腸腰筋は股関節の一番深い位置にあるので、このストレッチをすると股関節と姿勢を維持しようとします。
腸腰筋をしっかり伸ばすために、膝関節は少し曲げる程度にしましょう。
腸腰筋はアスリートにとっても重要
もう少しスポーツ寄りの話をしましょう。
先にも述べた通り、腸腰筋は姿勢の維持に関わるインナーマッスルで、骨盤の傾きにも関わっています。また、腿を上げる動作にも関わるので、運動能力にも大きく関わってきます。
特に短距離走やジャンプ力に直結する筋肉でもあります。
例えば黒人の短距離走の能力、ジャンプ力などは日本人の多くを占めるモンゴロイドに比べるとかなり高いレベルにありますが、黒人の腸腰筋はモンゴロイドに比べると、実に3倍の太さを持っているという研究結果もあります。
サッカーなどでも黒人の選手はびっくりするような弾道のボールを蹴ることが出来ますが、この辺りにも腸腰筋の発達の違いが感じられるでしょう。
腸腰筋のトレーニング
トレーニングだけでその差を埋めるのは難しいですが、レッグレイズやニーレイズといったトレーニングで筋力の発達を促すことは競技力のアップにもつながる筈です。
サッカーの長友選手がインナーマッスルを鍛えることで競技力の向上を実現したことは有名ですが、外国人にも走り勝つ姿を見ていると、腸腰筋もしっかり対策をしている印象を受けます。
レッグレイズ
ニーレイズ
腸腰筋が発達している人は姿勢が良い
黒人の腸腰筋が発達しているという事実は他の面でも参考になります。
姿勢に関しても、黒人にはお尻が上向きで背骨も緩やかなS字を描いていて背筋が伸びている方が目立ちます。
これも腸腰筋が発達していると骨盤の位置が良くなり、良い姿勢が維持させるということを示しています。
姿勢と精神、その繋がり
姿勢の良さというと日本人的な感覚では精神面、態度の問題として語られがちです。
「人の話を聞く姿勢」「あきらめずに前に進む姿勢」という、生き方や対人関係の態度、コミュニケーションする際の品格といった言葉に繋がるので、内面的な問題として語られることが多いようです。
姿勢が肉体的な健康にとっても非常に重要で、外見的にも大きく左右される話であることが、もう少し広く認識されて欲しいところです。
実際、健康的な暮らしをすれば、メンタルにも余裕が出てポジティブな生活を送りやすくる筈です。
そのためにも外から見えない腸腰筋を鍛えるというのは興味深い話ですね。