人間の体内では、多くのアミノ酸が活躍しています。
アミノ酸と一言で言っても、その働きは様々。
今回は、そんなアミノ酸のひとつである「アラニン」について紹介します。
アラニンとは
非必須アミノ酸の1つ
アラニンは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうちのひとつです。
タンパク質を構成するアミノ酸は、体内で合成できる「非必須アミノ酸」と、それができない「必須アミノ酸」があります。
アラニンは、体内で合成することができる非必須アミノ酸のひとつです。
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食品中にも含まれる
食品中には、ぶたのゼラチンに非常に多く含まれています。
それ以外では、かつお節やいわしなど魚介類にも多い特徴があります。
大豆にもそれなりに含まれているなど、おおむねほかのアミノ酸と同様の傾向にあります。
グルコース-アラニン回路で働く
人間の体内では、ある物質を別の物質に変える作業が休むことなく行われています。
体内で発生したアンモニアを尿素の形で無毒化して排出する尿素回路はその一例です。
アラニンが大きな仕事をする、「グルコース-アラニン回路」もそのひとつです。
この回路では、まず筋肉においてグルコースがピルビン酸に分解されます。
そのピルビン酸がアラニンになります。
アラニンは血液中を流れて肝臓に届けられます。
そこでアラニンは、ピルビン酸とグルタミン酸に分解されます。
ピルビン酸は糖新生によってグルコースに変換され再び筋肉へ。
グルタミン酸はアスパラギン酸になり尿素回路へと送られます。
極めて単純に言えば、筋肉のエネルギー源になるグルコースを供給し続けるための一連の機能が、グルコース-アラニン回路なのです。
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肝臓とアルコール
アラニンは肝臓で働く
アラニンは主に肝臓で活動するアミノ酸であることはお分かりいただけたでしょうか。
先ほどの説明ではただ分解されているだけのように感じられるかもしれませんが、その過程で重要な役割を果たしているのです。
肝臓で思い浮かべるものと言えば・・・
そう、アルコールですね。
人はなぜ酔うのか
お酒を飲むことによって人間の体内に取り込まれたアルコールは、肝臓に届けられます。
ここでアルコールが分解されることで、アセトアルデヒドが生成されます。
お酒を飲むと「酔い」を感じるものですが、これはアセトアルデヒドの作用。