与えるなら、動作スピードはゆっくり行うことがベストです。もちろんバーベルを持ち上げ始める瞬間も反動などつけることなく、腕と肩に少しずつ力を入れながら筋肉を上方に向かって絞り上げるような動きが理想的です。
これは、バーベルを頭上まで上げきった後、鎖骨の位置へ下げて戻すときにも同様のことがいえます。本数やセット数を重ねていくうちに筋肉の疲労感から、バーベルを元の位置に戻す際、つい力を抜きたくなることがあるでしょう。
しかしバーベルを戻すときにも筋肉への刺激は起きているので、フロントプレスの効果を最大限に発揮したいのであれば、すべての動作中のスピードはゆっくり行ったほうがいいでしょう。
三角筋と上腕三頭筋に効かせるための挙上軌道は?
フロントプレスの動作で大事な要素としてもうひとつ挙げられるのが拳上軌道です。バーベルは単純に持ち上げればいいわけではありません。三角筋と上腕三頭筋に効果が最大限に現れるようなバーベルの軌道を確保しなければいけません。
もしバーベルが体から離れてしまうような軌道で上方に持ち上げてしまえば、上腕二頭筋や大胸筋などに力の意識が分散してしまいます。フロントプレスにおける最適な拳上軌道は、顔や頭に最も接近しているコースであり、上腕三頭筋や三角筋に力の意識を持てるようにするのが理想です。
すなわち鎖骨付近からバーベルを持ち上げ始めたら、まず顎のすぐ近くを通過させます。次に口や鼻の近く、額のすぐそばを通過させ、最後に頭の上から上方に向かい押し上げるのです。
頭部ぎりぎりにバーベルを通過させることで、三角筋や上腕三頭筋に力の意識を大きく持つことができトレーニング効果を最大限に実感することができます。
フロントプレスのバリエーション
バーベルを使用する方法
フロントプレスは一般的にバーベルを使用して行うことが多いようです。特に初心者の方などは、正しいフォームと軌道を身につけ、三角筋と上腕三頭筋にしっかり効果を与えるためにも、まずはバーベルでしっかりトレーニングを行うことがおすすめです。
ダンベルを使用する方法
フロントプレスはダンベルを使用して行うと、より三角筋に力の意識を集中することができます。バーベルのように両手で持つのではなく、片方ずつのダンベルをさらに体の中心に近い軌道で持ち上げることができるからです。
フロントプレスを覚えたらバックプレスにも挑戦しよう!
フロントプレスと同様のトレーニング効果を得ることができる種目としてバックプレスがあります。バックプレスはその名の通り、バーベルを頭の後ろにセットして後頭部付近を通過させながら上方に持ち上げる筋力トレーニングです。
どちらかというとフロントプレスは肩の前方部分を特に鍛えることができるのに対し、バックプレスは肩の後方部分を鍛えることができます。
肩を鍛える目的でプレス系のトレーニングを行うプログラムを組むのであれば、いつもフロントプレスを組み込むのではなく、バックプレスと交互に行うような方法にすれば肩全体をまんべんなく鍛えることができるでしょう。
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