汎用性の高さも魅力の腹筋ローラー
腹筋ローラー(アブローラー、コロコロ)というトレーニング器具は中々の優れものです。
名前こそ「腹筋」を名乗っていますが、実はかなりいろいろな部位を鍛えられる汎用性が高さが魅力です。どこまでトレーニングし、筋肉を肥大させたいかにもよりますが、腹筋ローラーはほぼ全身を鍛えらる器具なのです。
具体的にはお腹(腹直筋)、背中(脊柱起立筋、広背筋)、腕(上腕三頭筋・三角筋)、脚(大腿四頭筋)といった部位を鍛えることが出来ます。
腰には気をつけて利用すべし
オールマイティーなトレーニング器具である腹筋ローラーですが、一つ落とし穴があります。
使い方を誤ると腰を痛めやすいのです。
つま先と、手に持ったローラーの車輪だけで身体を支えるため、少しバランスを崩すと背中が反ってしまいます。
背中を反らさないように維持している時は肩や背中、お尻や足の筋肉を動員して姿勢を整えていますが、背中が反ってしまうと腰の部分に負担が掛かり過ぎてしまい、痛めてしまうことが多いのです。
せっかくトレーニングをしているのに、身体を痛めてしまっては本末転倒です。
このトラブルを防ぐために留意するのは次の2点です。
腰を痛めずに腹筋ローラーで筋トレするポイント
ポイント①手首を返さずに行う
手首を返してしまうと、そのままローラーが前方向に転がり身体が伸びてしまいます。
これを防ぐために、猫の手のように手を丸めるような形にしておくと、前方に転がろうという力を抑えられます。
ポイント②猫背を維持する
背中が伸びないように、身体を意図的に丸めておきます。
その姿勢を維持出来れば腰だけに負担を掛けずに済むでしょう。
ただ、腹筋ローラー自体は姿勢を固定するのではなく、時間を掛けて曲げ伸ばしすることに意味があるので、猫背の維持は大変です。
自分の臍のあたりを常に見ていることで実現出来るでしょう。
腹筋ローラーで腰は鍛えられるか
上記2点を実行することで腰痛の危険性を遠ざけることが出来るでしょう。
ところで、そんな腹筋ローラーで痛めやすい腰をより安定させて強くするような、腰痛予防のためのトレーニングは出来ないものでしょうか?
これは無論、可能です。
ただし腰筋と呼ばれる筋肉、その名称ズバリの部位は存在しません。
腰周りの骨は背骨しかなく、中には生命維持に欠かすことの出来ない内臓群があります。
身体を前屈させたり、背中側に反ったり、左右にも動かし回転もする。腰はそんな柔軟な箇所なため、周囲にある筋肉も背中やお腹の筋肉、脇腹の筋肉、更には体の外側にあるアウターマッスルと内側にあるインナーマッスルとで少しずつ分担して守っているのです。腰部は、複数の筋肉で守り機能させている部位なのです。
腰痛予防のためにはこれらの筋肉をしっかり鍛える必要があります。
では腹筋ローラーを使って腰を強化するメソッドをご紹介します。
基本的なトレーニング、膝コロ
一番オーソドックスな腹筋ローラーの使い方である「膝コロ」を行うと、いわゆる体正面の腹筋でシックスパックに割れる部分である腹直筋、背中を支えるインナーマッスルである脊柱起立筋が鍛えられます。
特に脊柱起立筋は姿勢維持のキモになる筋肉であるため、腰痛の予防にも効果があります。